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ノベルバユーザー570502

第30話 バスケットボール

今日の授業が終わり部活動の時間に入っていた。

晴南達はまず部室にいって課題であったレポート作成に取りかかった。

そしてレポート作成を済ませて鳥岩先生に提出した後で全員が体育館に移動した。

晴南の希望通りにバスケットボールをするためであった。

晴南達は体育館前までやってきた。

そして美咲が麻衣子に尋ねた。

「それでレポートの方はどうだったの?」

麻衣子が美咲に言った。

「うん、大丈夫。鳥岩先生からちゃんと合格をもらってきたわ。ねっ?晃太君?」

晃太が美咲に言った。

「ああ、あとはこの要領で部活動に合わせてレポート作成を進めてけば問題ないはずだ。」

晴南がみんなに言った。

「さあてと。レポート作成も終わったしバスケットボールを始めましょ?」

晴南はそう言うと体育館の出入口の鍵を開けて体育館の中に入っていった。

他のメンバー達も続々と体育館の中に入っていった。

晴南が大きな声でみんなに言った。

「それじゃあまずウォーミングアップで体を慣らして!その後で試合形式のゲームをしましょう?」

美咲が晴南に尋ねた。

「試合形式のゲームって?」

晴南が美咲に言った。

「ワンオンワンをやるつもりよ。」

美咲が晴南に尋ねた。

「ワンオンワンって何?」

晴南が美咲に言った。

「一対一で試合をするやり方よ。」

晴南が美咲に言った。

「えっ?じゃあ晴南と一対一で試合しろって言うの?」

晴南が美咲に言った。

「ワンオンワンなんだから当たり前でしょ?」

美咲が晴南に言った。

「冗談じゃないわ、晴南と一対一なんて負け確定でしょ?ハンデをちょうだいよ?」

晴南が美咲に聞き返した。

「ハンデ?」

すると麻衣子が晴南に言った。

「それなら晴南と拓也君が相手の場合は相手側が希望すれば一人だけ助っ人を参加させていい。ってのはどう?」

晴南が麻衣子に言った。

「それもうワンオンワンじゃないじゃない?」

麻衣子が晴南に尋ねた。

「それじゃあ点差によるハンデにする?」

晴南が麻衣子に言った。

「うーん、まあいいわ。その助っ人ありでいきましょ。それはそれで面白そうだし。」

麻衣子が拓也に尋ねた。

「拓也君はどう?」

拓也が麻衣子に言った。

「ああ、俺もそれで構わない。」

麻衣子がみんなに言った。

「それじゃあ助っ人を呼べるって事でいいわね。助っ人を頼む場合は試合開始前に言ってね。後からやっぱり助っ人してっていうのはなしね。」

すると冬湖が麻衣子に尋ねた。

「麻衣子さん?そのワンオンワンのルールはどうなっているんですか?」

麻衣子が冬湖に言った。

「ハーフコートで一つのゴールを使って試合をするわ。攻撃側と防御側に別れるの。攻撃側はシュートをして、防御側はこれを阻止するの。それでシュートを打ったり、防御側にボールを奪われたら、攻守を交代するの。あとはこれの繰り返しよ。」

美咲が麻衣子に尋ねた。

「それでどうやったら勝ちなの?」

麻衣子が晴南に尋ねた。

「11ポイント先取した方が勝ちで、通常のシュートが2点、スリーポイントシュートが3点でいいかしら?」

晴南が麻衣子に言った。

「ええ、それでいいわ。」

麻衣子が晴南に言った。

「じゃあ11ポイント先取した方が勝ちね。」

冬湖が麻衣子に尋ねた。

「麻衣子さん?スリーポイントってどこから打てばいいんですか?」

麻衣子が冬湖に言った。

「ほら、ゴールの周りをぐるりと白い線が貼ってあるでしょ?あの白線より外ならスリーポイントになるわ。」

麻衣子はそう言うとスリーポイントラインを指さした。

すると晴南がみんなに言った。

「さあ、ルールは分かったでしょ?早くウォーミングアップを始めてちょうだい?」

すぐに全員が準備体操を始めた。

そして体育倉庫からバスケットボールとスコアボードが用意された。

そしてすぐに試合形式のゲームを始めた。

まず晴南と美咲が試合を始めた。

美咲は冬湖を助っ人に頼んで試合が始まった。

だがそれでも晴南の猛攻を止める事はできなかった。

晴南がインサイドに切り込んでいった。

冬湖が美咲に言った。

「美咲さん?!!」

美咲は晴南の前に立ちはだかったってシュートを打たせまいとした。

だが晴南は上手くフェイントをかけて、簡単に美咲を抜いてしまった。

そしてそのままシュートを放った。

晴南の放ったシュートはゴールに吸い込まれていった。

晴南がシュートが入ったのを確認して喜んだ。

「やった!!」

疲労困憊の美咲が息を切らしながら言った。

「嘘、また入れられた!!?」

晴南がスコアボードを見て大声で言った。

「これで11ー0ね。やった!!私の勝ち!!」

美咲が息を切らして言った。

「はあ、はあ、負けた。」

けろっとした表情で晴南が美咲に言った。

「それじゃあ、もう一回対戦しましょ?」

美咲が疲れた表情で晴南に言った。

「また対戦しろって言うの?もうくたくたなのよ?」

晴南は美咲に言った。

「大丈夫よ、まだ元気が有り余ってるから。」

美咲が晴南に言った。

「私はもうヘトヘトなの。」

晴南が美咲に言った。

「全くだらしがないわね。助っ人まで頼んでおいて。」

美咲が晴南に言った。

「そんなに試合がしたいんだったら、拓也君と対戦してよ?」

晴南が美咲に言った。

「拓也との勝負は最後よ。お楽しみは最後までとっておくもんでしょ?」

美咲が晴南に言った。

「とにかくもう私は嫌よ!」

晴南が美咲に言った。

「はあ、分かったわ!」

すると晴南が大声で優斗と晃太に言った。

「優斗!!晃太!!来てちょうだい!」

優斗と晃太が晴南の元にやって来た。

優斗が晴南に尋ねた。

「何?晴南?」

晴南が優斗に言った。

「次に私と対戦してちょうだい!」

優斗が晴南に言った。

「えっ?僕じゃ晴南の相手なんて務まらないよ?」

晴南が優斗に言った。

「分かってるわ、だから晃太を助っ人にしていいわ。」

こうして晃太と優斗が晴南と対戦する事になった。

だが晃太と優斗も晴南の前に苦戦を強いられた。

晃太が優斗に叫んだ。

「優斗!シュートを打たせるな!」

優斗が晃太に言った。

「分かってるけど!」

晴南はインサイドに切り込むと見せかけてそのままシュートを放った。

優斗は晴南の素早い動きに対応できずにシュートを許してしまった。

ボールはそのままゴールへと吸い込まれていった。

晴南がシュートが入った事を確認すると大声で喜んだ。

「ゴール!!やった!!」

優斗が残念そうに言った。

「しまった!!」

晴南が優斗に言った。

「11ー4で私の勝ち!このゲームも私の勝ちよ!」

またしても晴南の圧勝だった。

すると晴南が息を切らしている優斗に言った。

「ちょっとこれぐらいで息を切らすなんてだらしないわね?」

優斗が晴南に言った。

「いや僕はこういうの苦手だからね。」

晴南が優斗に言った。

「情けない事言わないでよ、もう一試合するのよ?」

優斗が晴南に言った。

「えっ?また試合する気なの?」

晃太が慌てて晴南に言った。

「ちょっと待ってくれ!晴南?俺達じゃ運動神経がいい晴南との対戦は荷が重すぎる。二試合連続で対戦したんだし、もういいだろう?」

晴南が晃太に言った。

「だめよ、先週は潰れてばっかりだったし、私の気の済むまで試合させてもらうわ!」

優斗が晴南に言った。

「晴南、そうは言っても僕達もうヘトヘトだし、対戦なんて無理だよ?」

晴南が優斗に言った。

「いつも図書館なんかにこもってるからじでしょ?」

晃太が晴南に言った。

「まあ確かに図書館で過ごす時間が長い分、体力面が疎かになっている点は否定できない。だけど図書館で過ごすのを悪い事のように言うのは頼むからやめてくれ。人には得手不得手がある。それは仕方がない事だろう?」

優斗が晴南に言った。

「そうだよ晴南?晴南には晴南の晃太には晃太の長所がある。人はそれぞれ違うんだし、それぞれの長所を伸ばしていくべきなんだよきっと。そしてそれぞれの長所と短所を理解しあう事はより大切だと思うんだ。だから相互理解を深める為にも、今日はこれで勘弁してくれないかな?」

晴南が優斗に言った。

「ええ?だって全然遊び足りないのよ!」

優斗が晴南に言った。

「そうは言っても時間も迫ってきてるよ?」

優斗はそう言うと体育館の時計を指さした。

時計の時間は午後5時を回っていた。

晴南が優斗に言った。

「本当ね!そろそろ拓也との試合を始めないと。」

一方の拓也は長孝とワンオンワンで対戦をしており、ちょうどそのゲームが終わった所だった。

長孝がスコアボードを見ながら拓也に言った。

「はあ、はあ、6対11で俺の完敗っす。やっぱ、松浦先輩は強いっすね。」

拓也が長孝に言った。

「ああ、ありがとう。」

すると晴南の声が聞こえてきた。

「拓也!勝負よ!こっちに来てちょうだい!!」

拓也が晴南に大声で答えた。

「ああ!分かった。すぐに行く!」

すると拓也が晴南の方に走っていった。

拓也がやってくると晴南が大声で言った。

「拓也!!昨日の雪辱は晴らさせてもらうわ!」

拓也が晴南に言った。

「晴南、望む所だ。悪いが今日も勝たせてもらうぞ!」

こうして晴南と拓也のワンオンワンで対戦が始まった。

晴南の先攻で試合が始まった。

晴南が素早い動きで拓也を抜きさるとシュートを放った。

だが晴南が放ったシュートは横から弾かれてしまった。

晴南はすぐに横を見た。

すると拓也がすぐ横にいた。

拓也は晴南がシュート体勢に入るとすぐに晴南の横に回り込んで高くジャンプをすると晴南のシュートを横からを弾いたのだった。

ボールがコロコロとコート外に転がっていった。

拓也が晴南に言った。

「晴南、そう易々とシュートは打たせないぞ!」

晴南は笑いながら拓也に言った。

「そうこなくっちゃ。面白くないわ!」

その後激しい試合が始まった。

晴南も拓也も序盤から全力勝負をかけていった。

拓也がシュートを放とうすれば晴南に阻止され、晴南がシュートを打とうとすれば拓也に阻止された。

拓也がシュートを決めれば、晴南も負けじとシュートを決めて、白熱した試合展開が続いた。

試合はどちらも譲らぬまま8対8になっていた。

そこに部活動終了のチャイムがなった。

リンゴーン!リンゴーン!

晴南も拓也も全身汗だくで息を切らしていた。

拓也が晴南に尋ねた。

「はあ、はあ、チャイムが鳴ったがどうする?」

晴南が拓也に言った。

「はあ、はあ、そんなの決まってるでしょ!続行よ!決着がつくまでね!」

拓也が晴南に言った。

「そうだな!」

チャイムが鳴った後も試合は続行された。

晴南が攻撃側となりインサイドに切り込んでいった。

だが拓也は晴南の行動を読んでおり、晴南は拓也のディフェンスを振り切る事はできなかった。

晴南が強引にシュートを放った。

拓也はシュートコースを上手く塞ぎながらブロックした。

晴南のシュートはブロックされて、ボールがコロコロと転がっていった。

拓也にボールが移り晴南が防御側になった。

拓也もインサイドに切り込んでいくが、晴南のディフェンスを振り切る事ができなかった。

拓也は何とかシュートをしようと構えるが、晴南に上手くかき回されてなかなかシュートが打てずにいた。

すると拓也が大きく後ろに下がった。

晴南は完全に虚をつかれて一瞬だけ反応が遅れてしまった。

晴南が大きな声で言った。

「しまった!」

次の瞬間拓也は大きくジャンプして白い線の外からスリーポイントシュートを放った。

拓也の放ったシュートはきれいな曲線を描いてゴールへと吸い込まれていった。

ポイントは8対11となり拓也が勝利した。

汗だくになりながら拓也が晴南に言った。

「ふう、悪いな!晴南。」

晴南が大きな声で拓也に言った。

「また負けちゃったー!!悔しいー!!」

晴南は悔しがった。

少しすると晴南は立ち上がり拓也に言った。

「はあー!!今日は絶対に拓也に勝とうと思ってたのに!やっぱり拓也は強いわね?」

拓也が晴南に言った。

「いや晴南もな。本当に手強い相手だよ。」

晴南が拓也に言った。

「いい拓也!今回は勝ちを譲ってあげる!!でも次は絶対に負けないから!!」

拓也が晴南に言った。

「ああ、俺だって負けない。」

すると晃太が大声で拓也と晴南に言った。

「おーい!拓也!晴南!もう部活動の時間は終わってる早く帰る支度をしてくれ!こっちで体育用具は片付けておくから。あんまり遅くなると鳥岩先生が見にくるぞ!」

晴南が晃太に大声で言った。

「ええ分かったわ。」

拓也が晃太に大声で言った。

「ああ、すぐに行く。」

晴南と拓也は慌てて帰る準備を始めた。

他のメンバーで使用したバスケットボールとスコアボードが片付けられた。

そして体育用具をしまい終わると、全員が体育館の外に出た。

そして晴南が体育館の鍵を施錠してすぐに職員室に返しにいった。

そしてそのまま晴南達は下校した。

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