ひざまずけ、礼
第1章41話 不穏な空気で盛大にミスる
比影「レア様、知恵をお貸しください。」
佐和「レア様、お願いします!」
僕達は、懇願するようにレア様を見つめた。彼女は、ふぅと溜め息をついてこう言った。
レア「知らん!分からん!」
2人「・・・・・・へ?」
突拍子もなく、笑ってそう言った。
レア「いやあのな、だから知らんて。」
比影「な、なんで知らないんですか!?」
レア「なんで知ってなきゃあかんの?そもそも、知ってたらこっちで最初から試してるがな。」
佐和「それはそうかもしれないですけど・・・!そうだ、せめてヤツらの出現場所の共通点とか、そういうのは・・・!」
レア「さぁ?」
比影「さぁ?って・・・」
レア「知らんもんは知らん。共通点なんかないで。やつらは勝手に現れて、こっちの世界を侵略してるだけや。あとのことは知らん。」
そう説明するレア様は、いつもよりも細い目で、冷たい表情をしていた。
佐和「れ、レア様・・・」
レア「考えてもみてや、もし最初からしっててたしり?なんでそれを知ってて、最初から伝えてないんや?」
比影「それは・・・」
レア「それこそ、信用問題に関わることやろ?だから、もし知ってたら、ちゃーんと伝えてるわ。」
比影「そう、ですか・・・」
佐和「レア様なら、何か知ってるんじゃないかと思ったんですが・・・」
僕もその意見には同調の意を示した。レア様はどこか掴みきれないところがあるため、実は倒し方とか知っているのでは、と思ったのだ。こう言っちゃなんだけど、なんとなく嘘ついてそうだからね。
そんなことを思いながら、僕と佐和さんはため息をつく。・・・と、その時。
あきらかに不穏な空気感を感じ取った。これは、あきらかに普通じゃない。怒りによるものだった。
それが発せられているのは、佐和さんでももちろん僕でもなく・・・僕の目の前に座っている人、ではなく神様だった。
レア「・・・なんやお前ら、私が嘘ついてると思っとったんか?」
比影「え?あ、いや・・・」
レア「へぇ、そうか・・・私が信用ならへんのか・・・」
佐和「そんなことは・・・」
レア「そんなしょうもない嘘つくなや。私が心読めるの知っとるやろ。どっちが嘘つきなんや、えぇ?」
比影「レ、レア様?大丈夫ですか?」
レア「おんどれ、死んだところを助けてやった恩を、忘れたんか?」
比影「わ、忘れてないです!レア様があっての僕達ですから!」
佐和「そうですよ!どうしちゃったんですかレア様!?なんか変ですよ!」
レア「・・・」
レア様はあきらかに、いつもの様子と違っていた。雰囲気からして、別人のようだった。
これはまずい、非常にまずい。というか気まずい。何とかしなければ・・・考えろ僕、何か策はないのか?
・・・もうこれしかない!
比影「そ、そんな怒った顔しないでくださいよ。綺麗なお顔が台無しですよ?」
レア「・・・へ?」
佐和「・・・あ?」
比影は 選択肢を大幅に間違えた !
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