ひざまずけ、礼
第1章18話 ゴリラ(学名:ゴリラゴリラ)
佐和「今日こそは対策と撃退方法を立てるよ!」
比影「うん、今回のは暴れ馬・・・もとい暴れゴリラだったし、早めに何とかしないとね。」
偵察を行った次の日の放課後。昨日対策を建てられなかったため、僕達は僕の家に集まった。
女の子を家に上がらせるのもこれで何度目だろうか・・・さすがにもう慣れましたわ。
佐和「じゃあまず、今回の化け物の特徴を教えて貰ってもいい?」
比影「うん。さっきも言ったけど、今回はゴリラのような化け物だった。普通のゴリラより、凶暴性が増してる感じだったね。あと色がキメェ。」
佐和「ふんふん・・・常に危険フェーズ状態で、色がおかしいゴリラと。そのゴリラ、ネクタイはしてた?」
質問の意味よくわからなかった。何故にネクタイ?
比影「ね、ネクタイ?いや、してなかったけど・・・」
佐和「うーん・・・そっかぁ。」
比影「あ、どうせなら写真と映像見る?カメラから携帯に移しておいたんだけど。」
佐和「マジ?見る見る。」
2人で映像を確認したあと、僕達は作戦会議へと移った。
佐和「確かに色がキメェゴリラだわ。うーん、あれなら転ばせてからの方が確実ね。」
比影「だろうね。ただ、普通のゴリラと同じなら、足腰は相当強いだろうね。」
佐和「そうよねー・・・なんか良い手はないものかしら。」
比影「それこそ普通のゴリラと同じなら、バナナとかで釣れるかもよ?」
佐和「そうかしら・・・ゴリラって結構頭いい感じがするし、そもそもゴリラは本来、バナナを食べないらしいのよ。なんでも、ゴリラの生息域とバナナの植生域が合わないんだとか。」
比影「・・・さすが優等生、頼りになるね。」
佐和「それほどでも・・・あるかな?なんて。ただ、もし仮にバナナで誘えたとしても、前みたいに足に引っ掛けるとかは難しいかもね。それに、罠を作ろうにもお金がかかるし・・・。」
比影「だよねぇ。・・・あ、そういえば」
僕はふと、ある日のことを思い出した。それは、まだ僕達が紅き街に巻き込まれる前のことだったかな。
比影「前に、佐賀美くんと箕浦くんが、コングがどうとか言ってたような気が・・・コングってゴリラと似てるやつだよね?よく分からないけど。2人ならなんか知ってるんじゃない?」
佐和「ほんと?アイツらに分かるような気はしないけど・・・一応聞いて見ましょうか。アイツらの番号わかる?」
比影「わかるよ、前に無理やり連絡先交換されたから・・・というか、佐和さんってアイツらにやけに辛辣じゃない?僕も苦手だけどさ。」
佐和「・・・だって比影くんを・・・」ボソッ
比影「え?」
佐和「もう!いいからかける!」
比影「は、はい!」
僕は言われるがままに、佐賀美くんの携帯に電話をかけるのだった。
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