ダンジョン・ザ・チョイス
393.再会と出会いの応酬
「”天雷神の百獣王”!!」
「”煉獄卒の大悪魔”!!」
襲ってきた女騎士が背後に生み出した雷獣に対抗すべく、こちらも紫炎の悪魔を背後から召喚! 雷光の爪と紫炎の腕が激しくぶつかり合う!
「やるじゃん、お前!」
“雷属性付与”を施した剣で斬り掛かってきたため、“煉獄は罪過を払いけり”の爪部分で受け止める!
「私の好みじゃないけれど、お前のレア装備とスキルをよこしな!」
「ああ、鬱陶しい!」
どこの国の人か知らないけれど、こういう奴を、人の命なんてなんとも思ってないって言うんでしょうね!
「“煉獄鳥”!!」
振り払って、紫炎の鳥をぶつける!
「“拒絶領域”!」
私やコセと同じスキルで、“煉獄鳥”を弾き飛ばした!!
「“四連突き”!!」
「“拒絶領域”!!」
高速で繰り出される突きを女ごと弾き飛ばし――鎧の隙間から腹部へと、“煉獄は罪過を払いけり”先端の爪を突き刺す!
「ガ、ガハ!! そ、そんな……」
「地獄に落ちろ――“煉獄魔法”、インフェルノ!!」
「――ぁぁああいやぁぁぁぁああッッッッ!!!」
「ハアハア。アンタの罪は、地獄の底で払ってもらいな」
私はこの大杖の名前ほど、優しくないのよ。
「勝負は着いたみたいだな」
二人の男達が、私の前に現れる。
「漁夫の利を狙ってたってわけ……て、アンタは!」
二十ステージの突発クエストで遭遇した、赤い鎧の高速男!
それに、もう一人の青い鎧の男は、フェルナンダ達を圧倒したって奴か!
「やっぱり仲間だったのか」
「俺達を知っているらしいな。まあ良い。さっきの女の分も含めて、タップリとレアアイテムゲットだぜ!」
青い鎧の男も、同じ穴の狢か。
「相変わらずだね、お前らってさ」
誰かが、上から降ってきた?
「お前、キヨミ!?」
男達の鎧に雰囲気が似た、黄金の鎧を纏うギャルみたいな女。
「お前、奴隷に堕としてやったのに!」
「日を跨ぐ直前に、パーティーリーダーに有り金取られるとは思わなかったわー。じゃなくて、思わなかったっすねー」
「貴女ってもしかして……ザッカル達と行動してるっていう」
「その眼鏡とおっぱいですぐに判ったっすよ、ユリカちゃん」
私の本体が眼鏡とおっぱいみたいに言うな!
「は! 二対一で勝てると思うなよ!」
「私だって居るぞ、虫ケラ共」
私達と男を挟むように現れたのは、マクスウェルの隠れNPC、フェルナンダ。
「あの偉そうな金髪は、アンタラの仲間っすか?」
「う、うん」
そっか。この女は新参だから、フェルナンダを知らないんだ。
コセとアテル達って、元々はフェルナンダを取り合って戦いになったような物なのに。
「お前一人くらい、俺の敵じゃねぇんだよ」
「だったら、私も相手してあげるっすよ」
青い鎧の男を制したのは、山猫獣人のサンヤ。
肩に薙刀のような斧、“汚泥斬首の三日月”を乗せている。
「これで、数は逆転だよね~」
「気を付けろ、サンヤ。コイツらは、鎧の効果によりとんでもないスピードで動ける」
「へー、面白そうな能力じゃん」
フェルナンダの言葉を聞いても余裕そうなサンヤだけれど、どうなる事やら。
●●●
「“桑の園”」
腕輪の効果を使用し、大量のTPと引き換えに板の上を桑で覆い尽くす。
「“植物操作”」
「は、離せ!」
「ゆ、許してくれ!」
「グォォォ!!」
同じレギオンに所属していると思われる男達三人を拘束し、絞め殺――
「“溶岩魔法”――マグマイラプション!!」
大量のマグマが降り注ぎ、三人の男達ごと”桑の園”を燃やし尽くされてしまう!
「まずい!」
別のプレートに即座に移り、術者を追って上へ!
「私を追ってきてくれたんだ。情熱的ね♡」
緑のプレートの上に居たのは、帽子を被ったカウガールのような格好の……燃えるような赤髪ロングの女。
「貴女は、いったいなにを言っているのですか?」
「私、貴女に一目惚れしちゃった。きっと、タマコちゃんも貴女を気に入ると思うわけよ」
「せっかくのお誘いですが、辞退させて頂きます」
タマコという名は、確か例のレギオンリーダーの名前。
「まあまあ、そう言わずに――私の情熱を受け取ってよ! “火炎放射”!!」
銃のようにした右手の指先から、炎を撃ち出してきた!
「“泥土の鎧”!」
水と土を混ぜた泥で身体を覆い、攻撃を防ぐ!
“泥土の鎧”は特に、炎への耐性効果が高い。
「あちゃー、楽勝かと思ったらちゃんと対策してんだー。さすが隠れNPC」
時間を掛ければ、不利なのは私。
「“星屑魔法”!」
「“念動術”――パイロキネシス」
周りで燻っていた炎が燃え上がり、“泥土の鎧”が解けた直後の私に襲い掛かる!
「隠れNPC、エスパーの固有スキル!!」
「良いっしょ、この能力。“念動術”――サイコキネシス!」
「しま――」
炎を避けるのに気を取られ、サイコキネシスの効果範囲内まで近付かれるのを許してしまった!
「……動けない」
サイコキネシスにより、不可視の拘束を施されてしまっている。
「ゴメンね。せめて、できる限り痛くないようにしてあげるからね。うん!」
万事休すですか。
「――チ!」
女が後退した直後、女が居た場所に魔力弾が命中する!
同時に、私の不可視の拘束も解けた。
「貴女は……」
「《日高見のケンシ》所属のラウラだ、ドライアドのヨシノ」
黒味の長い茶髪を靡かせた女性……確か、日系ブラジル人の拳銃使い。
「私と遊ぼうよ、ファイヤーカウガール」
「私って、もうちょっと清純そうな子が好みなんだけれどねー。まあ、ちょっとくらいなら付き合ってあげるけれどさ」
二人の戦いが始まる。
●●●
「“鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」
女魔法使いが生み出した悪魔を両断する!
「くぅッそ! クソクソクソクソ!!」
爪を噛み、明らかに様子がおかしい女。
「ありがとうございます、シレイアさん」
「構わないよ」
リョウのパーティーメンバー、猫獣人のマーレに礼を言われた。
「にしても、“悪魔召喚”のユニークスキル持ちとはね」
「もっと、もっと強い悪魔を! “悪魔召喚”!」
魔方陣を生み出し、そこにSランクの“深淵の槍の指輪”を放り込んで――Sランク悪魔、ブエルを召喚しやがった。
獅子の頭から脚が三本生えた見た目だが、その力は本物。
「も、もっと! “悪魔召喚”!」
さっき倒したAランク悪魔、グレーターデーモンを二体も呼び出しやがった!
「捧げた供物は二度と戻ってこないって言うのに、よくやる」
アタシには、勿体なくて無理だね。
「マーリ!」
やって来たのは、マーリと同じ猫獣人のキューリ。
マーリの得物はスピアで、キューリの得物はシックルの二刀流か。
どっちの武器もランクが低いし、Lvも高くない。強制参加のリョウを守るためとはいえ、幾らなんでも無謀だったね。
「さて……」
この二人じゃ、Aランクの悪魔ですら荷が重いだろう。
アタシ一人では、この場を切り抜けるのはさすがにキツいか。
「“聖水魔法”――セイントバイパー」
白水の大蛇が女と悪魔を囲い――守るようにとぐろを巻く!
「どちらも、矛を収めてください!」
厳かに降り立った白の法衣纏う女は、銀の後ろ髪をローポニーテールにしている女……レイナ。
以前の、アタシのマスター。
「”煉獄卒の大悪魔”!!」
襲ってきた女騎士が背後に生み出した雷獣に対抗すべく、こちらも紫炎の悪魔を背後から召喚! 雷光の爪と紫炎の腕が激しくぶつかり合う!
「やるじゃん、お前!」
“雷属性付与”を施した剣で斬り掛かってきたため、“煉獄は罪過を払いけり”の爪部分で受け止める!
「私の好みじゃないけれど、お前のレア装備とスキルをよこしな!」
「ああ、鬱陶しい!」
どこの国の人か知らないけれど、こういう奴を、人の命なんてなんとも思ってないって言うんでしょうね!
「“煉獄鳥”!!」
振り払って、紫炎の鳥をぶつける!
「“拒絶領域”!」
私やコセと同じスキルで、“煉獄鳥”を弾き飛ばした!!
「“四連突き”!!」
「“拒絶領域”!!」
高速で繰り出される突きを女ごと弾き飛ばし――鎧の隙間から腹部へと、“煉獄は罪過を払いけり”先端の爪を突き刺す!
「ガ、ガハ!! そ、そんな……」
「地獄に落ちろ――“煉獄魔法”、インフェルノ!!」
「――ぁぁああいやぁぁぁぁああッッッッ!!!」
「ハアハア。アンタの罪は、地獄の底で払ってもらいな」
私はこの大杖の名前ほど、優しくないのよ。
「勝負は着いたみたいだな」
二人の男達が、私の前に現れる。
「漁夫の利を狙ってたってわけ……て、アンタは!」
二十ステージの突発クエストで遭遇した、赤い鎧の高速男!
それに、もう一人の青い鎧の男は、フェルナンダ達を圧倒したって奴か!
「やっぱり仲間だったのか」
「俺達を知っているらしいな。まあ良い。さっきの女の分も含めて、タップリとレアアイテムゲットだぜ!」
青い鎧の男も、同じ穴の狢か。
「相変わらずだね、お前らってさ」
誰かが、上から降ってきた?
「お前、キヨミ!?」
男達の鎧に雰囲気が似た、黄金の鎧を纏うギャルみたいな女。
「お前、奴隷に堕としてやったのに!」
「日を跨ぐ直前に、パーティーリーダーに有り金取られるとは思わなかったわー。じゃなくて、思わなかったっすねー」
「貴女ってもしかして……ザッカル達と行動してるっていう」
「その眼鏡とおっぱいですぐに判ったっすよ、ユリカちゃん」
私の本体が眼鏡とおっぱいみたいに言うな!
「は! 二対一で勝てると思うなよ!」
「私だって居るぞ、虫ケラ共」
私達と男を挟むように現れたのは、マクスウェルの隠れNPC、フェルナンダ。
「あの偉そうな金髪は、アンタラの仲間っすか?」
「う、うん」
そっか。この女は新参だから、フェルナンダを知らないんだ。
コセとアテル達って、元々はフェルナンダを取り合って戦いになったような物なのに。
「お前一人くらい、俺の敵じゃねぇんだよ」
「だったら、私も相手してあげるっすよ」
青い鎧の男を制したのは、山猫獣人のサンヤ。
肩に薙刀のような斧、“汚泥斬首の三日月”を乗せている。
「これで、数は逆転だよね~」
「気を付けろ、サンヤ。コイツらは、鎧の効果によりとんでもないスピードで動ける」
「へー、面白そうな能力じゃん」
フェルナンダの言葉を聞いても余裕そうなサンヤだけれど、どうなる事やら。
●●●
「“桑の園”」
腕輪の効果を使用し、大量のTPと引き換えに板の上を桑で覆い尽くす。
「“植物操作”」
「は、離せ!」
「ゆ、許してくれ!」
「グォォォ!!」
同じレギオンに所属していると思われる男達三人を拘束し、絞め殺――
「“溶岩魔法”――マグマイラプション!!」
大量のマグマが降り注ぎ、三人の男達ごと”桑の園”を燃やし尽くされてしまう!
「まずい!」
別のプレートに即座に移り、術者を追って上へ!
「私を追ってきてくれたんだ。情熱的ね♡」
緑のプレートの上に居たのは、帽子を被ったカウガールのような格好の……燃えるような赤髪ロングの女。
「貴女は、いったいなにを言っているのですか?」
「私、貴女に一目惚れしちゃった。きっと、タマコちゃんも貴女を気に入ると思うわけよ」
「せっかくのお誘いですが、辞退させて頂きます」
タマコという名は、確か例のレギオンリーダーの名前。
「まあまあ、そう言わずに――私の情熱を受け取ってよ! “火炎放射”!!」
銃のようにした右手の指先から、炎を撃ち出してきた!
「“泥土の鎧”!」
水と土を混ぜた泥で身体を覆い、攻撃を防ぐ!
“泥土の鎧”は特に、炎への耐性効果が高い。
「あちゃー、楽勝かと思ったらちゃんと対策してんだー。さすが隠れNPC」
時間を掛ければ、不利なのは私。
「“星屑魔法”!」
「“念動術”――パイロキネシス」
周りで燻っていた炎が燃え上がり、“泥土の鎧”が解けた直後の私に襲い掛かる!
「隠れNPC、エスパーの固有スキル!!」
「良いっしょ、この能力。“念動術”――サイコキネシス!」
「しま――」
炎を避けるのに気を取られ、サイコキネシスの効果範囲内まで近付かれるのを許してしまった!
「……動けない」
サイコキネシスにより、不可視の拘束を施されてしまっている。
「ゴメンね。せめて、できる限り痛くないようにしてあげるからね。うん!」
万事休すですか。
「――チ!」
女が後退した直後、女が居た場所に魔力弾が命中する!
同時に、私の不可視の拘束も解けた。
「貴女は……」
「《日高見のケンシ》所属のラウラだ、ドライアドのヨシノ」
黒味の長い茶髪を靡かせた女性……確か、日系ブラジル人の拳銃使い。
「私と遊ぼうよ、ファイヤーカウガール」
「私って、もうちょっと清純そうな子が好みなんだけれどねー。まあ、ちょっとくらいなら付き合ってあげるけれどさ」
二人の戦いが始まる。
●●●
「“鞭剣術”――ハイパワーウィップブレイド!!」
女魔法使いが生み出した悪魔を両断する!
「くぅッそ! クソクソクソクソ!!」
爪を噛み、明らかに様子がおかしい女。
「ありがとうございます、シレイアさん」
「構わないよ」
リョウのパーティーメンバー、猫獣人のマーレに礼を言われた。
「にしても、“悪魔召喚”のユニークスキル持ちとはね」
「もっと、もっと強い悪魔を! “悪魔召喚”!」
魔方陣を生み出し、そこにSランクの“深淵の槍の指輪”を放り込んで――Sランク悪魔、ブエルを召喚しやがった。
獅子の頭から脚が三本生えた見た目だが、その力は本物。
「も、もっと! “悪魔召喚”!」
さっき倒したAランク悪魔、グレーターデーモンを二体も呼び出しやがった!
「捧げた供物は二度と戻ってこないって言うのに、よくやる」
アタシには、勿体なくて無理だね。
「マーリ!」
やって来たのは、マーリと同じ猫獣人のキューリ。
マーリの得物はスピアで、キューリの得物はシックルの二刀流か。
どっちの武器もランクが低いし、Lvも高くない。強制参加のリョウを守るためとはいえ、幾らなんでも無謀だったね。
「さて……」
この二人じゃ、Aランクの悪魔ですら荷が重いだろう。
アタシ一人では、この場を切り抜けるのはさすがにキツいか。
「“聖水魔法”――セイントバイパー」
白水の大蛇が女と悪魔を囲い――守るようにとぐろを巻く!
「どちらも、矛を収めてください!」
厳かに降り立った白の法衣纏う女は、銀の後ろ髪をローポニーテールにしている女……レイナ。
以前の、アタシのマスター。
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