幼馴染依存

kisaragi

28. クラスメイト

「美蘭おはよー!」

「おはよー!」

「昨日、大丈夫だった?」

「うん、何とか…」

昨日は、本当に大変だった。文化祭の衣装のことでほくがずっと拗ねているし、抱き着いたまま離してくれないし...。

...

(昨日)

「ほく、離して。」

「無理。」

ほくが抱きついたまま離れてくれない。

「衣装着た写真撮って送らないといけないんだから。」

「誰に送るの?」

「衣装係さんだよ。」

「男?」

「女の子。今日衣装受け取った時見たでしょ。」

「忘れた。」

「もう。早く着替えるよ。ほくも浴衣の写真撮らないといけないんだから。」

「…はーい。」

2人で衣装に着替える。髪の毛もセットした。2日目はメイクさんにツインお団子をするように指示された。

「できた。」

「ほくありがとう。」

メイクも髪型もほくにやってもらい準備が整った。

「ほく、写真撮って。」

「うん。」

ほくに全身の写真を撮ってもらう。恥ずかしいな。

「ほくも撮るよ。」

「ありがとう。」

2人とも写真を撮り終え、メイクさんに送る。

「みぃ、こっち向いて。」

「ん?」

ほくに写真を撮られる。

「可愛い。」

「恥ずかしい。」

何枚も写真を撮られる。すごく恥ずかしい。

「ほく、浴衣はだけてるよ。」

ほくの浴衣がはだけて、腹筋が見えていた。

「みぃちゃん、興奮しちゃった?笑」

「し、してない!」

「んー?何その反応。笑」

ほくにキスされる。最初は軽いキスだったのにどんどん深くなっていく。

「みぃ、この格好エロすぎ。」

「ほくだって。」

「え?俺?普通に浴衣じゃん。」

「なんかエッチだもん。はだけてるし。他の子に見せないでね。」

「分かった。」

ほくは私を嫉妬させないようにすごく気を付けてくれる。嬉しい。

「もう、重たいから離れて。」
「無理ー。このまま寝よ。」

部屋着に着替えてからもずっとくっつかれていた。



「大変だったんだね。笑」

「うん。笑」

「今日は、買い出しとか内装の準備とかするみたいだよ。」

「そうなんだ。衣装着ないならよかった。」

今日は5限と6限が文化祭の準備にあてられている。放課後も残って自由に準備をしていいみたい。

「美蘭、お昼食べに行こー!」

「うん!」

午前の授業が終わり昼休みになった。午後は文化祭の準備だけだから嬉しい。

「文化祭楽しみー!」

「俺は楽しみじゃない。」

「美蘭が心配なんだ。笑」

「まあ、あの衣装は心配になるよな。衣装係結構気合い入ってるな。」

「衣装変えてほしい…。」

「頑張ろう…。」

文化祭は楽しみだけど、少し不安だなぁ。

「あ、そういえばさ、美蘭達が付き合ってること他の人に言ってもいいの?」

「えっ、他の人?」

「うん、昨日北斗と美蘭が2人で保健室行った設定になってたでしょ?だから、クラスの子に2人は付き合ってるのか聞かれて。言っていいか分かんなかったから、テキトーに誤魔化しといたけど。」

「そうだったんだ。別に隠してないけど、そういうのって言わないほうがいいのかな?」

「男の子は知っても何もしてこないだろうけど、女の子は分かんないよね…。」

「かなぁ…。」

実際に中学の時、北斗のことが好きな女の子に嫌がらせをされたこともあったし、高校入ってからも、この前みたいに先輩から嫌がらせを受けた。
どうしたらいいんだろう。

「でも、難しいね。付き合ってるって知って何かしてくる人もいるし、付き合ってないのに仲良くしてると思って何かしてくる人もいるだろうし…。」

「俺は、美蘭に任せるよ。」

「どうしよう。とりあえず秘密にしておこうかな。」

「分かった。私も秘密にしておくね。」

「結衣、ありがとう。」

とりあえず、秘密にすることにした。

「そろそろ教室戻ろー!」

「戻ろっか!」

お昼ご飯を食べ終わって、屋上から出る。

「美蘭、」

「ほく、どうした?」

「みんなに言いたくなったら言ってね。俺はどっちでもいいから。」

「分かった。正直どうすればいいか分かんないんだよね。言ったほうがいいかもしれないけど、今は特に何もないからこのままでいいかなって思ってる。」

「うん。なんかあったらすぐ俺に言って。」

「分かった。ありがとう。」

「うん。まぁ、みぃが俺のものって皆んなに言いたかったけど、しょうがない。」

「言いたかったの?笑」

「うん。でも、秘密ってのも燃える。」

「なにそれ。ほくよく分かんない。」

教室に戻りながらほくと話していたけど、話が変な方向に行ってしまった。

「接客係さん集まって~!」

『はーい』

5限になり、文化祭の準備が始まって内装係さんに呼ばれた。

「えっと、接客係の皆さんでこのメモに書いてあるものを買ってきてもらっていい?たくさんあるから、手分けして買ってきてください。」

「了解です!」

接客係は当日まであまりすることがないので、雑用を手伝うことになっている。今日はみんなで買い出しに行くことになった。

「接客、8人いるから4人ずつに分かれて買うのがいいかな??」

「そうだね。どうやって分かれる?」

「この4人とこの4人でいいんじゃない?結衣ちゃんたち中学一緒だしね!」

「分かった!そうしよっか!じゃあ、また後で集合しよ!」

学校の近くのショッピングモールに着いた。4人ずつに分かれて買い物をすることになった。

「まずは、100均いく?」

「そうだね。」

画用紙やガムテープなどを買うためにまずは100円均一に来た。

「ほくー、」

「どうした?」

「つかれたー。」

「来たばっかじゃん。」

「ねぇ、結衣たちに隠れて、なんか飲もうよ。」

「悪い子。今日ちゅーしてあげないよー。」

「えぇ。じゃあ、後で結衣たちと一緒に飲も。」

「だめ。買い出しから戻ってくるの待ってる人たちがいるんだから。」

「えー。もう、疲れたもん。歩けない。」

結衣と寛太は部活やってて体力があるけど、私はほとんど家にいるから体力不足ですごく疲れてしまった。買い出し大変。

「美蘭、ちゃんと探して!笑」

「はぁーい。笑」

結衣に見つかって少し怒られてしまった。笑

「あ、あった。」

「そろったね。」

100円均一で買うものは全部揃ったみたい。次は、食料品売り場でクラス展で出すメニューの材料を買いに行く。今日は、お試しで作る分だけでいいみたい。

「はぁー。やっと全部揃った。」

「美蘭もう脚が…。」

「帰宅部頑張れ。笑」

やっと、必要なものが全部揃った。たくさん歩いてすごく疲れた。

「理沙ちゃんたちももう少しで買い終わるって!」

「良かった!ねぇ、なんか飲み物買お!!」

「理沙ちゃんたちにバレるよ。笑」

「えぇ。飲みたかった…。」

「美蘭、諦めろ。笑」

みんなに止められて、結局諦めた…。

「あ!理沙ちゃん!」

「お疲れー!全部買えた??」

「買えたよ!理沙ちゃんたちは?」

「私たちも買えた!」

「じゃあ、学校戻ろっか。」

「そうだね!」

理沙ちゃん達も買い物が終わり、みんなで学校に戻ることに。

「美蘭ちゃん、もう体調は大丈夫?」

「うん!もう大丈夫!」

理沙ちゃんに心配かけちゃったなぁ。ただサボってしまっただけだから、罪悪感を感じる。

「美蘭ちゃん、衣装めちゃくちゃ似合ってたよ。ちょっとセクシーだけど。笑」

「もう、本当に恥ずかしすぎる。」

「美蘭ちゃんが接客したらお客さんいっぱい来ると思うよ!」

「そうかなぁ?」

「うん!あと北斗くん!」

「ほくは来てくれるかもしれないね!」

「2人で、一位狙えるかもしれないよ!」

「そんなことないよ!笑」

理沙ちゃんすごく褒めてくれる。文化祭頑張ろ。

「接客係さん買い出しありがとうー!後は、手が足りない人たちを手伝ってもらえると助かります!」

「分かりました!」

「とりあえず、体操服に着替えてきてください!」

『はーい』

体操服に着替えるため、結衣と更衣室に行く。

「美蘭、だいぶお疲れだね。笑」

「自分の体力のなさを感じた…。」

着替え終わり、更衣室から出るとほくと寛太がいた。

「あれ、2人とも待っててくれたの?」

「おー。」

「美蘭、これあげる。」

「え!ありがとう。」

「北斗、私の分は?」

「ない。」

「ケチ。」

ほくがミルクティーをくれた。これ好き。

「美蘭、髪結ぼうか?」

「うん。お願い。」

「寛太と結衣、先行ってて。」

「ほーい。また、サボるなよー。」

「分かってる。」

階段に座り、ほくに髪を結んでもらう。

「みぃ、疲れた?」

「うん。でもミルクティーで生き返った。」

「単純。笑」

「いいの。」

「可愛い。あとでちゅーしよっと。」

「うん。」

「素直じゃん。」

「さっき飲み物我慢したからしてくれるんでしょ?」

「うん。してあげる。」

本当は今したいのにな。早く家に帰りたい。

「できた。」

「ありがとう。」

「じゃあ、行こっか。」

「うん。」

ほくがおでこにキスしてくれた。

「こんな可愛い顔他の奴の前でしちゃダメだよ~。」

「はぁい。」

ほくに肩を組まれたまま、ほっぺをつままれる。重いし痛い。

「あ、美蘭!こっち手伝ってー!」

「はーい!」

「北斗くん、こっち手伝ってもらっていい?」

「あ、はい。」

それぞれ別々のところを手伝うことになった。

「美蘭、髪型可愛いね。お団子珍しい。」

「お団子になってたんだ。気づかなかった。」

「北斗、作業しやすいようにまとめてくれたんだね。」

「そうかも!」

「えっ!お団子北斗くんがやったの?」

「あっ。…うん。」

「そうなんだ!2人は付き合ってるの?」

美香ちゃんに聞かれて少しドキッとした。

「付き合ってないよ。幼馴染なの。」

「付き合ってないんだ!幼馴染なんだね。」

「うん!」

「北斗くんが幼馴染なんて羨ましい!」

「分かる!あんなイケメンと幼馴染になりたい。」

「絶対恋に堕ちるよね。笑」

「そ、そうかな?」

他の子にも羨ましいと言われて、嘘をついているのが申し訳なくなってしまう。

「美蘭、大丈夫?」

「あ、うん。」

ほくの方を見ていると、結衣に心配された。ほくは、またメイク係の美咲ちゃんと話している。美咲ちゃんは、距離が近いからすごく心配になる。

「美咲ちゃん、北斗のこと好きそうだよね…。」

「えっ、やっぱそうなのかな…。」

「距離感めっちゃ近いね…。」

「うん…。」

やっぱり、美咲ちゃんほくのことが好きなのかなぁ。さっきからほくにボーディタッチしてる。

「北斗呼んできてあげようか?」

「ううん、大丈夫。」

「そっか。とりあえず、早く帰れるようにこれ頑張って終わらせよっか。」

「うん。」

作業に戻るけど、全然集中できない。ほくのばか。

「美蘭、ハサミ持ってる?」

突然、ほくに話しかけられる。

「持ってるよ。」

「貸して。」

「筆箱の中に入ってる。」

「ちょっと来て。」

「はいはい。」

ほくに呼ばれて筆箱を取りに行く。

「はい、ハサミ。」

「ありがとうー!」

「ほく、近い。」

「え?今?」

「違う、美咲ちゃんと。」

「ごめん。あの子なんか距離感近い。」

「多分、ほくのこと好きだと思う。」

「えっそうなの?」

「うん。」

「ごめん気をつけるわ。」

「うん。」

「みぃも男の子と話しちゃダメだよ~。」

「はいはい。」

「ハサミありがとう。後でね。」

「うん。」

ほくに頭を撫でられる。ここ教室なのに。

「美蘭ちゃん本当に北斗くんと付き合ってないの??」

「付き合ってないよ。」

「頭撫でられてたよね!?羨ましすぎる。」

結衣のところに戻ると、ほくとのやり取りを他の女の子達が見てたみたいで色々質問される。

「2人は家が隣同士だからすごく仲良いんだよね!」

「うん。そうなんだよね。」

「え!いいな!目の保養じゃん。」

理沙ちゃんがフォローをしてくれる。付き合ってることは理沙ちゃんにも言ってないけど。

「美蘭ちゃんは彼氏いないの??」

「うん、いないよ!」

「そうなんだ。美蘭ちゃんのこと好きな人多そう。」

「分かる。クラスの何人かは好きだろうね。」

「えっ、そんなことないよ。」

みんなとお話をしながら作業を進める。ほくの方を見ると、美咲ちゃんと一緒に作業をしているけど、距離は近くない。良かった。

「よし!終わったー!」

「終わったね!」

「帰れる!」

「帰ろー!」

今日の分の作業が終わった。結衣と一緒に着替えに行く。ほく達はまだ終わってないみたい。

「はぁー、疲れたね。」

「大変だった。」

「美蘭は、北斗が終わるまで待ってる?」

「うん。」

「そっか。私部活あるから先行くね!また明日!」

「うん!ばいばい!」

結衣と解散して、教室に戻る。

「あ、美蘭。」

「お疲れ様。どう?終わりそう?」

「もう少しかな。」

「あ!北斗くんもう帰ってもいいよ!」

「えっ、いいんですか?」

「うん!てか、早くタメ口にしてよ~笑」

「すいません。」

「もう。笑」

「じゃあ、残りお願いします。」

「はーい!ばいばーい!」

「さよなら。」

なんか、見せつけられた気分。美咲ちゃん悪い人ではないと思うんだけどな。嫉妬心が邪魔する。

「みぃ帰ろ。」

「うん。早く着替えてきて。」

「はーい。ちょっと待っててね。」

ほくが更衣室に向かう。私は教室に残ったまま。

「美蘭ちゃん、北斗くんといつも一緒に帰ってるよね?」

「あ、うん。」

美咲ちゃんに話しかけられた。少し気まずい。

「付き合ってるの?」

「付き合ってないよ。」

「そうなんだ!良かった~。」

「えっ。」

「私、北斗くんのこと好きなの。」

やっぱり、ほくのこと好きだったんだ。

「そ、そうなんだ。」

「だから協力してくれない?」

「…ほく、恋愛に興味ないと思う。」

必死に嘘を絞り出す。

「え~。まぁ、でも分かんないでしょ?一応、協力してよ。」

「えーっと…」

「もしかして、美蘭ちゃんも北斗くんのこと好きなの?」

「えっ、」

「美蘭、お待たせ。」

「あ、ほく…」

ちょうどいいタイミングでほくが戻ってきてくれた。

「帰ろ。」

「う、うん。」

「北斗くん、ばいばーい!」

「さよなら。」

美咲ちゃんちょっと怖い…。

「みぃ、今日頑張ったね。」

「う、うん。」

「どうした?」

「美咲ちゃん、やっぱほくのこと好きみたい。」

「そうなんだ。俺はみぃが好きだよ。」

「うん。だけど心配。」

「帰ったらいっぱいちゅーしようね。」

「うん。」

帰ったら言っていた通りいっぱいキスしてくれた。少し不安が消えた。

「みぃ可愛い。」

「もう、ちゅーしすぎ。」

「えぇ。俺足りない。学校にいる間ずっと我慢してたんだけど。」

「あと一回だけね。そうしたら寝よう。」

「はぁーい。」

優しくて深いキスをしてくれた。



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