ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章 85話 紅き街の存在理由




不審者「ふへへへへへ、乗ってくれる気になったんだね?」

比影「みんなの為に、な。」

不審者「そうかい、そうかい。じゃあどんな質問かな?君の体を賭けるんだ、きちんと答えてあげるよ。」

・・・もう、後には引けない。こうなったら、聞けるだけ聞いてやる。

比影「聞きたい質問は3つある。1つごとに5秒で、15秒触っていい、というのはどうだ?」

不審者「ふへへへ、いいよぉ?さぁ、どんな質問だい?」

覚悟を決めた僕は、質問を始めた。

比影「まず1つ目。お前は何者だ。今まで戦ってきたやつは、大体The・化け物というやつが多かったが、あんたは見たところ人間に近い。」

不審者「それが1つ目?まぁいいけどね。ワイは元人間さ。」

比影「"元"人間・・・」

不審者「そう、人間を辞めたものさ。人間だった時は、よくいう引きこもりニートだったんだけどね・・・ネット上である男の子を見つけてさぁ。それがまた可愛かったんだぁ・・・」

比影「・・・それで。」

不審者「住所特定して、勇気をだして告白してみたのさ。そしたら、なんて返ってきたと思う?」

比影「・・・さぁ?」

不審者「キモイ、クサイ、近づくな。そう言われたのさ。それで絶望して自○、だけど何故かあの世に行かず、こうして可愛い男の子を漁っているのさ。さぁ、これで1つ目には答えたよ。」

・・・なんというかまぁ、当然だろうなぁと思った。気を取り直して、次の質問に。

比影「じゃあ次だ。さっきからあんた、紅き街を利用して、擬似的な瞬間移動のような芸当をしていると言っていたが・・・僕が逃げてる間に、紅き街に入ることは無かった。どうやってるんだ?」

不審者「それはねぇ、入る瞬間と出る瞬間にだけ、極小範囲の紅き街を出現させてるのさ。入った瞬間に紅き街を消して、出る時にまた出現させる。そういうやり方さぁ。」

比影「なるほど・・・紅き街ってそんな使い方も出来るものなのか。」

不審者「うーん、どうだろ?他に聞いたことないし、僕の特殊能力ってやつじゃない?ふへへへ、アニメみたいだねぇ?さて、これで2つ目だ。」

むぅ・・・厄介な特殊能力だ。

比影「・・・じゃあ、最後の質問だ。」

不審者「ふへへへ、いいよぉ?」

比影「あんたら、紅き街からの化け物は・・・いったい何を企んでる。組織的な思惑があるのか?」

不審者「あー・・・それ聞いちゃうかぁ。まぁ気になるよねぇ。」

比影「さぁ、答えてくれ。」

不審者「もう、しょうがないな。本当は言っちゃいけないことになってるんだけど・・・君のために、教えてあげるよ。特別だよ?」

比影「へぇ、それは嬉しいな。」

不審者「ワイも新入りだからあれだけど・・・紅き街の化け物達は、組織的に動いてるよ。目的は、2つ。」

比影「・・・2つ?ひとつは、現世と紅き街を反転させる事だろうけど、もうひとつは?」

不審者「それはねぇ・・・」

ヤツは、これからのお楽しみがあるせいか、嬉々としていった。

不審者「姫君のお婿さんを探すこと。」



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