ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章45話 事の真相は




比影「さ、佐和さん?これは一体何?というか、何でも部って・・・」

佐和「あー・・・うーんとえっと、それはその・・・ね?」

佐和さんはしどろもどろになり、目が泳ぎまくっていた。手元は落ち着かない様子で不規則に動き、横を向いたり下を向いたりと、とにかく僕に目を合わせようとしなかった。

比影「いやまぁ、まず間違いなくここのことなんだろうけどさ。それにしても、なんか一言あっても良くないかな?僕たちの仲なんだしさ。」

佐和「う・・・はい、ごめんなさい。」

比影「・・・本当のこと、包み隠さず教えてくれるね?」

佐和さんは観念したように話し始めた。ここの部屋を使わせて貰う際に、校長から条件を付けられたようで、それが「部活動で使用する部屋にすること」とのことだったらしい。

こういった場合、普通はどこかの部の予備倉庫とか、そういった使用方法になるものだが、佐和さんは「それなら部活を作ってしまおう」という考えに至ったようだ。

佐和「どうしてもここが使いたかったから、私たちの行動を部活動として登録して、使わせてもらおうって思ったのよ。」

比影「ふむふむ」

佐和「ただ、そうなると問題になってくるのが、部の活動理念・・・ようは、部活動をする上でどういったことをするのか、決めなきゃ行けなかったの。」

比影「それで、何でも部ってことにしたんだね。紅き街対策とかにすると、僕らの行動がバレるし、紅き街のことで混乱する人が出てくる可能性が高いから。」

佐和「そういうこと。困ったことや怪奇現象を調査して、学生の不安を取り除く部活。そういう名目にしてね。だから、割とすぐ依頼が来るかな~なんて思ってたんだけど・・・」

佐和さんが、ポストの中身が空であることを気にしていたわけが、ようやくわかった。そんなことがあったとはね。

比影「とりあえず、ポスターは増やそっか。もう作ってあるってことは、もともと増やそうとしてたんでしょ?」

佐和「これはただの作りすぎミス。レア様が調子に乗って大量に印刷し始めたから、慌てて止めたんだけど・・・まぁ、丁度いいし、使わせてもらいましょうか。」

比影「レア様ェ・・・」

そんなこんなで、僕達は15分以上の時間を費やし、ポスターの増設を行った。体育館入口や購買前、図書館の前など、数箇所に新たに貼り付けた。

そして、部屋に戻ってみると・・・

佐和「あっ!1枚来てる!」

佐和さんがポストの中に1枚、紙が入っていることに気がついた。佐和さんも僕も、どんな内容だろうと思い、ドキドキしながら開けた。

・・・のだが。紙には、こう書かれていた。

「部活ファイト!愛しの女神イザレアより」

2人「・・・」

佐和「・・・・・・が」

比影「え?」

佐和「あんのク○バ○アがぁぁぁ!!」

比影「佐和さん落ちつけぇ!」

絶妙にイラッとすることをやってのける、レア様なのであった。僕もちっとばかしキレちまったよ・・・。


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