ひざまずけ、礼
第2章6話 アレの裏話
明くる日の放課後。とか言っとけばまぁまぁ時間経ったように錯覚するけど、実際は八尺様事件の次の日だったりする放課後。ナーテアさんは、今日もせっせとモノづくりに勤しんでいた。
ナーテアさんが作ってくれるものは、僕が作ったワケワカメな奴らと比べるのがお門違いと思うほどに、どれも高性能なものばかりだ。いやまぁ、戦いを司る神様と比べるのはお門違いどころかバチあたりな訳だけども。
それはさておき、猿も木から落ちることがあるわけで、ナーテアさんだって全てが全て完璧なものというわけではない。前言った通り、奇抜すぎるアイデアもそうだけど、なんというか"無駄に"高性能と言わざるを得ないものが多いのだ。
例えば、昨日活躍した催涙弾。あれも数種類の試作を重ねた上で完成した代物だ。
最初は・・・
アス「できました、パチンコの新しい玉です、はい。」
比影「え、新しい玉!?どんなやつ!?」
アス「これです。こいつは優れものですよ。」
比影「へぇ、これが・・・見た目は普通だけど、どんな効果があるんだい?」
アス「相手を亀甲縛りにします」
比影「何故!?縛るなら普通に縛ろうよ!」
アス「ダメです、亀甲縛りに意味があるんです、はい。試しに私に打ってみてください、凄さが分かりますよ。」
比影「嫌だよ!さては打たせたいだけだな!?」
アス「・・・ちっ」
比影「舌打ちしたぁ!?」
・・・とまぁ、こんな感じで。その他にも、媚薬弾だのローション弾だの・・・何々だろうね、怖いよ。
しかも変態路線で来るかと思いきや唐突に、触れた瞬間溶解液が飛び出して敵を溶かし、ついでに大爆発を起こして相手を木っ端微塵にする破滅弾とかいう化け物を生み出してみたり・・・。急ハンドルすぎるよ突っ込めないよ。
で、色々と試作を繰り返して、あの催涙弾ができたってわけ。無難が1番ってこったな、ナーテアさんは若干不満そうだったけど。
・・・ただ今思えば、陣地を超えたヤツらがあそこまでもがき苦しむ催涙弾って、なんなんだ?・・・よし、考えるのやーめた!
・・・そんでもって、今日もまた新しい玉のプレゼンを聞いているわけですが。
比影「・・・ごめん、多分聞き間違えだと思うから、もう1回言ってもらっていいかな、さっきの説明。」
アス「はい。これは最新作で、誰もが憧れる玉です。」
比影「うんうん、それで?」
アス「使う時は、自分の部屋に篭って使うといいでしょう。放った瞬間、目の前には幸せが待っています。」
比影「ほうほう、で?この玉の名前と効果は?」
アス「・・・エ○本玉、着弾点に数冊のエ○本が出てきます。」
比影「そぉい!」
アス「あぁ捨てないで!持ち運べるエ○本という男子全員が待ち望んだ夢ですよ!捗ること間違いなしですよ!はい!!」キラッキラ
比影「夢じゃねぇよ!いるかこんなもん!」
アス「あぁやめて!慈悲を、慈悲をぉぉ!」
・・・僕はどうしても、この涙目で床に頭擦りつけている人を神様だとは思えないのです。
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