あなた達を異世界へ召喚してあげましょう?

ノベルバユーザー570502

第2話 山間部にて

ここは地方の山間部にある町、九木礼(くきれい)町である。

この九木礼町の中のとある建物の中で少女達が睨み合っていた。

テーブルを挟んで少女が向かい合っている少女に言った。

「晴南(はるな)いくよ!」

晴南と呼ばれた少女がもう一人の少女に言った。

「うん、美咲(みさき)の方こそ大丈夫?」

美咲と呼ばれた少女が晴南に言った。

「うん、いつでもいいよ!」

晴南が美咲に言った。

「美咲、悪いけどこの勝負譲る気はないから。」

美咲が晴南に言った。

「私も絶対に負けられないの、例え相手が晴南でもね!」

晴南が美咲に言った。

「美咲、決着をつける前に一つ言っておきたいの。」

美咲が晴南に聞き返した。

「何?」

晴南が美咲に言った。

「例えこの勝負がどんな結末になっても、私はずっと美咲の友達だよ!」

美咲が晴南に言った。

「そんなの言わなくても分かってる!私も何があっても晴南の友達だよ!」

すると晴南が美咲に言った。

「それじゃあ、勝負よ美咲!!」

美咲が晴南に言った。

「うん!!いくよ晴南!!」

そしてついの決着の時が来た。

晴南が右手を伸ばし、それと同時に美咲も右手を伸ばす。

「じゃんけんぽん!」

晴南がパーを出し、美咲がチョキを出した。

じゃんけん勝負の結果、美咲が勝利を果たした。

美咲が晴南に言った。

「やった!私の勝ちいい!!」

晴南が美咲に言った。

「うーー!ま、負けた!!」

ここは九木礼町の商店街にあるベリエという喫茶店だ。

20席程度の小さな店で店内はかなり野暮ったかったが、店内の照明は明るく清掃も行き届いていた。

その店内の一角で二人の少女がチョコレートパフェをかけてジャンケン勝負をしていたのだ。

少女の一人は九木礼中学(くきれいちゅうがく)三年の水内晴南(みずうちはるな)だ。

黒髪のロングヘアーで顔立ちもスタイルもいい少女だった。

一方もう一人の少女も九木礼中学(くきれいちゅうがく)三年の内藤美咲(ないとうみさき)であった。

茶髪のショートヘアの少女で顔立ちのいい少女だったが、晴南と比べると体つきは一回り小さかった。

すると美咲が晴南に言った。

「じゃあチョコレートパフェは私が貰うね!」

晴南が美咲に言った。

「ええもちろん、どうぞ!美咲が勝者なんだから!」

美咲はそう言うとテーブルの中央に置かれていたチョコレートパフェを自分の近くに移動させた。

すると美咲の隣に座っていた少女が美咲に言った。

「あ、あのう美咲さん、なんでこんな面倒くさい事するんですか?」

すると美咲がその少女に言った。

「そんなの決まってるでしょ!チョコレートパフェを賭けた勝負なんだよ!負けたらチョコレートパフェたべられないんだよ!」

美咲の横に座っていたのは新内由香(しんうちゆか)という少女だった。

九木礼中学3年生で赤髪のショートヘアで小柄の少女だった。

晴南が由香(ゆか)に言った。

「そうよ由香、何事も楽しまきゃダメよ!だからあれは必要な会話なの!」

由香は晴南と美咲の力説に圧倒されてしまった。

そして二人に言った。

「そ、そうですよね。必要ですよね。ごめんなさい、美咲さん晴南さん。」

すると晴南の横に座っていた少女が晴南に言った。

「いや、絶対おかしいでしょ!チョコレートパフェをどっちが食べるか決めるだけで!」

晴南がその少女に言った。

「仕方ないじゃない麻衣子(まいこ)、私たちがベリエに来た時にはチョコレートパフェが最後の1個だったんだから。」

晴南の横に座っていたのは、堀川麻衣子(ほりかわまいこ)という少女だった。

彼女も九木礼中学3年生だった。

白髪のロングヘアーの華奢な体格の少女でメガネをかけていた。

麻衣子が美咲に言った。

「いやそうじゃなくてチョコパフェをどっちが食べるか決めるだけでしょ?それだけであんな長い前振り必要ないでしょって事!」

晴南が麻衣子にすかさずに反論した。

「あのね麻衣子、こんな田舎じゃ遊べる所も少ないわ。だからせめて小さな事でも盛り上げようとしるの!それに放課後は楽しく過ごさなきゃもったいないじゃない。限りある放課後なんだよ麻衣子!」

そこに美咲が話に加わってきた。

「いや私はスイーツを賭けた勝負だと熱くなっちゃうんだよね。それに苦労して手に入れたスイーツの味は格別なのよ。」

麻衣子が諦めて美咲と晴南に言った。

「あーもう、分かったわ。そういう事にしとく。」

晴南が嬉しそうに麻衣子に言った。

「分かってくれて嬉しいわ、麻衣子!」

麻衣子が呆れながら晴南に言った。

「本当に晴南といると退屈しないわ!」

晴南が麻衣子に言った。

「麻衣子、もっと誉めていいわよ!」

麻衣子が晴南に言った。

「今のは誉めてないから。」

その後少女達は雑談に花を咲かせた。

しばらくして会計を済ませると少女達は店を後にした。

時刻は夕暮れ時になっていた。

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