ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章76話 追い込みし先のアレ




小人「ケケケッ、この辺りでよかろう。」

比影「はぁ、はぁっ・・・お、教えろ。お前、何が目的だ!」

小人「まさか着いてくるとはなぁ・・・その体力は褒めてやろう。」

僕と小人は、商店街から離れて近くの河川敷まできた。僕は情報を聞き出すべく、小人に詰め寄った。

小人「着いてこれた褒美に教えてやろう。ワイはなぁ、ただ見たいだけなんだよ。」

比影「見たい・・・だと?一体何を・・・」

小人「人間が驚く様、そして恐怖する様よ。ワイがいたずらのようなことをしてるのは、そのためさ。」

比影「な・・・」

僕は目を見開く。こいつは、イタズラを楽しんでいるのだ。

小人「やろうと思えば、〇すことなど造作もない。だから、少しずつ度合いを増していくことで、人間に恐怖を植え付けてやるのよ!」

比影「なんてことを・・・」

小人「今はまだ初期も初期。これからなんだ、やめてたまるか。」

比影「そうはさせない!絶対にやめてもらう!」

小人「1人の小僧に何が出来る。何も出来まい?人間であるなら、尚更な。」

比影「・・・なんだと?どういう意味だ。」

小人はケケケッと笑い、言った。・・・だがその声は、正面のこの男からではなく・・・

??「こういう意味だよ」

比影「っ!?」バッ

小人「ケケケ・・・」

比影「なぁ・・・っ!?」

なんと、後ろから聞こえたのだ。振り返ると、後ろに小人がいる。しかし、正面にもいる。・・・これは、まさか!

比影「同じ時間に複数の場所、って・・・そういうことだったのか。分裂だと、ふざけやがって!」

小人「負け惜しみか?それもよかろう。」

小人2「光栄に思え、ワイ直々に〇して貰えるのだぞ。」

比影「負けてねぇのに負け惜しみたぁ、随分と舐められたあだね。勝ちは確実ってか?」

小人「そうだ。ワイの勝ちは揺るがん。小僧は2人に分裂するのは無理だろう?」

小人2「ふん!」ゴッ

比影「かはっ・・・!」

小人「1人が気を引き、1人が戦う。こんなことだって出来るのだ。」

その言葉を聞いて、ハッとした。それなら、その方法なら・・・いつも僕と佐和さんがやってる事じゃないか!
 
比影「ふふふ、はははは・・・」

小人「・・・なにがおかしい?」

比影「あぁ、確かに今は無理だな。・・・今は、な。」

小人「何・・・?」

比影「僕がいつ、1人で調査してると言った?僕には仲間がいる。分裂したところで、孤独なお前と違ってな。」

小人2「い、言わせておけばっ!」ドコッ

比影「がっ・・・いいぜ、殴れよ。その分、お前らには苦しんでもらうがな。」

小人「ちっ・・・おい戻れ!」

小人2「くそっ・・・」スッ

2人目が引っ込んだ。よし、これなら勝ち目がある!

小人「ケケケッ、こうなりゃ奥の手だ。」

比影「お、奥の手だと・・・」

小人「お前が仲間を呼ぶ前に・・・ここは逃げるが勝ちってなぁ!」ダッ

比影「あっ!くそ、待てっ・・・!」

力を振り絞って追いかけるが、先ほどのダメージもあった上手く走れない。しかもそれだけではなく・・・彼は、小人は、あることをやってのけた。

小人「じゃあな、小僧!」スッ

比影「な・・・き、消えた!?」

そう、突如姿を消したのだ。ある場所に差し掛かった途端、一瞬で。・・・ん?待てよ。

この状況、僕は知ってる。まるで、これは・・・

その時、スマホが鳴り出した。着信画面には、イザレアの文字が。まさか・・・

レア「おう、自分ら。紅き街が出現したで。場所は・・・なんや比影、紅き街の目の前におるやんけ。」

比影「なっ・・・!」

佐和「な、なんですって!?比影くん、今の場所教えて!」

僕は電話越しで、佐和さんに場所を教えた。いや、それよりも・・・嘘だろう?今回の案件も・・・

結局紅き街これ絡みかよぉぉぉ!


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