最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第324話 難航する暗殺
ジウが罠を張ってから数日が過ぎて、ついにその時は訪れた。操っている魔族を通して脆弱な結界の内部を遂に見ることが出来たのである。
だが、その魔族はとある部屋の前で行ったり来たりを繰り返していているようで、ジウは怪しげに思い少しばかり誘致促進を使って魔族の感情を増幅させてみる事にした。するとその魔族は部屋の中に入りトチ狂ったかのように暴れ始めた。
(どうやらこの部屋は彼らが話をしていた『魔人』とやらの使っている部屋だったらしいな)
やるかやらないかで悩んでいた魔族はジウの魔法で憎悪を膨れ上がらされてしまい、タガが外れたかの如く魔人の部屋を荒らしている。
ジウはこれを利用して『魔人』と『魔族』に争いを起こさせて、レアを動かす策略を思いつく。
如何に魔族の王の魔力が優れているとは言っても自分は精霊である。魔法で自分が他種族に遅れを取る筈がないと、宿に泊まっているジウは好機が訪れたと手放しで喜ぶのであった。
そして狙い通りに城の内部に張られていた結界からレアを出すことに成功して、水晶玉を通してジウはレアに『漏出』を放つのであった。
しかしそこに表示されたレアの戦力値や魔力。そして年齢等は何らかの妨害工作をされているのか『測定不能』という文字や『未表示』とされていた。
これでは何の意味もないと判断したジウは、もう少し確実に情報を得られるまで待つことにするのだった。
そしてその数日後。操っていた魔族たちと魔人が再び揉め始めた。そしてその場に『エリス』と呼ばれている魔族の女が仲裁に入った。
(確かあの魔族は『レイズ』とかいう国の女王でエリスとかいったか……?)
魔族の大陸では大国である『三大魔国』の一国を担う女王だった筈である。
そして魔人はジウが魔法をかけた魔族に襲い掛かり、エリス王女がその魔族を庇おうとして、魔人の攻撃をまともに受けた。
当然周りは大きな騒ぎとなり、衛兵が出てきて魔人を捕らえようとする。だが魔人を相手に唯の魔族達が止められるわけもなく、その場から魔人は逃げ出そうとする。
ジウはこの場面でどうするか悩むが、次の瞬間その場にレアが現れた。予想外の状況ではあったが、結界の張られている彼女が自室から出てきたのは好都合だとばかりに水晶玉を睨むようにみる。
様子を窺っているとどうやら魔人と魔族の王が、険悪な状況になっていくのだった。
――ジウはその様子にほくそ笑んだ。
今度は魔人を操って負の感情を増幅させてあのレアと争わして、その上でもう一度『漏出』を放ってレアの情報を得る。
可能であれば他の者達も同時に操ってレアと同士討ちさせられるかもしれない。そう考えたジウはラクスに魔法を放とうとするが、そこで医務室へと連れていかれた筈のエリスが再びその場に現れるのだった。
(くそ……! 邪魔をしやがって……!!)
一触即発となりかけていたラクスとレアが、エリスの言葉で互いに矛を収め始めたのである。
「あのエリスとかいう魔族め、余計な真似を!」
これ以上はさすがに魔力を感知されてしまうと判断したジウは、すぐに魔力を抑えて魔法の発動をやめる。そして水晶玉に映し出されている映像を睨みながら、この先の行動を考えるのであった。
(出来事が大きくなった以上、あの魔族を操るのはやめるか……? いやこれだけの騒ぎを起こした後だ。あのレアとかいう女に呼び出されるかもしれない)
もしそうなれば難なく結界の内側まで魔族を通して、侵入出来るかもしれないと考えるジウであった。
結界の内側にいる重鎮や側近たちを操れば、今後はさらに情報を得られやすくなる。今操っている魔族で王の暗殺は難しいと判断したジウは、この操っている魔族が呼び出されたタイミングで、結界の内側に侵入してそこにいるもっと上位の幹部を操ろうと決意するのであった。
だが、その魔族はとある部屋の前で行ったり来たりを繰り返していているようで、ジウは怪しげに思い少しばかり誘致促進を使って魔族の感情を増幅させてみる事にした。するとその魔族は部屋の中に入りトチ狂ったかのように暴れ始めた。
(どうやらこの部屋は彼らが話をしていた『魔人』とやらの使っている部屋だったらしいな)
やるかやらないかで悩んでいた魔族はジウの魔法で憎悪を膨れ上がらされてしまい、タガが外れたかの如く魔人の部屋を荒らしている。
ジウはこれを利用して『魔人』と『魔族』に争いを起こさせて、レアを動かす策略を思いつく。
如何に魔族の王の魔力が優れているとは言っても自分は精霊である。魔法で自分が他種族に遅れを取る筈がないと、宿に泊まっているジウは好機が訪れたと手放しで喜ぶのであった。
そして狙い通りに城の内部に張られていた結界からレアを出すことに成功して、水晶玉を通してジウはレアに『漏出』を放つのであった。
しかしそこに表示されたレアの戦力値や魔力。そして年齢等は何らかの妨害工作をされているのか『測定不能』という文字や『未表示』とされていた。
これでは何の意味もないと判断したジウは、もう少し確実に情報を得られるまで待つことにするのだった。
そしてその数日後。操っていた魔族たちと魔人が再び揉め始めた。そしてその場に『エリス』と呼ばれている魔族の女が仲裁に入った。
(確かあの魔族は『レイズ』とかいう国の女王でエリスとかいったか……?)
魔族の大陸では大国である『三大魔国』の一国を担う女王だった筈である。
そして魔人はジウが魔法をかけた魔族に襲い掛かり、エリス王女がその魔族を庇おうとして、魔人の攻撃をまともに受けた。
当然周りは大きな騒ぎとなり、衛兵が出てきて魔人を捕らえようとする。だが魔人を相手に唯の魔族達が止められるわけもなく、その場から魔人は逃げ出そうとする。
ジウはこの場面でどうするか悩むが、次の瞬間その場にレアが現れた。予想外の状況ではあったが、結界の張られている彼女が自室から出てきたのは好都合だとばかりに水晶玉を睨むようにみる。
様子を窺っているとどうやら魔人と魔族の王が、険悪な状況になっていくのだった。
――ジウはその様子にほくそ笑んだ。
今度は魔人を操って負の感情を増幅させてあのレアと争わして、その上でもう一度『漏出』を放ってレアの情報を得る。
可能であれば他の者達も同時に操ってレアと同士討ちさせられるかもしれない。そう考えたジウはラクスに魔法を放とうとするが、そこで医務室へと連れていかれた筈のエリスが再びその場に現れるのだった。
(くそ……! 邪魔をしやがって……!!)
一触即発となりかけていたラクスとレアが、エリスの言葉で互いに矛を収め始めたのである。
「あのエリスとかいう魔族め、余計な真似を!」
これ以上はさすがに魔力を感知されてしまうと判断したジウは、すぐに魔力を抑えて魔法の発動をやめる。そして水晶玉に映し出されている映像を睨みながら、この先の行動を考えるのであった。
(出来事が大きくなった以上、あの魔族を操るのはやめるか……? いやこれだけの騒ぎを起こした後だ。あのレアとかいう女に呼び出されるかもしれない)
もしそうなれば難なく結界の内側まで魔族を通して、侵入出来るかもしれないと考えるジウであった。
結界の内側にいる重鎮や側近たちを操れば、今後はさらに情報を得られやすくなる。今操っている魔族で王の暗殺は難しいと判断したジウは、この操っている魔族が呼び出されたタイミングで、結界の内側に侵入してそこにいるもっと上位の幹部を操ろうと決意するのであった。
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