ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章44話 隠し事の正体は




比影「佐和さん、なにか僕に隠してる事ないかい?」

佐和「へっ?いやぁ、ないけど・・・?」

カマかけその1、単刀直入に聞くは失敗か。ならば、その2だ。

比影「そっか、それならいいんだけどさ。ところで、このポストに紅き街の情報を入れてもらうって言ってたけど、どうするつもりなの?」

佐和「どうするつもりって・・・?普通に入れてもらうだけだけど?」

比影「この世界に蔓延はびこる紅き街の情報を集めてます、って広めて?それは無理でしょ?だって、その事を知ってるのは、人間では僕達だけだもの。・・・まさか、紅き街の情報を、学校の人に漏らしたりしてないよね?」

佐和「それはないよ、さすがに皆を危険に晒すようなマネはしないって。」

比影「だろうね、学級委員長だもんね。じゃあ、どうやって情報を集めてるの?」

そこまで言うと、佐和さんは目を逸らし、苦虫を噛んだような顔をしていた。やっぱり怪しい。

それから数分、佐和さんは何かを考えるような仕草をして、ため息をつき言った。

佐和「はぁ・・・黙ってたけど、ポスター作ったのよ。ポストの場所と回収時間を掲載したやつ。」

比影「へぇ、そうなんだ。僕気が付かなかったよ。」

佐和「中庭と職員室前の掲示板の2箇所に貼ってるから、そこまで行かないと分からないかもね。でも、もう少し増やした方がいいのかもしれないわね。ま、それはそれとして、まずは─」

佐和さんはそう言って、話を終わらせた。・・・というより、無理やり切り上げたような感じだった。納得はしたが、やはり少し引っかかる・・・けどまぁ、いっか。別に気にするほどの事でもないし。

そう思ったのだが、よく考えたらポスターを数箇所に貼るのは中々至難だろう。ここは今やってしまって、早めに終わらせてしまうのが得策だろう。

比影「まずは、ポスター増やさなきゃだね。」

佐和「中できゅう、け・・・?え、今からもうポスターやるの?」

比影「行動は早い方がいいでしょ?」

佐和「そ、それはそうだけど・・・だ、大丈夫だって、私ひとりでやっとくから!」

比影「学校だって中々の広さだし、1人じゃ大変でしょ。手伝うってそれくらい。」

佐和「ほ、ほんと大丈夫!私が勝手に始めたことなのに、比影くんの手を煩わせる訳には・・・!」

そういう佐和さんは、すごく焦っている様子だった。僕にポスターを見せたくないような、そんな感じがした。

ふと目線を動かすと、数枚のカラー紙が束になって、クリップ止めされていた。

比影「これは?」サッペラッ

佐和「へ?あ、それはダメー!」

佐和さんが止めようとしたが、僕の方が1歩早く、止める前に内容を確認できた。

そして、そのポスターには。

「何でも部、活動中!困ったことや変な噂、超常現象など、何でも調べて解決します!」

・・・と、デカデカと書かれていた。

・・・なんじゃこりゃぁぁぁ!!?!?


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