ひざまずけ、礼
第1章13話 実録!彼が見た謎を追え!
佐賀美「頼むよ箕浦ぁ!信じてくれよ!」
箕浦「そう言われても、そんな非現実な事起きるとは思えねぇし・・・ただの幻覚じゃねぇのか?」
佐賀美「幻覚じゃねぇよ!ちゃんと見たんだって!」
学校へ着き、教室の扉を開けようとしたところ、そんな声が聞こえてきた。珍しく佐賀美くんが声を張り上げていた。
扉を開けると、佐賀美くんが立ち上がって、箕浦くんの両肩を掴んでいた。箕浦くんは迷惑そうに頬杖をついて、佐賀美くんの方を見ていた。
佐和「そこ!朝から騒がない!!」
比影「・・・わざと言ってる?」
佐和「え、なに?」
比影「いやなんでも・・・」
どう考えても「お前が言うな」状態なのだが、どうやらボケでもなんでもなく、ただ注意しただけのようだ。
当の佐賀美くんはというと、その瞬間に佐和さんを睨んだ。・・・けど、いつもより覇気がないような気がした。
佐賀美「お前に言われたくねぇんだよ委員長さんよぉ!こちとら今取り込み中なんだよ!」
佐和「なにが取り込み中よ!話すだけなら声張り上げなくても出来るでしょ!」
佐賀美「・・・ちっ、わぁったよ。」
佐和「あら、今日は素直なのね。いつもそれならいいんだけどねぇ?」
佐賀美「・・・はやくどっか行け」
佐和「どっか行けってなによ!ここ私のクラスよ!」
比影「どーどー、佐和さん落ち着いて!」
もはやどっちが突っかかってるのかわからなくなってきたところで、佐和さんを止めた。けんかはよくないね。
佐和「あぁ言えばこう言う・・・ほんといけ好かないわね。何も言わなければ、こっちだって・・・」
比影「まぁまぁ・・・仕方ないってことにしておきなよ。あんまり考えるとお腹空くよ?」
佐和「あなたもあなたで・・・いや、そうね。それくらいでちょうどいいのかも。」
佐和さんはため息をつきながら、そう言った。
また朝から一悶着あったが、ある意味これ
も様式美とも言えるのだろう。お約束と言ってもいいかもしれない。
こうして今日も僕たち、平和な日を送─
箕浦「佐賀美、大丈夫か?お前、なんかいつもと違くね?なんていうか、元気がないというかよ。」
佐賀美「そりゃあ・・・あんなもん見せられたら、こうもなるさ。非現実的な、赤黒い景色の─」
比影「佐賀美くん!!それちょっと詳しく聞かせてもらってもいいかな!?」ガタッ
佐賀美「うおっ!?お前もかようるせぇなぁ!」
箕浦「比影・・・そんな大きな声出せたのか・・・」
2悶着目開始!僕は佐和さんも呼びつけ、佐賀美くんに詳しく問いただすのだった。
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