ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章73話 初めて(?)の二手作業




次の日の放課後。

予定通り僕達は、小人が目撃された2箇所について調べることにした。今はその前準備で、秘密基地にいる。

2人とも、バインダーとノート、それから袋を装備し、準備万端である。

比影「さて、じゃあさっき決めた通り、僕が商店街、佐和さんがテニスコート裏を調査ね。」

佐和「えぇ。気になる点とか、何か痕跡があれば、写真撮るなり持ってくるなりして、またここで報告。小人を見かけたとか、緊急を要することがあれば、電話ね。」

比影「うん。とりあえず、1時間半後にまた秘密基地集合で。」

佐和「了解!じゃあまたねー!」

僕たちはそれぞれ、調査を始めた。



肉屋「膝丈くらいの小さいおっさん?いやぁ、見たことねぇけど。そんなのいんのか?」

比影「やっぱりそうですよねぇ。いやぁ、都市伝説を調べてるんですよ。」

肉屋「都市伝説かぁ、俺も若い頃は本とかでよく見てたなぁ。・・・でもなんでそんなの調べてんだ?」

比影「まぁ、色々ありまして・・・そうだ、少しお店の裏とか見せて頂いても?」

肉屋「構わねぇけど、ネズミとかヘビとかいるから、気をつけろよ!」

比影「ま、マジすか・・・気をつけます!」

商店街にて。とりあえず、目撃証言があった通りに肉屋にきた。おっちゃんは知らなかったため、実際に路地裏を見てみることに。

先生がなぜ路地裏でみたのか・・・まぁ、別に中まで入っていったんじゃなくて、たまたま通り過ぎようとしたときに、黒い影が通ったらしいけど。

もしかしたら、路地裏を根城にしているのかもしれない、と。そう思ったのだ。

・・・が

比影「・・・雰囲気はあるけど・・・言ってた通りネズミとかヘビとかマジでいるし、匂いも結構するからなぁ・・・少なくとも今は居なさそうだ。」

どうやら空振りしたらしい。とりあえずノートには書いておく。ひとまず、ここは出よう。あとは魚屋と古本屋だけど・・・どうだろうか。

まぁ、考えていても仕方ない。出来るだけの調査をしよう。僕はそう思い、肉屋を後にした。



テニスコート裏。

佐和「うーん・・・この辺よね、言ってたのって。木々も多いし、確かに隠れてそうな雰囲気はあるね。」

私は思ったことをノートに書き込む。何が証拠になるか分からないからね、逐次書いておかないと。

佐和「ロープみたいなもので引っ張られた、ってことらしいけど・・・どうやったのかしら。まさかカウボーイみたいに・・・?」

さすがに違うだろうけど、それはそれでちょっといいかもしれないなぁ。ロマンあるっしょ?

そんなことを思っていると、足元に何か光るものがあった。拾ってみるとそれは・・・

佐和「これは・・・フック?そうか、フックで足に括りつけたのね。紐もついているし・・・確かに証拠になりそう。」

私はすかさず写真を撮り、袋に入れて、証拠品が出てこないようにした。無くしてしまっては、取り返しのつかないからね。

これで2つ、彼の証言が嘘でないことと、小人には考える力があるということがわかった。


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