最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。
第65話 作戦会議
町に戻ったソフィ達は、薬を魔物達に投与している犯人を割り出す為に作戦会議を始めるのであった。
そしてその場所となったのは『ステンシア』の町にある冒険者ギルドに隣接されている酒場の一角であった。
その会議に参加しているのは『ソフィ』『ラルフ』『リーネ』、そして警備隊の長を務めているマークであった。
町の警備隊の隊長『マーク』は、前回の魔物達の襲撃時にソフィが魔物達に放った『魔法』を見た事でようやく『破壊神』の二つ名を持つソフィと知り、それまでの態度を一変させてソフィに今回の事件の相談に来たのだった。
「ソフィさん達がこの町のギルドマスターから『指定依頼』を受けたという話は聞きました」
開口一番にマークがそう口火を切る。
「そこで今回の事件解決の為に、是非ソフィ殿達には我々と連携を取っていただきたいのです!」
マークは鼓舞をするように酒場のテーブルを叩いて立ち上がりながらそう口にするのであった。
「それで? 具体的には私達に何をせよと仰るのでしょうか?」
マークの言葉を聞いてはいるようなのだが、内容が全く耳に入っていない様子のソフィを見たラルフは、主の代わりにこの町の護衛隊長の『マーク』に尋ねるのであった。
「そ、それはですな……! 町に攻めてくる魔物達の軍勢をソフィさん達に防いで頂いて、その間に我々警備隊が町の中で魔物達に『怪しい薬』を投与している者達を探し出して捕縛する……、というものなのですが、い、如何でしょうか?」
今までは魔物達から町を守るために警備の人数を割いていた為に、犯人を探すまでの余裕が出来なかったが『破壊神』の名を持つソフィや、その『破壊神』が配下にしたという『殺し屋』の『微笑』が事件解決の捜査協力をしてもらえるとなれば、魔物達に警備隊の数のリソースを割く必要がなくなり、犯人を捜す事に町の警備隊を使えるため、事件解決に近づけるとマークは告げているのだった。
――確かにマークの言う通り、この案には一考する価値はあるだろう。
魔物の討伐に長けているソフィ達と、この町に詳しい警備隊が調べる事でまさに適材適所といえるわけである。
だが、ソフィはこの案にあまり賛成ではないのか渋い顔を続けている。
「すまないが協力をし合う事は悪い案ではないと思うのだが、この薬を投与している者は我が直々に探したいと思っておるのだ」
ソフィはどうやら魔物を利用して町を襲わせている犯人に、たとえ別世界とはいってもこの世界の魔物達を操っている事に、相当我慢がならない様子であった。
マークはソフィの言葉に何か反論しようとしたが、直ぐに思い直して口を開く。
「良いでしょう、分かりました。ギルドでも冒険者を雇って街の防衛のクエストを促しているようですし、我々はその者たちと協力して町を守りますので、その間にソフィさん達には犯人捜しをお願いしたいと思います」
その言葉にソフィは静かに頷いた。
今後の方針が決まった後、マークが酒場を出て行ってからラルフが口を開いた。
「ソフィ様。あまり気乗りしないようでしたら、我々はリルキンス殿の依頼をキャンセルして『グラン』の町に戻るのもよろしいかと思うのですが……?」
ソフィが前回の魔物達に『魔法』を放った後くらいから、様子がおかしい事に気づいていたラルフがそう告げた。
「クックック、気を使わなくてもよいぞラルフよ。我は少しばかり街を散策してくる。何かあれば『魔力』を高めて我に知らせるがよい」
そう言ってソフィは椅子から立ち上がって酒場を出ていった。
リーネは直ぐにソフィの後を追って駆け出した。
「全く……。何処の不届き者かは分かりませんが……。ソフィ様にあんな顔をさせた犯人には、相応の報いを受けて頂かないといけませんね」
ラルフは『微笑』を浮かべて、そっと足音もなくその場から姿を消すのであった。
そしてその場所となったのは『ステンシア』の町にある冒険者ギルドに隣接されている酒場の一角であった。
その会議に参加しているのは『ソフィ』『ラルフ』『リーネ』、そして警備隊の長を務めているマークであった。
町の警備隊の隊長『マーク』は、前回の魔物達の襲撃時にソフィが魔物達に放った『魔法』を見た事でようやく『破壊神』の二つ名を持つソフィと知り、それまでの態度を一変させてソフィに今回の事件の相談に来たのだった。
「ソフィさん達がこの町のギルドマスターから『指定依頼』を受けたという話は聞きました」
開口一番にマークがそう口火を切る。
「そこで今回の事件解決の為に、是非ソフィ殿達には我々と連携を取っていただきたいのです!」
マークは鼓舞をするように酒場のテーブルを叩いて立ち上がりながらそう口にするのであった。
「それで? 具体的には私達に何をせよと仰るのでしょうか?」
マークの言葉を聞いてはいるようなのだが、内容が全く耳に入っていない様子のソフィを見たラルフは、主の代わりにこの町の護衛隊長の『マーク』に尋ねるのであった。
「そ、それはですな……! 町に攻めてくる魔物達の軍勢をソフィさん達に防いで頂いて、その間に我々警備隊が町の中で魔物達に『怪しい薬』を投与している者達を探し出して捕縛する……、というものなのですが、い、如何でしょうか?」
今までは魔物達から町を守るために警備の人数を割いていた為に、犯人を探すまでの余裕が出来なかったが『破壊神』の名を持つソフィや、その『破壊神』が配下にしたという『殺し屋』の『微笑』が事件解決の捜査協力をしてもらえるとなれば、魔物達に警備隊の数のリソースを割く必要がなくなり、犯人を捜す事に町の警備隊を使えるため、事件解決に近づけるとマークは告げているのだった。
――確かにマークの言う通り、この案には一考する価値はあるだろう。
魔物の討伐に長けているソフィ達と、この町に詳しい警備隊が調べる事でまさに適材適所といえるわけである。
だが、ソフィはこの案にあまり賛成ではないのか渋い顔を続けている。
「すまないが協力をし合う事は悪い案ではないと思うのだが、この薬を投与している者は我が直々に探したいと思っておるのだ」
ソフィはどうやら魔物を利用して町を襲わせている犯人に、たとえ別世界とはいってもこの世界の魔物達を操っている事に、相当我慢がならない様子であった。
マークはソフィの言葉に何か反論しようとしたが、直ぐに思い直して口を開く。
「良いでしょう、分かりました。ギルドでも冒険者を雇って街の防衛のクエストを促しているようですし、我々はその者たちと協力して町を守りますので、その間にソフィさん達には犯人捜しをお願いしたいと思います」
その言葉にソフィは静かに頷いた。
今後の方針が決まった後、マークが酒場を出て行ってからラルフが口を開いた。
「ソフィ様。あまり気乗りしないようでしたら、我々はリルキンス殿の依頼をキャンセルして『グラン』の町に戻るのもよろしいかと思うのですが……?」
ソフィが前回の魔物達に『魔法』を放った後くらいから、様子がおかしい事に気づいていたラルフがそう告げた。
「クックック、気を使わなくてもよいぞラルフよ。我は少しばかり街を散策してくる。何かあれば『魔力』を高めて我に知らせるがよい」
そう言ってソフィは椅子から立ち上がって酒場を出ていった。
リーネは直ぐにソフィの後を追って駆け出した。
「全く……。何処の不届き者かは分かりませんが……。ソフィ様にあんな顔をさせた犯人には、相応の報いを受けて頂かないといけませんね」
ラルフは『微笑』を浮かべて、そっと足音もなくその場から姿を消すのであった。
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