金髪騎士はオレの嫁
7話 「事務所にて」
  翌日の昼過ぎ、俺たち2人は、昨日の一件のことで虎姐の事務所へと向かっていた。
「真、昨日虎姐とやらが言っていたことを覚えているか?」
「んっ……? ああ、異世界から来たっていう虎姐の知り合いの話だよね。やっぱり気になってるの?」
「気になるもなにも、今のところそれしか手がかりがないんだ。だから、今日こそはあいつの知り合いとやらが誰なのかを教えてもらう。フォローは頼んだぞ?」
  彼女の期待の眼差しに、俺は力強く頷いた。でも実際、あの人がほんとに口を開いてくれるのかは不明だ……。
「にしてもラルちゃん、向こうの世界だと騎士だったのかぁ……。騎士ってやっぱりこう、剣とか持ってバシバシやり合ったりするの?」
  俺の稚拙な物言いに、ラルちゃんは少し怒ったように顔をふくらませた。
「ずいぶん品性のない例え方をするんだな、お前は。まぁ正直に話すと、私自身、実戦で剣を抜いた経験はほとんどない」
「えっ? でも、騎士団って魔物たちと戦ったりとかするんじゃないの?」
「もちろんそれはある。だが、私のいたブルタニアには、魔法を扱える“魔術師”という者が大勢いてな。魔物をどうにかするのは魔術師の役割で、剣技しか扱えない騎士たちは、民間のトラブルなどを取り締まる程度の仕事しか回ってこない。故に剣を抜く機会はほとんどなかったということだ」
「へ〜、それじゃあ騎士というより警察みたいだね」
  どうやら、向こうの世界じゃ剣より魔法の方が強いみたいだ。魔物というのがどれくらい強いのかは分からないが、ラルちゃんみたいな屈強な子が戦力外とされているなら、きっと絵に描いたようなバケモノに違いない。
「ねぇラルちゃん、昨日いってた魔王……ヘリオス? それって、どのくらい強かったの?」
「そうだな……。私一人ではとても太刀打ちできなかった──とでも言うしかないな。姿こそ人のそれだが、その力は人間の域をゆうに超えていた」
「そうなんだ……ってちょっと待った! なんで1人で戦ったの!?」
  予想外の新事実に思わずツッコみを入れてしまう。
「言ってなかったか? ヘリオスを倒すと決意した私に味方はいなかった。まぁ無理もない、いくら相手が魔王でも、表向きは一国の王子なんだからな。刃を向ければ私は反逆者とみなされ、故郷や騎士団にも迷惑をかけるだろう」
「じゃあ、迷惑をかけないために1人で……? 勝てる見込みはあったの?」
  ラルちゃんは苦笑しながら首を横に振った。
  彼女は勝てないと分かっていてなお戦うことを選んだというのか……。
「そ、そんなの無茶だよっ! 相手はハチャメチャに強い怪物なんでしょ!? もしラルちゃんが殺されたりしたら、それこそ騎士団の人たちに迷惑が__」
「騎士団ならもう抜けた! 私が王に逆らおうと殺されようと、もう何も問題はない──他人のお前が、知ったような口で私に説教するな!」
「__! べ、別に説教してるつもりじゃ……!」
「──はぁ……そうだな。少々熱くなりすぎたかもしれない……。もう私の話はやめにしよう、どのみち元の世界に帰る方法が見つかれば、お前との関係もそれまでなんだからな」
  なんというか、上手いこと言いくるめられてしまった。そんな言い方をされてはなにも言い返せない……。
「虎姐が待っているのだろう? 急いでやろう」
「うん……そうだね」
  あれから歩くこと20分、ようやく事務所が目前に迫ってきた。が、なにか様子が変だ。
「あれ、誰かいる……」
  事務所があるビルの入口に、中学生ぐらいと思わしき少年が、なにやら壁に隠れるようにして、向こうの様子を伺っていた。疑問に思って、少年と同じ方を見ると、なにやら路地の傍らで、1人の女性が男3人に囲まれていた。
「なんだあれは?」
  ラルちゃんは怪訝な表情で、目の前の現場を睨みつける。
「ナンパ……かな? ここら辺って結構人通り少ない気がするし」
  白昼堂々とよくやるもんだなぁ……。にしてもあの男の子、なんであんなとこから覗いているんだろう?  
  俺は気になって声をかけることにした。どのみち、事務所に入らないといけないし。
「君……こんなとこでなにしてるの?」
  後ろからそう話しかけると、少年はまるで耳のそばで大砲が撃たれたかのように驚く。
「うわぁ! えっ、えっと……! あの人たちの仲間ですか!?」
「いやそんなわけないでしょ……向こうに気づかれたら困るから大声ださないで」
  ごめんなさいと頭を下げる少年。臆病そうに見えるけど、歳の割には結構素直……いやいや、俺が言えたことじゃないな。
「僕……九十九 策って言います。あの絡まれてる女の人と一緒に、ここに来たんですけど……」
  ここにって、まさか虎姐の探偵事務所に……? いや待て、それよりさっきこの子、九十九 策って名乗ったか?
  たしか仁龍会の会長の名前が、九十九 達海だった気がする。それと同じ苗字ってことは──。
「もしかして君……九十九会長の息子さん?」
「えっ……!? な、なんで知ってるんですか!?」
  図星みたいだ……。会長に一人息子がいるとは聞いていたが、まさかこんなところで対面することになるなんて。
  俺はもう一度、ナンパの現場へと視線を移す。この子の連れというなら、あの女性の正体も見当がつく。
「お、おい真! あの女、こっちに来るぞ!」
  ラルちゃんが慌てて俺に警告する。ああ、来てるとも。スーツに身を包んだ女性が、ついさっきまで自分をナンパしていた男三人衆を、全員地面に叩き伏せてね。
  女は自分が制裁を加えた輩を気にも留めず、さも何事もなかったかのようにこちらの前に来て止まった。
「ずいぶん来るのが早いな、真」
「──久しぶりっすね……恋白さん」
   一条 恋白。女性でありながら仁龍会に所属し、雲雀探偵事務所の調査員でもある彼女は、歳が22と組織の中では一番若い人間らしい。俺とは、歳が近いということもあって、虎姐の事務所ではよく一緒に話をしていた。
  あれから1ヶ月近く会っていなかったが、彼女がラルちゃんと同じで武闘派な性格だったことを今思い出した。まぁ、一応ヤクザなわけだしそこまで衝撃は受けないが。
「恋白さん! だ、大丈夫でしたか!?」
  さっきの策という少年が、戻ってきた連れ人を必死に心配する。2人が横に並んださまは、さながら姉と弟のようだった。もちろん、実際に血は繋がっていない。
「ええ、心配しなくて大丈夫ですよ若。かすり傷ひとつありませんから」
「そ、それなら良かったです……!」
  恋白さんが策くんのことを“若”と呼ぶのは、彼が九十九会長の息子だからだ。
  2人は訳あって会長とは別の家に2人きりで住んでいるらしいのだが、彼ぐらいの歳の男の子が、血も繋がってない22歳の若い女性とひとつ屋根の下で暮らすというのは、少しいかがなものかと思ったりする。
 
  まぁ、そんなことは頭の片隅にでも置いておくとして……。
「それより恋白さん、今日はなんで事務所に? たしか日曜は休みでしたよね」
  雲雀探偵事務所は、客足こそ皆無に等しいが、その分依頼が舞い込んできたときの忙しさはかなりものだ。そんな職場でも、今日のこの日曜日はオフに設定されているはずなのだが。
「ふっ、その様子だと、虎姐からは何も聞かされてないみたいだな」
「……? なんの話です?」
「今日は、仁龍会の定例会だ。半年に1度のな。虎姐に用があるなら、お前たち2人も参加しろ」
  仁龍会の定例会……? それってまさかヤーさん大集合の……!? さ、参加してたまるかそんなもの!
「い、嫌ですよ! そんな会に出席するなんて! 第一、俺は別に仁龍会の人間じゃ……」
「別に私は強制しないさ。お前を引っ張ってまで連れてこいとは言われてないからな。──お隣のお嬢さんはどうだ?」
  そう言って、恋白さんは俺の隣にいるラルちゃんへと目を向ける。
  逃げ腰な俺と違って、横にいる彼女はかなり真剣な様子だ。こんなの、俺がパスしたとしても、彼女は1人で行くに決まってる。
「もちろん参加する。この貧弱者は放っておくとしよう」
「くっ……! わ、分かったよ!参加します!」
「──了解だ」
  恋白さんは口角を少し上げてそう言った。
 
  まったく、こんな展開予想もしなかった……。昨日、俺になにも言わずただ事務所に来いとだけ言ってきたあたり、あの所長……最初から俺を無理やり会に参加させる気だったな!?
  頭の中に、ゲラゲラと笑う虎姐の姿が浮かんで無性に腹が立った。 立ったのだが……今となってはもう従うしかない。
「会場、どこなんですか?」
「渋谷から少し離れた場所だ。距離があるから、事務所のバイクで行くぞ。2輪の免許はもっていたな?」
「ええまぁ。いつか女の子を後ろに乗せてみたいと思って、取っただけですけど……」
「なら今日、叶うじゃないか。彼女はお前が後ろに乗せてやれ」
  そう言って恋白さんは、策くんと一緒にビルの駐車場へと入っていった。
「バイク……馬と何が違うんだ?」
「えーと……何もかも違う……かな? まぁ、乗ればわかるよ」
  ラルちゃんを後ろに……か。たしかに願ったり叶ったりなシュチュエーションだ。 日が落ちていないのが少々ロマンに欠けるが、仕方ない。久々の運転だし、事故してラルちゃんに怪我させることだけは避けないと。
「俺たちも行こっか、ラルちゃん」
 
  
  
  
  
  
  
「真、昨日虎姐とやらが言っていたことを覚えているか?」
「んっ……? ああ、異世界から来たっていう虎姐の知り合いの話だよね。やっぱり気になってるの?」
「気になるもなにも、今のところそれしか手がかりがないんだ。だから、今日こそはあいつの知り合いとやらが誰なのかを教えてもらう。フォローは頼んだぞ?」
  彼女の期待の眼差しに、俺は力強く頷いた。でも実際、あの人がほんとに口を開いてくれるのかは不明だ……。
「にしてもラルちゃん、向こうの世界だと騎士だったのかぁ……。騎士ってやっぱりこう、剣とか持ってバシバシやり合ったりするの?」
  俺の稚拙な物言いに、ラルちゃんは少し怒ったように顔をふくらませた。
「ずいぶん品性のない例え方をするんだな、お前は。まぁ正直に話すと、私自身、実戦で剣を抜いた経験はほとんどない」
「えっ? でも、騎士団って魔物たちと戦ったりとかするんじゃないの?」
「もちろんそれはある。だが、私のいたブルタニアには、魔法を扱える“魔術師”という者が大勢いてな。魔物をどうにかするのは魔術師の役割で、剣技しか扱えない騎士たちは、民間のトラブルなどを取り締まる程度の仕事しか回ってこない。故に剣を抜く機会はほとんどなかったということだ」
「へ〜、それじゃあ騎士というより警察みたいだね」
  どうやら、向こうの世界じゃ剣より魔法の方が強いみたいだ。魔物というのがどれくらい強いのかは分からないが、ラルちゃんみたいな屈強な子が戦力外とされているなら、きっと絵に描いたようなバケモノに違いない。
「ねぇラルちゃん、昨日いってた魔王……ヘリオス? それって、どのくらい強かったの?」
「そうだな……。私一人ではとても太刀打ちできなかった──とでも言うしかないな。姿こそ人のそれだが、その力は人間の域をゆうに超えていた」
「そうなんだ……ってちょっと待った! なんで1人で戦ったの!?」
  予想外の新事実に思わずツッコみを入れてしまう。
「言ってなかったか? ヘリオスを倒すと決意した私に味方はいなかった。まぁ無理もない、いくら相手が魔王でも、表向きは一国の王子なんだからな。刃を向ければ私は反逆者とみなされ、故郷や騎士団にも迷惑をかけるだろう」
「じゃあ、迷惑をかけないために1人で……? 勝てる見込みはあったの?」
  ラルちゃんは苦笑しながら首を横に振った。
  彼女は勝てないと分かっていてなお戦うことを選んだというのか……。
「そ、そんなの無茶だよっ! 相手はハチャメチャに強い怪物なんでしょ!? もしラルちゃんが殺されたりしたら、それこそ騎士団の人たちに迷惑が__」
「騎士団ならもう抜けた! 私が王に逆らおうと殺されようと、もう何も問題はない──他人のお前が、知ったような口で私に説教するな!」
「__! べ、別に説教してるつもりじゃ……!」
「──はぁ……そうだな。少々熱くなりすぎたかもしれない……。もう私の話はやめにしよう、どのみち元の世界に帰る方法が見つかれば、お前との関係もそれまでなんだからな」
  なんというか、上手いこと言いくるめられてしまった。そんな言い方をされてはなにも言い返せない……。
「虎姐が待っているのだろう? 急いでやろう」
「うん……そうだね」
  あれから歩くこと20分、ようやく事務所が目前に迫ってきた。が、なにか様子が変だ。
「あれ、誰かいる……」
  事務所があるビルの入口に、中学生ぐらいと思わしき少年が、なにやら壁に隠れるようにして、向こうの様子を伺っていた。疑問に思って、少年と同じ方を見ると、なにやら路地の傍らで、1人の女性が男3人に囲まれていた。
「なんだあれは?」
  ラルちゃんは怪訝な表情で、目の前の現場を睨みつける。
「ナンパ……かな? ここら辺って結構人通り少ない気がするし」
  白昼堂々とよくやるもんだなぁ……。にしてもあの男の子、なんであんなとこから覗いているんだろう?  
  俺は気になって声をかけることにした。どのみち、事務所に入らないといけないし。
「君……こんなとこでなにしてるの?」
  後ろからそう話しかけると、少年はまるで耳のそばで大砲が撃たれたかのように驚く。
「うわぁ! えっ、えっと……! あの人たちの仲間ですか!?」
「いやそんなわけないでしょ……向こうに気づかれたら困るから大声ださないで」
  ごめんなさいと頭を下げる少年。臆病そうに見えるけど、歳の割には結構素直……いやいや、俺が言えたことじゃないな。
「僕……九十九 策って言います。あの絡まれてる女の人と一緒に、ここに来たんですけど……」
  ここにって、まさか虎姐の探偵事務所に……? いや待て、それよりさっきこの子、九十九 策って名乗ったか?
  たしか仁龍会の会長の名前が、九十九 達海だった気がする。それと同じ苗字ってことは──。
「もしかして君……九十九会長の息子さん?」
「えっ……!? な、なんで知ってるんですか!?」
  図星みたいだ……。会長に一人息子がいるとは聞いていたが、まさかこんなところで対面することになるなんて。
  俺はもう一度、ナンパの現場へと視線を移す。この子の連れというなら、あの女性の正体も見当がつく。
「お、おい真! あの女、こっちに来るぞ!」
  ラルちゃんが慌てて俺に警告する。ああ、来てるとも。スーツに身を包んだ女性が、ついさっきまで自分をナンパしていた男三人衆を、全員地面に叩き伏せてね。
  女は自分が制裁を加えた輩を気にも留めず、さも何事もなかったかのようにこちらの前に来て止まった。
「ずいぶん来るのが早いな、真」
「──久しぶりっすね……恋白さん」
   一条 恋白。女性でありながら仁龍会に所属し、雲雀探偵事務所の調査員でもある彼女は、歳が22と組織の中では一番若い人間らしい。俺とは、歳が近いということもあって、虎姐の事務所ではよく一緒に話をしていた。
  あれから1ヶ月近く会っていなかったが、彼女がラルちゃんと同じで武闘派な性格だったことを今思い出した。まぁ、一応ヤクザなわけだしそこまで衝撃は受けないが。
「恋白さん! だ、大丈夫でしたか!?」
  さっきの策という少年が、戻ってきた連れ人を必死に心配する。2人が横に並んださまは、さながら姉と弟のようだった。もちろん、実際に血は繋がっていない。
「ええ、心配しなくて大丈夫ですよ若。かすり傷ひとつありませんから」
「そ、それなら良かったです……!」
  恋白さんが策くんのことを“若”と呼ぶのは、彼が九十九会長の息子だからだ。
  2人は訳あって会長とは別の家に2人きりで住んでいるらしいのだが、彼ぐらいの歳の男の子が、血も繋がってない22歳の若い女性とひとつ屋根の下で暮らすというのは、少しいかがなものかと思ったりする。
 
  まぁ、そんなことは頭の片隅にでも置いておくとして……。
「それより恋白さん、今日はなんで事務所に? たしか日曜は休みでしたよね」
  雲雀探偵事務所は、客足こそ皆無に等しいが、その分依頼が舞い込んできたときの忙しさはかなりものだ。そんな職場でも、今日のこの日曜日はオフに設定されているはずなのだが。
「ふっ、その様子だと、虎姐からは何も聞かされてないみたいだな」
「……? なんの話です?」
「今日は、仁龍会の定例会だ。半年に1度のな。虎姐に用があるなら、お前たち2人も参加しろ」
  仁龍会の定例会……? それってまさかヤーさん大集合の……!? さ、参加してたまるかそんなもの!
「い、嫌ですよ! そんな会に出席するなんて! 第一、俺は別に仁龍会の人間じゃ……」
「別に私は強制しないさ。お前を引っ張ってまで連れてこいとは言われてないからな。──お隣のお嬢さんはどうだ?」
  そう言って、恋白さんは俺の隣にいるラルちゃんへと目を向ける。
  逃げ腰な俺と違って、横にいる彼女はかなり真剣な様子だ。こんなの、俺がパスしたとしても、彼女は1人で行くに決まってる。
「もちろん参加する。この貧弱者は放っておくとしよう」
「くっ……! わ、分かったよ!参加します!」
「──了解だ」
  恋白さんは口角を少し上げてそう言った。
 
  まったく、こんな展開予想もしなかった……。昨日、俺になにも言わずただ事務所に来いとだけ言ってきたあたり、あの所長……最初から俺を無理やり会に参加させる気だったな!?
  頭の中に、ゲラゲラと笑う虎姐の姿が浮かんで無性に腹が立った。 立ったのだが……今となってはもう従うしかない。
「会場、どこなんですか?」
「渋谷から少し離れた場所だ。距離があるから、事務所のバイクで行くぞ。2輪の免許はもっていたな?」
「ええまぁ。いつか女の子を後ろに乗せてみたいと思って、取っただけですけど……」
「なら今日、叶うじゃないか。彼女はお前が後ろに乗せてやれ」
  そう言って恋白さんは、策くんと一緒にビルの駐車場へと入っていった。
「バイク……馬と何が違うんだ?」
「えーと……何もかも違う……かな? まぁ、乗ればわかるよ」
  ラルちゃんを後ろに……か。たしかに願ったり叶ったりなシュチュエーションだ。 日が落ちていないのが少々ロマンに欠けるが、仕方ない。久々の運転だし、事故してラルちゃんに怪我させることだけは避けないと。
「俺たちも行こっか、ラルちゃん」
 
  
  
  
  
  
  
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