最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第309話 魔王レアVS魔人族三十万の軍勢
そして遂に三十万を超える魔人達が続々とヴェルマー大陸上空に集結して、最前線にいた『下級兵』達が大陸へ上陸しようとした時、一体の魔族が空に現れたのだった。
「ようこそ我がヴェルマー大陸へ! 遠路はるばるご苦労ねぇ?」
――『魔王』レアであった。
魔人達は突然現れた魔族に訝し気な視線を送っていたが、やがて笑みを浮かべながらレアを手にかけようと一体の魔人が近づくのだった。
「止まれ……。それ以上近づけば皆殺しだ」
レアの威圧感が場を支配する。
近づこうとしていた魔人は、ビクリと体を震わせながら後ずさる。
「ほう。臆病者の魔族にしては、なかなか堂に入っているではないか」
そう口に出したのは魔人の王『シュケイン』であった。
【種族:魔人 名前:シュケイン 状態:通常
戦力値:1億1200万 所属:ディアミール大陸の王】。
シュケインが喋ると慌てて前にいた魔人達が、道を開けるように左右に分かれていく。その間をゆっくりとシュケインは移動していき、やがてレアの前に姿を見せた。
「あらあら。貴方が魔人の王様かしらぁ? いきなり臆病者なんて酷い事言うわねぇ?」
レアは腕を組みながら目の前まで近づいてきたシュケインに言葉を返す。
「当然だろう? 貴様ら魔族は所詮屑の集まりだ。ワシたち魔人を前にすれば、平伏すのがお前達の仕事だろう?」
シュケインがそう言うと周りに居た魔人達は、レアを見ながら高笑いをし始めるのだった。
「……」
レアは気に入らないとばかりにシュケインを睨む。
「わざわざワシがこんなところまで来てやったんだ。さっさとお前達の王とやらをワシの前に連れてこんか」
シュケインはどうやらレアが魔族の王とは気づかなかったようだ。確かに見た目だけでは分からないのも無理はないだろう。
「全く失礼ねぇ。私がこの大陸の王様よぉ」
レアがそう言うと一瞬時が止まったかと思うほど静まり返り、再びレアを嘲笑う声が響き渡った。
「そうかそうか、これは驚いた!! ガハハハッ! 流石は魔族だな。こんな子供が魔族の王とは、どこまでも情けない種族だ!」
もうこれ以上笑わせるなとばかりに大声で嘲笑するシュケインを前に、レアは薄く笑みを浮かべて言葉を返す。
「あらぁ? その情けない種族の子供にあっさりと同胞達を殺された無様な種族の王様が、えらく大層な事を言うのねぇ? こっちこそあんなに弱いやつと戦ったことがなかったわよぉ!」
そう言ってレアは両手を口に持っていき、大袈裟に笑い始める。
「なんだと?」
嘲笑を浮かべていたシュケインは、蟀谷に青筋を浮かべてレアを睨む。
「あははは!! 怒っちゃったぁ? ごめんねぇ? もう弱くて弱くてびっくりしちゃった。 あんなに弱い奴ら、もしかしたら人間の赤子が寝返りするだけで、踏み潰せるんじゃないかしらって大笑いだったわよぉ!」
ここぞとばかりにその場で両手をあげて大袈裟に驚いて見せたり舌を出したりしながら、シュケインの周りをクルクルと回って煽り散らかすレアであった。
相手を小馬鹿にする事にかけては『レパート』の世界でも類を見ない程に長けており、放っておけば延々と煽り続ける事が出来るレアであった。
「殺せ」
シュケインは静かにそう言うと、命令を受けた魔人達が前に出るのだった。
「あらあら、煽り耐性のない者達ねぇ? 魔人っていうのは蛮族の集まりかしらぁ?」
その言葉にもう我慢ならないとばかりに、魔人達はレアに襲い掛かっていくのだった。
レアは右手に魔力を集約させながら頭上高くに魔法を放った。
何とその瞬間――。
上空にレアと多くの魔人達が居る映像が映し出されるのだった。
その映像は空を見上げればヴェルマー大陸だけではなく『リラリオ』の世界のどの大陸からでも見ることが出来る程の代物であった。
「何だ? 攻撃をするための魔法ではなかったのか?」
シュケインは何故レアがそんな意味のない事の為に、魔力を浪費したのか分からなかった。しかしそれはとても大きな意味を秘めていた。
――魔族という種族。そしてレアという『魔王』を『リラリオ』の世界中に知らしめるという意味を持っていたのである。
「さて、蛮族共に本当の魔族の恐ろしさを理解させてあげましょうかぁ?」
レアがその言葉を発した瞬間――。
この世界に於いて『龍族』という神々に近いとされる種族を除き、No.2の座に就いている魔人達は格下の種族と見下していた魔族の本当の強さを身を以て知る事になるのだった。
「ようこそ我がヴェルマー大陸へ! 遠路はるばるご苦労ねぇ?」
――『魔王』レアであった。
魔人達は突然現れた魔族に訝し気な視線を送っていたが、やがて笑みを浮かべながらレアを手にかけようと一体の魔人が近づくのだった。
「止まれ……。それ以上近づけば皆殺しだ」
レアの威圧感が場を支配する。
近づこうとしていた魔人は、ビクリと体を震わせながら後ずさる。
「ほう。臆病者の魔族にしては、なかなか堂に入っているではないか」
そう口に出したのは魔人の王『シュケイン』であった。
【種族:魔人 名前:シュケイン 状態:通常
戦力値:1億1200万 所属:ディアミール大陸の王】。
シュケインが喋ると慌てて前にいた魔人達が、道を開けるように左右に分かれていく。その間をゆっくりとシュケインは移動していき、やがてレアの前に姿を見せた。
「あらあら。貴方が魔人の王様かしらぁ? いきなり臆病者なんて酷い事言うわねぇ?」
レアは腕を組みながら目の前まで近づいてきたシュケインに言葉を返す。
「当然だろう? 貴様ら魔族は所詮屑の集まりだ。ワシたち魔人を前にすれば、平伏すのがお前達の仕事だろう?」
シュケインがそう言うと周りに居た魔人達は、レアを見ながら高笑いをし始めるのだった。
「……」
レアは気に入らないとばかりにシュケインを睨む。
「わざわざワシがこんなところまで来てやったんだ。さっさとお前達の王とやらをワシの前に連れてこんか」
シュケインはどうやらレアが魔族の王とは気づかなかったようだ。確かに見た目だけでは分からないのも無理はないだろう。
「全く失礼ねぇ。私がこの大陸の王様よぉ」
レアがそう言うと一瞬時が止まったかと思うほど静まり返り、再びレアを嘲笑う声が響き渡った。
「そうかそうか、これは驚いた!! ガハハハッ! 流石は魔族だな。こんな子供が魔族の王とは、どこまでも情けない種族だ!」
もうこれ以上笑わせるなとばかりに大声で嘲笑するシュケインを前に、レアは薄く笑みを浮かべて言葉を返す。
「あらぁ? その情けない種族の子供にあっさりと同胞達を殺された無様な種族の王様が、えらく大層な事を言うのねぇ? こっちこそあんなに弱いやつと戦ったことがなかったわよぉ!」
そう言ってレアは両手を口に持っていき、大袈裟に笑い始める。
「なんだと?」
嘲笑を浮かべていたシュケインは、蟀谷に青筋を浮かべてレアを睨む。
「あははは!! 怒っちゃったぁ? ごめんねぇ? もう弱くて弱くてびっくりしちゃった。 あんなに弱い奴ら、もしかしたら人間の赤子が寝返りするだけで、踏み潰せるんじゃないかしらって大笑いだったわよぉ!」
ここぞとばかりにその場で両手をあげて大袈裟に驚いて見せたり舌を出したりしながら、シュケインの周りをクルクルと回って煽り散らかすレアであった。
相手を小馬鹿にする事にかけては『レパート』の世界でも類を見ない程に長けており、放っておけば延々と煽り続ける事が出来るレアであった。
「殺せ」
シュケインは静かにそう言うと、命令を受けた魔人達が前に出るのだった。
「あらあら、煽り耐性のない者達ねぇ? 魔人っていうのは蛮族の集まりかしらぁ?」
その言葉にもう我慢ならないとばかりに、魔人達はレアに襲い掛かっていくのだった。
レアは右手に魔力を集約させながら頭上高くに魔法を放った。
何とその瞬間――。
上空にレアと多くの魔人達が居る映像が映し出されるのだった。
その映像は空を見上げればヴェルマー大陸だけではなく『リラリオ』の世界のどの大陸からでも見ることが出来る程の代物であった。
「何だ? 攻撃をするための魔法ではなかったのか?」
シュケインは何故レアがそんな意味のない事の為に、魔力を浪費したのか分からなかった。しかしそれはとても大きな意味を秘めていた。
――魔族という種族。そしてレアという『魔王』を『リラリオ』の世界中に知らしめるという意味を持っていたのである。
「さて、蛮族共に本当の魔族の恐ろしさを理解させてあげましょうかぁ?」
レアがその言葉を発した瞬間――。
この世界に於いて『龍族』という神々に近いとされる種族を除き、No.2の座に就いている魔人達は格下の種族と見下していた魔族の本当の強さを身を以て知る事になるのだった。
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