あなた達を異世界へ召喚してあげましょう?
第55話 柚羽の話
数十分後、三緒と美咲と七緒と健太の4人が封木神社の第一社務所の大広間へとやってきた。
他のメンバーはすでに第一社務所の大広間で待機していた。
まず三緒と美咲が大広間へと入ってきて、それに続くように美咲と健太が入ってきた。
大柳健太(おおやなぎけんた)は大柄の体格で髪型は丸刈りで仏頂面の少年だった。
黒いTシャツとジーパンをはいており近寄りがたい風貌の少年であった。
すると大広間に入ってきた健太に対して晴南がおおきな声で言った。
「ちょっと健太??いきなり睨み付けないでよ?」
すると健太が困った様子で晴南に言った。
「ごめん水元先輩、そんなつもりはなかったんです。」
すると麻衣子が健太に言った。
「いいよ健太君いちいち謝らなくても。晴南はこう言って健太君を困らせたいだけだから。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと麻衣子?健太を困らせようなんてしてないでしょ?私は健太と挨拶しただけよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「怖い顔で睨みつけないでよ?のどこが挨拶なのよ?」
晴南が麻衣子に言った。
「いい麻衣子?健太専用の挨拶なの?健太だけに使う特別な挨拶なのよ。」
麻衣子が晴南に言った。
「専用の挨拶って何よ?久しぶりとか元気だったって言えばいいでしょう?」
晴南が麻衣子に言った。
「久しぶりじゃ普通の挨拶でしょ?私達は特別な絆で結ばれた仲間なのよ、挨拶も特別なものじゃないとダメに決まってるでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「いや全然決まってないし、久しぶりでいいと思うわ。」
晴南が麻衣子に言った。
「普通の挨拶じゃ感動の対面にならないでしょ?一体何年ぶりの再会だと思ってるの?」
麻衣子が晴南に言った。
「2週間前に会ったばかっりでしょうが?ほぼ毎週会ってて感動の対面も何もないでしょうが!!」
麻衣子が晴南に言った。
「麻衣子にとっては2週間かもしれないかもしれないけど私は数十年ぶりなのよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「数十年ってまだ15年も生きてないでしょうが!!はあーもう、晴南と会話してると本当に疲れる。」
このやり取りを見ていた健太は少し笑みを見せながら拓也に言った。
「水元先輩は相変わらずですね。」
拓也が健太に言った。
「ああ、良くも悪くも晴南だよ。」
すると美咲が健太に尋ねた。
「それで健太??柚羽に何があったのよ??」
麻衣子が美咲に言った。
「ちょっと美咲?いくらなんでも単刀直入すぎるでしょ?」
健太が麻衣子に言った。
「いや構わないです。柚羽姉さんが心配で心配で仕方ないのに、でも自分が何をしたらいいかも分からなくて。だからせめて先輩達に柚羽姉さんの事を話そうと思って九木礼に来たんです。」
晃太が健太に尋ねた。
「柚羽はまだ戻ってないのか?」
健太が晃太に言った。
「柚羽姉さんはまだ戻ってきてません。」
晃太が健太に尋ねた。
「柚羽がいなくなったのはいつからなんだ?」
健太が晃太に言った。
「はい。6月11日に柚羽姉さんが出かけてからずっと連絡が取れないんです。」
晴南が健太に尋ねた。
「それから柚羽からは連絡がずっとないの?」
健太が晴南に言った。
「はい、ただ僕は避難指示が出て以降は父さんと母さんと一緒に子戸倉にまで避難してたから。」
晴南が健太に尋ねた。
「避難指示?」
すると優斗が晴南に言った。
「うん、6月12日午後2時25分に明井田市全域への避難指示が出されてるよ。」
晴南が健太に言った。
「それでお父さん達と一緒に子戸倉まで避難したのね。」
美咲が健太に言った。
「でもそれだったら、柚羽が健太達と行き違いになってる可能性もあるじゃない?」
すると晃太が美咲に尋ねた。
「なあ柚羽はSNSは使うのか?」
美咲が晃太に言った。
「えっ?うん、柚羽はルインとかツリッターとかよく使ってるよ。」
すると晃太が美咲に言った。
「だとすると行き違いなってる可能性はかなり低いと思うぞ。ただ連絡が取れないならSNSを使って連絡するはずだ。6月11日から12日にかけて各通信キャリアの通信の規制や障害は起こっていない。つまり柚羽はSNSを使う事ができない状態になってる可能性が極めて高い。」
ルインやツリッターは世界的にも代表的なSNS(ソーシャルネットワークサービス)の名前ある。
そして晃太がしまったと感じていた。
なぜなら重苦しい空気にしてしまったからだ。
明井田火災の当日に行方不明になり、今も連絡がとれずにSNSも使う事ができない。それが指し示す意味を。
柚羽は明井田火災に巻き込まれた犠牲者だから連絡が取れずにいるのだと。
いつもは明るい雰囲気の晴南達だがこの時は重苦しい空気に包まれた。
すると晃太がみんなに言った。
「みんな、すまない。」
麻衣子がみんなに言った。
「ねえツリッターの柚羽のコメントを確認してみない?何か柚羽がコメントを残してるかもしれないわ。」
すると麻衣子がスマホを取り出して確認した。
麻衣子がみんなに言った。
「えっと、2019年6月10日18時7分に柚羽がツリッターでコメントしてるわ。夕飯はビーフシチューです!!って。」
拓也が麻衣子に尋ねた。
「夕飯はビーフシチューです???どういう事だ??」
麻衣子が拓也に言った。
「ぬくぬくポンって人が6月10日の17時50分にツリッター上でみんなの今日の夕飯を教えてって質問したみたい。それでその質問に柚羽がコメントしたみたい。」
晃太が麻衣子に尋ねた。
「その後柚羽は何かコメントしてるか?」
麻衣子が晃太に言った。
「ううん、このコメントが最後みたい。それ以降は何もコメントされてないし、評価するボタンも押されてないわ。」
麻衣子の話を聞き終わった後で、晃太がみんなに尋ねた。
「それじゃあルインで誰か柚羽とやり取りをしてないか?6月10日あるいは6月11日に?」
すると美咲が手を挙げて晃太に言った。
「柚羽と6月10日の夕方にルインでチャットをしてるわ。」
美咲はそう言うとスマホを取り出してルインの通信画面をみんなに見せた。
「2019年6月10日の18時04分に、うちはビーフシチュー、ってコメントされててそれが最後になってるわ。」
晃太が美咲に言った。
「ツリッターの最後のコメントを投稿した時間とかなり近いな。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「ねえ美咲?その最後の柚羽のコメントはなに?」
すると美咲がルインの画面を見せながらみんなに言った。
「2019年6月10日の17時51分から私と柚羽でチャットをしてて、そのやり取りの最後よ。」
美咲「ちょっと聞いてよ柚羽!!!」
柚羽「どうかしたの美咲?」
美咲「ママったら五目炒飯作ってるのよ!!」
柚羽「それがどうかしたの?美咲って五目炒飯が嫌いだったっけ?」
美咲「別に嫌いじゃないわよ。」
柚羽「じゃあ何に怒ってるの?」
美咲「今週は夕飯が毎日五目炒飯なのよ!ママったら五日連続で五目炒飯を作ってるのよ!!もう信じられない!!何回五目炒飯を私に食べさせるつもりなのよ!!」
柚羽「そんな事で怒ってたの?」
美咲「そんな事って何よ?私にとっては大問題よ!」
柚羽「でも美咲のお母さんの作る五目炒飯ってすごく美味しいじゃない?」
美咲「美味しいからって同じものを五日連続で出していい訳ないでしょ?」
柚羽「そう言わずに食べてあげなよ?美咲のお母さんが一生懸命作ってくれてるんだし。ちゃんと感謝しなきゃ?」
美咲「そういう柚羽んちの夕飯は何よ?」
柚羽「うちはビーフシチュー。」
麻衣子が美咲に言った。
「それでうちはビーフシチューってコメントになるのね。」
美咲は何も考えずにチャット画面を見せたが、全員に見られるのがだんだん恥ずかしくなり麻衣子に言った。
「もういい?柚羽がいなくなる前日のチャットなんかどうせ関係ないでしょ?」
美咲は恥ずかしそうにそそくさとスマホを片付けた。
すると冬湖が健太に言った。
「大柳君、もしかして何か言いたい事があるんですか?」
冬湖は健太が何かを言いたそうにしているのに気が付いたのだった。
健太に全員の視線が集まった。
晴南が健太に尋ねた。
「そうなの健太?」
すると健太がみんなに言った。
「うん、実は聞いてほしい事があるんです。」
晴南が健太に尋ねた。
「何?」
健太がみんなに言った。
「実は柚羽姉さん前日からちょっと変だったんです。」
他のメンバーはすでに第一社務所の大広間で待機していた。
まず三緒と美咲が大広間へと入ってきて、それに続くように美咲と健太が入ってきた。
大柳健太(おおやなぎけんた)は大柄の体格で髪型は丸刈りで仏頂面の少年だった。
黒いTシャツとジーパンをはいており近寄りがたい風貌の少年であった。
すると大広間に入ってきた健太に対して晴南がおおきな声で言った。
「ちょっと健太??いきなり睨み付けないでよ?」
すると健太が困った様子で晴南に言った。
「ごめん水元先輩、そんなつもりはなかったんです。」
すると麻衣子が健太に言った。
「いいよ健太君いちいち謝らなくても。晴南はこう言って健太君を困らせたいだけだから。」
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと麻衣子?健太を困らせようなんてしてないでしょ?私は健太と挨拶しただけよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「怖い顔で睨みつけないでよ?のどこが挨拶なのよ?」
晴南が麻衣子に言った。
「いい麻衣子?健太専用の挨拶なの?健太だけに使う特別な挨拶なのよ。」
麻衣子が晴南に言った。
「専用の挨拶って何よ?久しぶりとか元気だったって言えばいいでしょう?」
晴南が麻衣子に言った。
「久しぶりじゃ普通の挨拶でしょ?私達は特別な絆で結ばれた仲間なのよ、挨拶も特別なものじゃないとダメに決まってるでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「いや全然決まってないし、久しぶりでいいと思うわ。」
晴南が麻衣子に言った。
「普通の挨拶じゃ感動の対面にならないでしょ?一体何年ぶりの再会だと思ってるの?」
麻衣子が晴南に言った。
「2週間前に会ったばかっりでしょうが?ほぼ毎週会ってて感動の対面も何もないでしょうが!!」
麻衣子が晴南に言った。
「麻衣子にとっては2週間かもしれないかもしれないけど私は数十年ぶりなのよ?」
麻衣子が晴南に言った。
「数十年ってまだ15年も生きてないでしょうが!!はあーもう、晴南と会話してると本当に疲れる。」
このやり取りを見ていた健太は少し笑みを見せながら拓也に言った。
「水元先輩は相変わらずですね。」
拓也が健太に言った。
「ああ、良くも悪くも晴南だよ。」
すると美咲が健太に尋ねた。
「それで健太??柚羽に何があったのよ??」
麻衣子が美咲に言った。
「ちょっと美咲?いくらなんでも単刀直入すぎるでしょ?」
健太が麻衣子に言った。
「いや構わないです。柚羽姉さんが心配で心配で仕方ないのに、でも自分が何をしたらいいかも分からなくて。だからせめて先輩達に柚羽姉さんの事を話そうと思って九木礼に来たんです。」
晃太が健太に尋ねた。
「柚羽はまだ戻ってないのか?」
健太が晃太に言った。
「柚羽姉さんはまだ戻ってきてません。」
晃太が健太に尋ねた。
「柚羽がいなくなったのはいつからなんだ?」
健太が晃太に言った。
「はい。6月11日に柚羽姉さんが出かけてからずっと連絡が取れないんです。」
晴南が健太に尋ねた。
「それから柚羽からは連絡がずっとないの?」
健太が晴南に言った。
「はい、ただ僕は避難指示が出て以降は父さんと母さんと一緒に子戸倉にまで避難してたから。」
晴南が健太に尋ねた。
「避難指示?」
すると優斗が晴南に言った。
「うん、6月12日午後2時25分に明井田市全域への避難指示が出されてるよ。」
晴南が健太に言った。
「それでお父さん達と一緒に子戸倉まで避難したのね。」
美咲が健太に言った。
「でもそれだったら、柚羽が健太達と行き違いになってる可能性もあるじゃない?」
すると晃太が美咲に尋ねた。
「なあ柚羽はSNSは使うのか?」
美咲が晃太に言った。
「えっ?うん、柚羽はルインとかツリッターとかよく使ってるよ。」
すると晃太が美咲に言った。
「だとすると行き違いなってる可能性はかなり低いと思うぞ。ただ連絡が取れないならSNSを使って連絡するはずだ。6月11日から12日にかけて各通信キャリアの通信の規制や障害は起こっていない。つまり柚羽はSNSを使う事ができない状態になってる可能性が極めて高い。」
ルインやツリッターは世界的にも代表的なSNS(ソーシャルネットワークサービス)の名前ある。
そして晃太がしまったと感じていた。
なぜなら重苦しい空気にしてしまったからだ。
明井田火災の当日に行方不明になり、今も連絡がとれずにSNSも使う事ができない。それが指し示す意味を。
柚羽は明井田火災に巻き込まれた犠牲者だから連絡が取れずにいるのだと。
いつもは明るい雰囲気の晴南達だがこの時は重苦しい空気に包まれた。
すると晃太がみんなに言った。
「みんな、すまない。」
麻衣子がみんなに言った。
「ねえツリッターの柚羽のコメントを確認してみない?何か柚羽がコメントを残してるかもしれないわ。」
すると麻衣子がスマホを取り出して確認した。
麻衣子がみんなに言った。
「えっと、2019年6月10日18時7分に柚羽がツリッターでコメントしてるわ。夕飯はビーフシチューです!!って。」
拓也が麻衣子に尋ねた。
「夕飯はビーフシチューです???どういう事だ??」
麻衣子が拓也に言った。
「ぬくぬくポンって人が6月10日の17時50分にツリッター上でみんなの今日の夕飯を教えてって質問したみたい。それでその質問に柚羽がコメントしたみたい。」
晃太が麻衣子に尋ねた。
「その後柚羽は何かコメントしてるか?」
麻衣子が晃太に言った。
「ううん、このコメントが最後みたい。それ以降は何もコメントされてないし、評価するボタンも押されてないわ。」
麻衣子の話を聞き終わった後で、晃太がみんなに尋ねた。
「それじゃあルインで誰か柚羽とやり取りをしてないか?6月10日あるいは6月11日に?」
すると美咲が手を挙げて晃太に言った。
「柚羽と6月10日の夕方にルインでチャットをしてるわ。」
美咲はそう言うとスマホを取り出してルインの通信画面をみんなに見せた。
「2019年6月10日の18時04分に、うちはビーフシチュー、ってコメントされててそれが最後になってるわ。」
晃太が美咲に言った。
「ツリッターの最後のコメントを投稿した時間とかなり近いな。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「ねえ美咲?その最後の柚羽のコメントはなに?」
すると美咲がルインの画面を見せながらみんなに言った。
「2019年6月10日の17時51分から私と柚羽でチャットをしてて、そのやり取りの最後よ。」
美咲「ちょっと聞いてよ柚羽!!!」
柚羽「どうかしたの美咲?」
美咲「ママったら五目炒飯作ってるのよ!!」
柚羽「それがどうかしたの?美咲って五目炒飯が嫌いだったっけ?」
美咲「別に嫌いじゃないわよ。」
柚羽「じゃあ何に怒ってるの?」
美咲「今週は夕飯が毎日五目炒飯なのよ!ママったら五日連続で五目炒飯を作ってるのよ!!もう信じられない!!何回五目炒飯を私に食べさせるつもりなのよ!!」
柚羽「そんな事で怒ってたの?」
美咲「そんな事って何よ?私にとっては大問題よ!」
柚羽「でも美咲のお母さんの作る五目炒飯ってすごく美味しいじゃない?」
美咲「美味しいからって同じものを五日連続で出していい訳ないでしょ?」
柚羽「そう言わずに食べてあげなよ?美咲のお母さんが一生懸命作ってくれてるんだし。ちゃんと感謝しなきゃ?」
美咲「そういう柚羽んちの夕飯は何よ?」
柚羽「うちはビーフシチュー。」
麻衣子が美咲に言った。
「それでうちはビーフシチューってコメントになるのね。」
美咲は何も考えずにチャット画面を見せたが、全員に見られるのがだんだん恥ずかしくなり麻衣子に言った。
「もういい?柚羽がいなくなる前日のチャットなんかどうせ関係ないでしょ?」
美咲は恥ずかしそうにそそくさとスマホを片付けた。
すると冬湖が健太に言った。
「大柳君、もしかして何か言いたい事があるんですか?」
冬湖は健太が何かを言いたそうにしているのに気が付いたのだった。
健太に全員の視線が集まった。
晴南が健太に尋ねた。
「そうなの健太?」
すると健太がみんなに言った。
「うん、実は聞いてほしい事があるんです。」
晴南が健太に尋ねた。
「何?」
健太がみんなに言った。
「実は柚羽姉さん前日からちょっと変だったんです。」
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