ダンジョン・ザ・チョイス
99.突発クエスト・レプティリアンVSノルディック
私とメルシュ、ノーザンでボス戦を終えること十分後、ジュリー達五人と幼竜一匹が転移して来た。
「今回のボス戦に限って一回復活するから、無駄に時間が掛かるし疲れる」
「私達にとっては、ここからが本番ですからね。頑張りましょう!」
愚痴るユリカと、励ますタマ。
幼竜を守りながらだから、余計に大変だったろうな。
「五人は消耗してるだろうし、私達が先行するよ。行こう、トゥスカ、ノーザン」
「そうですね」
「はい!」
私も、早くご主人様にちゃんと会いたい。
●●●
祭壇前を見張っていた奴等がトゥスカ達に気付き、俺の時と同様、女が仲間を呼びに行こうと走りだす。
「頼む、ナオ」
「アイスマウンテン!」
氷塊魔法によって生み出された氷の山が、女を圧殺した。
「Lv16になった。かなりスキルや機能が使えるようになってきたぞ」
Lvダウンすると、Lvが上がった際に手に入れたスキルなどは使えなくなるだけで、改めて選べるわけではないようだ。
氷山による衝撃により、残っていた二人の男達に動揺が走る。
「……ナオ」
「フー! フー! ……大丈夫、大丈夫よ」
全然大丈夫そうに見えない。
顔色は悪く、脂汗をかいているようだ。
「最後まで……一緒に戦うわ」
昨日シレイアから受け取った”栄光の杖”を、痛いくらいに強く握り込むナオ。
「頼りにしてる」
酷い夫だと思いながらも、トゥスカ達が降りてくる前に男達に仕掛ける!
「クソ! よくもカリンを! アビスバイパー!」
黒水の大蛇が襲い来る!
「アイスロックバレット!!」
ナオの魔法により、大蛇は霧散。
「ハアアアアアアア!!」
「くたばれ!」
ルイーサが盾から剣を引き抜き、魔法を放った男を斬りつける!
同時に、先程の男が使っていた鈍器をレッドストーンのテクニカルロッド”で掴み、振り下ろしにより頭を潰して絶命させるアヤナ。
「クソッタレが!」
「逃がさない。”投擲術”、パワーフリング!」
逃げだそうとした男の背に、アオイが放ったナイフが突き刺さり、動きが止まった。
「この、ノルディックが!」
「それしか言えないのか、貴様らは! パワーフリック!」
男の胸をその剣で突き刺し、とどめをさしたのはルイーサ。
結構派手にやってしまったと思ったとき、遠くでより派手な爆発音が響く!
「サトミさん達か」
●●●
「ハイパワーブーメラン!」
リンピョンの”ソーサーシールド”が、剣で迎撃しようとした男の右腕を抉り取ってしまう。
「ギャあああああああああああ!!」
「”暴風魔法”、ダウンバースト!」
集まってきていた灰色ローブの集団を、風で足止めしてくれるサトミ。
「裏切り者が! よくも!」
デ……膨よかな小柄の女が、鎚を振り被る!
「パワーハンマー!」
「シールドバッシュ!」
女の攻撃を左腕の盾で弾き返し、隙だらけの所に、地面に縫い付けるように巨腕を打ち下ろす!
「ぐあっは!! た、助けて! なんでもするから!」
「簡単に、仲間を裏切るんだな」
「うっさいのよ! ちょっと美人だからって偉そうに説教しないでよ!」
「お前みたいな人間が、周りの人間の素質を腐らせる……”拒絶”」
拒絶の巨腕から繰り出した効果により、女は血肉を花のごとく撒き散らしながら死んだ。
「最後は、綺麗になれて良かったじゃないか」
嫌な言葉。
「……だから、素質を腐らせると言うんだ」
生かしても殺しても、腐肉を投げ付けらたかのような気持ち悪さを心に植え付けてくれる人種。
「負のカルマに呑まれた生き方は、新たな負のカルマを生み出し、他人まで傷付ける。それが分からない者に、人間を名乗る資格は無い」
偉そうに、私はなにを言っているのか。
「メグミちゃん! このままじゃ囲まれちゃう!」
”飛行魔法”で飛んでいたサトミが、教えてくれる。
「撤退しよう!」
煙玉を投げ、三人でその場を離れた。
◇◇◇
『おうおうおうおうおう、レプティリアンが圧倒的に劣勢じゃーん。こんなんじゃつまんないよー』
まあ、アイツらが蹂躙される様は痛快なんだけれどー。
コセ一派の方がスキル、装備、Lvも、ルイーサ達三人を除いた場合は上だしー。
そもそも、レプティリアンの奴等には志しってものが無いからさ、いざという時仲間を見捨てて逃げちゃうんだよねー。
まあ、アイツららしいけれど。
『やっぱさー、盛り上がりに欠けるよねー。突発クエスト、行っちゃおうか!』
●●●
トゥスカ達八人と合流し、顔合わせが済んだ頃――適当そうな女の声が響きわたった!
『今からー、突発クエスト始めちゃうからねー』
とても軽薄なのに、油断のならないミステリアスな感じ。
『勝負は、レプティリアンVSノルディック。どっちかが全滅するまで殺しあってねー。ああ! でもー、このままじゃー、レプティリアンの出来損ないだから同胞に見捨てられた可哀想な人達に勝ち目無さそうだからー、競馬村にレプティリアン専用の強化アイテム配置しちゃうー。いやー、ノルディックにかなり不利な内容にしちゃったけれど、システムの審査通っちゃってー、私もびっくりー。あ、クエスト終わるまで競馬村からは出られないから。頑張って早く終わらせよーねー』
これで、レプティリアン全員を殺さなければならなくなったわけか。
「コセ様、アレを!」
辺りに、赤く発光した玉が浮かぶ。
「メルシュ」
「”竜化の宝珠”……突発クエスト限定みたい。私達にも使えない」
メルシュが”鑑定”を使用し、情報を共有してくれる。
「チョイスプレートに回収も出来ないし、破壊することも出来ないみたいだよ」
「厄介だな」
事前に妨害する手段が無いって事になる。
「使用時の効果は?」
「一つごとに竜化が進んでいくみたい。要はステータスアップ。Lvも一つにつき3上がるって」
竜化がよく分からないけれど、Lvアップとは別で能力が上がるって事か。
……ヤバそうだ。
「奴等が力を付ける前に、早めに終わらせよう」
つまり、積極的にレプティリアンを殺しに行くということ。
「なら、私達は向こうへ」
隠れNPCを手に入れに行く事を示唆する、ジュリーの言動。
ジュリーは突発クエスト発生により、幼竜を守るのが難しいと判断したようだ。
「ユイとシレイアも、ジュリー達に同行してくれ」
隠れNPCを今すぐ入手することに、同意を示す。
「ありがとう、コセ」
「ナオはルイーサ達の補佐。俺のパーティーはサトミさん達を探しながら敵の排除! 行くぞ!!」
「「「「「おー!!」」」」」
「居たぞ!」
掛け声で見付かってしまった。
締まらないな。
「コイツを試してやる!」
現れた二人の男のうち、一人が”竜化の宝珠”を掴み取ってしまう!
「おい、お前頭が!?」
宝珠が男の体内に吸い込まれると、頭や手が爬虫類のように変化した!?
「今回のボス戦に限って一回復活するから、無駄に時間が掛かるし疲れる」
「私達にとっては、ここからが本番ですからね。頑張りましょう!」
愚痴るユリカと、励ますタマ。
幼竜を守りながらだから、余計に大変だったろうな。
「五人は消耗してるだろうし、私達が先行するよ。行こう、トゥスカ、ノーザン」
「そうですね」
「はい!」
私も、早くご主人様にちゃんと会いたい。
●●●
祭壇前を見張っていた奴等がトゥスカ達に気付き、俺の時と同様、女が仲間を呼びに行こうと走りだす。
「頼む、ナオ」
「アイスマウンテン!」
氷塊魔法によって生み出された氷の山が、女を圧殺した。
「Lv16になった。かなりスキルや機能が使えるようになってきたぞ」
Lvダウンすると、Lvが上がった際に手に入れたスキルなどは使えなくなるだけで、改めて選べるわけではないようだ。
氷山による衝撃により、残っていた二人の男達に動揺が走る。
「……ナオ」
「フー! フー! ……大丈夫、大丈夫よ」
全然大丈夫そうに見えない。
顔色は悪く、脂汗をかいているようだ。
「最後まで……一緒に戦うわ」
昨日シレイアから受け取った”栄光の杖”を、痛いくらいに強く握り込むナオ。
「頼りにしてる」
酷い夫だと思いながらも、トゥスカ達が降りてくる前に男達に仕掛ける!
「クソ! よくもカリンを! アビスバイパー!」
黒水の大蛇が襲い来る!
「アイスロックバレット!!」
ナオの魔法により、大蛇は霧散。
「ハアアアアアアア!!」
「くたばれ!」
ルイーサが盾から剣を引き抜き、魔法を放った男を斬りつける!
同時に、先程の男が使っていた鈍器をレッドストーンのテクニカルロッド”で掴み、振り下ろしにより頭を潰して絶命させるアヤナ。
「クソッタレが!」
「逃がさない。”投擲術”、パワーフリング!」
逃げだそうとした男の背に、アオイが放ったナイフが突き刺さり、動きが止まった。
「この、ノルディックが!」
「それしか言えないのか、貴様らは! パワーフリック!」
男の胸をその剣で突き刺し、とどめをさしたのはルイーサ。
結構派手にやってしまったと思ったとき、遠くでより派手な爆発音が響く!
「サトミさん達か」
●●●
「ハイパワーブーメラン!」
リンピョンの”ソーサーシールド”が、剣で迎撃しようとした男の右腕を抉り取ってしまう。
「ギャあああああああああああ!!」
「”暴風魔法”、ダウンバースト!」
集まってきていた灰色ローブの集団を、風で足止めしてくれるサトミ。
「裏切り者が! よくも!」
デ……膨よかな小柄の女が、鎚を振り被る!
「パワーハンマー!」
「シールドバッシュ!」
女の攻撃を左腕の盾で弾き返し、隙だらけの所に、地面に縫い付けるように巨腕を打ち下ろす!
「ぐあっは!! た、助けて! なんでもするから!」
「簡単に、仲間を裏切るんだな」
「うっさいのよ! ちょっと美人だからって偉そうに説教しないでよ!」
「お前みたいな人間が、周りの人間の素質を腐らせる……”拒絶”」
拒絶の巨腕から繰り出した効果により、女は血肉を花のごとく撒き散らしながら死んだ。
「最後は、綺麗になれて良かったじゃないか」
嫌な言葉。
「……だから、素質を腐らせると言うんだ」
生かしても殺しても、腐肉を投げ付けらたかのような気持ち悪さを心に植え付けてくれる人種。
「負のカルマに呑まれた生き方は、新たな負のカルマを生み出し、他人まで傷付ける。それが分からない者に、人間を名乗る資格は無い」
偉そうに、私はなにを言っているのか。
「メグミちゃん! このままじゃ囲まれちゃう!」
”飛行魔法”で飛んでいたサトミが、教えてくれる。
「撤退しよう!」
煙玉を投げ、三人でその場を離れた。
◇◇◇
『おうおうおうおうおう、レプティリアンが圧倒的に劣勢じゃーん。こんなんじゃつまんないよー』
まあ、アイツらが蹂躙される様は痛快なんだけれどー。
コセ一派の方がスキル、装備、Lvも、ルイーサ達三人を除いた場合は上だしー。
そもそも、レプティリアンの奴等には志しってものが無いからさ、いざという時仲間を見捨てて逃げちゃうんだよねー。
まあ、アイツららしいけれど。
『やっぱさー、盛り上がりに欠けるよねー。突発クエスト、行っちゃおうか!』
●●●
トゥスカ達八人と合流し、顔合わせが済んだ頃――適当そうな女の声が響きわたった!
『今からー、突発クエスト始めちゃうからねー』
とても軽薄なのに、油断のならないミステリアスな感じ。
『勝負は、レプティリアンVSノルディック。どっちかが全滅するまで殺しあってねー。ああ! でもー、このままじゃー、レプティリアンの出来損ないだから同胞に見捨てられた可哀想な人達に勝ち目無さそうだからー、競馬村にレプティリアン専用の強化アイテム配置しちゃうー。いやー、ノルディックにかなり不利な内容にしちゃったけれど、システムの審査通っちゃってー、私もびっくりー。あ、クエスト終わるまで競馬村からは出られないから。頑張って早く終わらせよーねー』
これで、レプティリアン全員を殺さなければならなくなったわけか。
「コセ様、アレを!」
辺りに、赤く発光した玉が浮かぶ。
「メルシュ」
「”竜化の宝珠”……突発クエスト限定みたい。私達にも使えない」
メルシュが”鑑定”を使用し、情報を共有してくれる。
「チョイスプレートに回収も出来ないし、破壊することも出来ないみたいだよ」
「厄介だな」
事前に妨害する手段が無いって事になる。
「使用時の効果は?」
「一つごとに竜化が進んでいくみたい。要はステータスアップ。Lvも一つにつき3上がるって」
竜化がよく分からないけれど、Lvアップとは別で能力が上がるって事か。
……ヤバそうだ。
「奴等が力を付ける前に、早めに終わらせよう」
つまり、積極的にレプティリアンを殺しに行くということ。
「なら、私達は向こうへ」
隠れNPCを手に入れに行く事を示唆する、ジュリーの言動。
ジュリーは突発クエスト発生により、幼竜を守るのが難しいと判断したようだ。
「ユイとシレイアも、ジュリー達に同行してくれ」
隠れNPCを今すぐ入手することに、同意を示す。
「ありがとう、コセ」
「ナオはルイーサ達の補佐。俺のパーティーはサトミさん達を探しながら敵の排除! 行くぞ!!」
「「「「「おー!!」」」」」
「居たぞ!」
掛け声で見付かってしまった。
締まらないな。
「コイツを試してやる!」
現れた二人の男のうち、一人が”竜化の宝珠”を掴み取ってしまう!
「おい、お前頭が!?」
宝珠が男の体内に吸い込まれると、頭や手が爬虫類のように変化した!?
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