最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第136話 ソフィ、名前をつける
集まってくれた魔物達にソフィは大切な話をする。
今回の事はソフィが皆に頼る為に集まってもらったのである。
その上で魔物達はソフィに協力する事に頷いてくれた。
しかしこのまま『ラルグ』の魔族達と戦ったとしても、彼らはベアを除いて『魔族』達には太刀打ちが出来ないだろう。
そこでソフィは魔物達に名前をつけたいと提案するのだった。
「お主達に名前をつけるといっても、我の配下になれという事はない。今まで通りの関係でよい。もちろん集まる者全員に名前を付けるという事は流石に出来ぬからな……。この場に集まってもらった種族のボスとなる者に我が名前をつけてその代表となる者が、お主らの同胞達に名前を付けてもらいたい」
魔物達は黙って聞いていたが、ベアは何かを言いたそうにしている。
そしてやはり我慢が出来なかったのだろう。ベアは粛々と主のソフィに口を開くのだった。
「お待ちください。ソフィ様がこの者達に名前をつけるというのであれば、彼らをソフィ様の配下にして頂きたいのです」
ベアの言葉にソフィは驚いたが、当事者である魔物達も同じ気持ちだったようで静かに頷く。
「何を言っている。お主がこの森の王であろう?」
ソフィが反論するようにそう言うが、ベアは首を横に振る。
「ソフィ様も気づいておられるでしょうが、彼らは真に付き従いたいと思っているのは貴方なのですよ」
魔物達の何体かが同意するように頷く。
「私がこの縄張りでボスとして座を守ってきたのは、本当の意味で彼らを守れる者が現れることでした。そして貴方が現れてくれたのです。自らの屋敷という安らげる場を提供してまで」
唐突に思いもしなかった事を告げられたソフィは、真剣にどうしようかと考える。
「これは今までも何度も配下達に相談を受けていたのですが、この機会こそが好機と考えさせて頂き、是非にソフィ様には聞いて頂きたかったのです」
ソフィは目を瞑りながら、ベアの言葉を黙って聞く。
「本当にお主達は、そう思っているのか?」
ソフィはベアから視線を外して、整列している魔物達に直接語り掛ける。
グランドサーベルタイガーやこの場に居る他の魔物達も、その通りだと頷いて見せた。
それまで静かにやりとりを見守っていた『ラルフ』が口を開いた。
「ふふ……。ソフィ様、よいではありませんか? ここに居る者たちはどうやら私と同じ気持ちなのでしょう、、そうであるならば断る事こそが、彼らを悲しませる事に繋がると思われます」
ソフィは配下の者達や当事者の魔物達にそう言われては断れなかった。
「そうか、分かった。ではお主達の事は今後、我が面倒をみると約束しよう」
その言葉に魔物達は嬉しそうな声をあげた。
そして種族の中で代表となるものを決め始めていく。
【種族:ロード・グランドサーベルタイガー
名前:サーベル(ソフィの名付け)
魔力値:1109 戦力値:3670万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・キラービー 名前:キラー(ソフィの名付け)
魔力値:1774 戦力値:3520万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・ハウンド・ドッグ 名前:ハウンド(ソフィの名付け)
魔力値:1221 戦力値:3220万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・クラウザー・ワーム 名前:クラウザー(ソフィの名付け)
魔力値:1044 戦力値:3400万 【所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・デス・バード 名前:デス(ソフィの名付け)
魔力値:1554 戦力値:3500万 【所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
種族の代表達がこうして決められてソフィの直属の配下となった。
そして種族の代表者達による、種族間の間で『名付け』が更に行われていく。
本来、他の力ある『魔族』が今ソフィが行ったように『名付け』を行ったとしても、その『名付け』をされて強くなった魔物達が、このように独自に『名付け』を行うことは出来ない。
いくら強くなろうとも『魔王』に匹敵する程までに昇華させられる事がない為である。
――しかし、規格外の大魔王である『ソフィ』から直接『名付け』を行われた者達は、ほぼ全員が『最上位魔族』の中でも最上位となり『魔王』と呼ばれる者達と同等までに昇華させられたのであった。
つまり『ソフィ』の直属の配下となった直接『名付け』が行われた魔物達は例外なく、全ての者が『名付け』を行えるラインまで強くなったという事である。
ソフィの直属の配下達が更に『名付け』を行った事で、ベアの森に居た魔物達はこれまでとは比較にならない程までに、戦力を高められていくのであった。
――――
グランドサーベルタイガー 総勢60体 平均戦力値:850万。
キラービー 総勢110体 平均戦力値:600万。
ハウンドドッグ 総勢110体 平均戦力値:550万。
クラウザーワーム 総70体 平均戦力値:520万。
デスバード 総勢50体 平均戦力値:800万。
アウルベア 総勢30体 平均戦力値:1490万。
――――
そして彼ら魔物達の一つ上の役職につく『ベア』は直轄司令となった。
【名前:ベア(ソフィの名付け) 戦力値:6600万
所持:契約の紋章 所属:大魔王ソフィの直属の配下(直轄司令)】。
こうして約430名のソフィの配下が『リラリオ』の地で生まれた。ソフィに名づけられた魔物が『魔王』クラスに近づき、契約の紋章を持っている、アウルベアの『ベア』は『真なる魔王』階級に近づいたのであった。
……
……
……
「ほんっとに化け物よねぇ? 伝説の『大魔王』はこれだから……」
いつものようにケタケタと笑う事はなかった。
ソフィの本当の力を見た事がない『魔王』レアであったが、一瞬で五体の魔物達を『魔王』に近しい程の力を身につけさせたのである。
そんな事はこの世界を支配していた彼女であっても出来る事ではなかった。
そもそもこの世界の『魔族』達であっても、これまでレアが世界を去った後に『魔王』と名乗れる者が千年単位で生まれ出なかったのである。
それが同時に一気に五体である――。
それも元が『魔族』では無く『魔物』であった者達なのだから、どれくらい規格外な事か。
世界を束ねた経験を持つ魔王『レア』をもってしても、これには笑えない程であった
……
……
……
「ソフィ君……。貴方は一体何をしたのですか?」
『最上位魔族』のレルバノンは、ソフィの居る方角から唐突に魔物達が自らと並び、そして越える程の戦力値になったのを自覚して顔が引きつるのだった。
横にいる『エルザ』も一気に自分を飛び越えて強くなった者達の力を感知して、信じられないといった顔を浮かべた後に、徐々に泣きそうな顔に変えていきながら主の顔を見ていた。
リディアはもうソフィが何をしようと驚かないと、そういった様子で頷くのであった。
魔力感知が出来ないリーネだけが、周りで色々な顔を見せている者達に対して、疑問顔を浮かべるのだった。
そしてソフィの横でラルフが顔を綻ばせていた。
(これでこそ我が主です。しかし私も喜んでばかりはいられませんね。私がソフィ様の一番の配下になって、ソフィ様をお守りしなくてはなりません)
【種族:人間 名前:ラルフ・アンデルセン 年齢:23歳
魔力値:7451 戦力値:630万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
ソフィの配下となってから『人間』であるラルフもまた自らの研鑽に努め続けて、今ではかつての『リディア』の戦力値を大きく上回る程にまで成長を遂げていた。
しかし彼はその『リディア』が前までのままではなく、既に自分が成長をしている分だけ、いやもしかするとそれ以上の成長をしている事だろうと信じて疑ってはいなかった。
そう考えるラルフは同じ人間が遥か上に居る事で悔しい反面、自分もまたそこへ行けるのだと信じる事が出来ているようで、更に疑問を抱かずに強くなる為に自らを鍛え上げるのだった。
そしてソフィから直々に名前を頂戴した種族代表の魔物達は、自分達が今までとは比べ物にならない程の強さになったというのに、誰もが横柄な態度になったり力を誇示しようとしたりする事はなかった。
なぜなら自分たちが『最上位魔族』階級と呼ばれる程の戦力値に達した事で、自分達の主であるソフィの力の片鱗を、感じられるようになったからである。
ソフィの強さを知るには、その力を測れるほど自分も強くならなくてはならない。
そして『最上位魔族』と同等程度の力を持つ彼らの戦力値でようやく、主であるソフィの強さの片鱗を知ったのだった。
――そして彼らの思いは一つだった。
決してこの主を他の者に、侮らせてはいけないという気持ちであった。
どこの国のどなた様が攻めてくるかは知らないが、このソフィという主の為に圧倒的な強さを見せつけなくてはならない
すでに戦力値3000万を越える者達であったが、主に恥をかかせてはいけないという気持ちが、彼らを支配している以上、少しばかり強くなったからといって、こんな程度で満足して慢心などしている場合ではない。
そんな気持ちを持つ彼らは更に強くなっていくのだが、それはまた別の話であった。
今回の事はソフィが皆に頼る為に集まってもらったのである。
その上で魔物達はソフィに協力する事に頷いてくれた。
しかしこのまま『ラルグ』の魔族達と戦ったとしても、彼らはベアを除いて『魔族』達には太刀打ちが出来ないだろう。
そこでソフィは魔物達に名前をつけたいと提案するのだった。
「お主達に名前をつけるといっても、我の配下になれという事はない。今まで通りの関係でよい。もちろん集まる者全員に名前を付けるという事は流石に出来ぬからな……。この場に集まってもらった種族のボスとなる者に我が名前をつけてその代表となる者が、お主らの同胞達に名前を付けてもらいたい」
魔物達は黙って聞いていたが、ベアは何かを言いたそうにしている。
そしてやはり我慢が出来なかったのだろう。ベアは粛々と主のソフィに口を開くのだった。
「お待ちください。ソフィ様がこの者達に名前をつけるというのであれば、彼らをソフィ様の配下にして頂きたいのです」
ベアの言葉にソフィは驚いたが、当事者である魔物達も同じ気持ちだったようで静かに頷く。
「何を言っている。お主がこの森の王であろう?」
ソフィが反論するようにそう言うが、ベアは首を横に振る。
「ソフィ様も気づいておられるでしょうが、彼らは真に付き従いたいと思っているのは貴方なのですよ」
魔物達の何体かが同意するように頷く。
「私がこの縄張りでボスとして座を守ってきたのは、本当の意味で彼らを守れる者が現れることでした。そして貴方が現れてくれたのです。自らの屋敷という安らげる場を提供してまで」
唐突に思いもしなかった事を告げられたソフィは、真剣にどうしようかと考える。
「これは今までも何度も配下達に相談を受けていたのですが、この機会こそが好機と考えさせて頂き、是非にソフィ様には聞いて頂きたかったのです」
ソフィは目を瞑りながら、ベアの言葉を黙って聞く。
「本当にお主達は、そう思っているのか?」
ソフィはベアから視線を外して、整列している魔物達に直接語り掛ける。
グランドサーベルタイガーやこの場に居る他の魔物達も、その通りだと頷いて見せた。
それまで静かにやりとりを見守っていた『ラルフ』が口を開いた。
「ふふ……。ソフィ様、よいではありませんか? ここに居る者たちはどうやら私と同じ気持ちなのでしょう、、そうであるならば断る事こそが、彼らを悲しませる事に繋がると思われます」
ソフィは配下の者達や当事者の魔物達にそう言われては断れなかった。
「そうか、分かった。ではお主達の事は今後、我が面倒をみると約束しよう」
その言葉に魔物達は嬉しそうな声をあげた。
そして種族の中で代表となるものを決め始めていく。
【種族:ロード・グランドサーベルタイガー
名前:サーベル(ソフィの名付け)
魔力値:1109 戦力値:3670万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・キラービー 名前:キラー(ソフィの名付け)
魔力値:1774 戦力値:3520万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・ハウンド・ドッグ 名前:ハウンド(ソフィの名付け)
魔力値:1221 戦力値:3220万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・クラウザー・ワーム 名前:クラウザー(ソフィの名付け)
魔力値:1044 戦力値:3400万 【所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:ロード・デス・バード 名前:デス(ソフィの名付け)
魔力値:1554 戦力値:3500万 【所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
種族の代表達がこうして決められてソフィの直属の配下となった。
そして種族の代表者達による、種族間の間で『名付け』が更に行われていく。
本来、他の力ある『魔族』が今ソフィが行ったように『名付け』を行ったとしても、その『名付け』をされて強くなった魔物達が、このように独自に『名付け』を行うことは出来ない。
いくら強くなろうとも『魔王』に匹敵する程までに昇華させられる事がない為である。
――しかし、規格外の大魔王である『ソフィ』から直接『名付け』を行われた者達は、ほぼ全員が『最上位魔族』の中でも最上位となり『魔王』と呼ばれる者達と同等までに昇華させられたのであった。
つまり『ソフィ』の直属の配下となった直接『名付け』が行われた魔物達は例外なく、全ての者が『名付け』を行えるラインまで強くなったという事である。
ソフィの直属の配下達が更に『名付け』を行った事で、ベアの森に居た魔物達はこれまでとは比較にならない程までに、戦力を高められていくのであった。
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グランドサーベルタイガー 総勢60体 平均戦力値:850万。
キラービー 総勢110体 平均戦力値:600万。
ハウンドドッグ 総勢110体 平均戦力値:550万。
クラウザーワーム 総70体 平均戦力値:520万。
デスバード 総勢50体 平均戦力値:800万。
アウルベア 総勢30体 平均戦力値:1490万。
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そして彼ら魔物達の一つ上の役職につく『ベア』は直轄司令となった。
【名前:ベア(ソフィの名付け) 戦力値:6600万
所持:契約の紋章 所属:大魔王ソフィの直属の配下(直轄司令)】。
こうして約430名のソフィの配下が『リラリオ』の地で生まれた。ソフィに名づけられた魔物が『魔王』クラスに近づき、契約の紋章を持っている、アウルベアの『ベア』は『真なる魔王』階級に近づいたのであった。
……
……
……
「ほんっとに化け物よねぇ? 伝説の『大魔王』はこれだから……」
いつものようにケタケタと笑う事はなかった。
ソフィの本当の力を見た事がない『魔王』レアであったが、一瞬で五体の魔物達を『魔王』に近しい程の力を身につけさせたのである。
そんな事はこの世界を支配していた彼女であっても出来る事ではなかった。
そもそもこの世界の『魔族』達であっても、これまでレアが世界を去った後に『魔王』と名乗れる者が千年単位で生まれ出なかったのである。
それが同時に一気に五体である――。
それも元が『魔族』では無く『魔物』であった者達なのだから、どれくらい規格外な事か。
世界を束ねた経験を持つ魔王『レア』をもってしても、これには笑えない程であった
……
……
……
「ソフィ君……。貴方は一体何をしたのですか?」
『最上位魔族』のレルバノンは、ソフィの居る方角から唐突に魔物達が自らと並び、そして越える程の戦力値になったのを自覚して顔が引きつるのだった。
横にいる『エルザ』も一気に自分を飛び越えて強くなった者達の力を感知して、信じられないといった顔を浮かべた後に、徐々に泣きそうな顔に変えていきながら主の顔を見ていた。
リディアはもうソフィが何をしようと驚かないと、そういった様子で頷くのであった。
魔力感知が出来ないリーネだけが、周りで色々な顔を見せている者達に対して、疑問顔を浮かべるのだった。
そしてソフィの横でラルフが顔を綻ばせていた。
(これでこそ我が主です。しかし私も喜んでばかりはいられませんね。私がソフィ様の一番の配下になって、ソフィ様をお守りしなくてはなりません)
【種族:人間 名前:ラルフ・アンデルセン 年齢:23歳
魔力値:7451 戦力値:630万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
ソフィの配下となってから『人間』であるラルフもまた自らの研鑽に努め続けて、今ではかつての『リディア』の戦力値を大きく上回る程にまで成長を遂げていた。
しかし彼はその『リディア』が前までのままではなく、既に自分が成長をしている分だけ、いやもしかするとそれ以上の成長をしている事だろうと信じて疑ってはいなかった。
そう考えるラルフは同じ人間が遥か上に居る事で悔しい反面、自分もまたそこへ行けるのだと信じる事が出来ているようで、更に疑問を抱かずに強くなる為に自らを鍛え上げるのだった。
そしてソフィから直々に名前を頂戴した種族代表の魔物達は、自分達が今までとは比べ物にならない程の強さになったというのに、誰もが横柄な態度になったり力を誇示しようとしたりする事はなかった。
なぜなら自分たちが『最上位魔族』階級と呼ばれる程の戦力値に達した事で、自分達の主であるソフィの力の片鱗を、感じられるようになったからである。
ソフィの強さを知るには、その力を測れるほど自分も強くならなくてはならない。
そして『最上位魔族』と同等程度の力を持つ彼らの戦力値でようやく、主であるソフィの強さの片鱗を知ったのだった。
――そして彼らの思いは一つだった。
決してこの主を他の者に、侮らせてはいけないという気持ちであった。
どこの国のどなた様が攻めてくるかは知らないが、このソフィという主の為に圧倒的な強さを見せつけなくてはならない
すでに戦力値3000万を越える者達であったが、主に恥をかかせてはいけないという気持ちが、彼らを支配している以上、少しばかり強くなったからといって、こんな程度で満足して慢心などしている場合ではない。
そんな気持ちを持つ彼らは更に強くなっていくのだが、それはまた別の話であった。
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