ひざまずけ、礼

ko-suke

第1章19話 ゴリラ(学名:ゴリラゴリラ)(2)




数コール後、佐賀美くんがだるそうな声ででる。

佐賀美「・・・あい。なんだよ急に掛けてきやがって。こっちだって忙s」

比影「佐賀美くん、ゴリラの弱点教えて!」

佐賀美「・・・・・・はぁ!?」

そういう佐賀美くんの声は、驚きと落胆が混じったような声色だった。

佐賀美「何かと思えばよ・・・ゴリラの弱点だぁ!?んなもん知るわけねぇだろうが!」

比影「でも前に、コングは倒せるとかなんとか言ってたでしょ?ゴリラもコングも似たようなものだし、知ってるなら倒し方教えてよ!」

佐賀美「いやあれはゲームのh」

比影「お願いだよ佐賀美くん!!今度パシリでもなんでも行くから!!」

佐賀美「だぁぁぁぁうっせぇ!あれはゲームの中の話なんだよ!!リアルファイトで勝てっかっての!そもそもゴリラとリアルファイトってどういう事だよ!理解が追いつかねぇよ!!」

比影「そ、そんなぁ・・・」

僕が項垂れていると、突然僕のスマホを誰かに取られた。・・・まぁ、僕の周りには1人しか居ないのですがね。

佐和「ごちゃごちゃうるさいのよ!ゲームでもなんでもいいから、さっさと教えなさいよ!こんな時くらいしか役に立たないんだから!」

佐賀美「うぉっ!この声委員長か!?なんで委員長サマが比影の近くにいんだよ!?」

佐和「つべこべ言わない!さっさと教えなさい!」

佐賀美「てめぇもかようるせえっての!・・・あぁもうわかったよ、教えてやるよ!」

佐和「言ったわね?ならちゃんと教えなさいよ!・・・ほら、比影くん」

比影「え、あ、うん。・・・じゃあ、教えて貰ってもいいかな。」

佐賀美「あぁ・・・1回しか言わねぇぞ、ちゃんとメモしろよ。あとあくまでゲーム内の攻略法だからな?」

比影「わかってるわかってる。じゃあお願い。」

佐賀美「その言い方は分かってねぇやつだな・・・まぁいいや、攻略法は─」

かくして僕達は、無事に攻略法を聞き出すことに成功した。

佐賀美「─てな感じだ。これでいいか?」

比影「うん、ありがとう。参考になったよ。」

佐賀美「・・・なぁ、1個聞いていいか?」

比影「うん?何?」

ここで佐賀美くんは小声になり、こう言った。

佐賀美「・・・お前と委員長って、付き合ってんの?」

比影「・・・・・・・・・へっ!?」ボンッ

一瞬にして顔が熱くなった。

比影「ち、違うよっ!!そういう関係じゃないよ!!」

佐賀美「・・・はっはーん?じゃあなんで一緒にいんだよ?まさかただの友達って訳じゃねぇだろ?」

比影「それにはふっっっかーい訳があるの!とにかくありがと!じゃあn」

佐賀美「おいおい切ろうとしてんじゃねぇよ。散々振り回されたんだ、こっちにも振り回す権利くらいあるよなぁ?」

比影「さ、佐賀美くんはいつも僕をいじってくるじゃん!これでおあいこだよッ!」

佐賀美「それはそれ、これはこれだ。これは新しい発見だなぁ。・・・けど、見る目ねぇなお前。あんな頑固もん相手にしてて楽しいのか?」

比影「そ、その言い方はどうかと思うよ?」

佐賀美「へぇへぇ分かりましたよ。まぁなんだ、適当に頑張れ。」

比影「う、うん・・・ありがと。じゃあ・・・」

弱点を聞けたのはよかったが、同時に大事なものを失った気分になった。


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