ひざまずけ、礼
第1章7話 彼女からのコールはおおよそ
ショッピングモールで別れてから、数十分後。
えぇと・・・あんな感じにフラグ立てたはいいものの、結局何事もなくものを揃えることに成功した。
佐和さんが不良にナンパされているところを颯爽と助けるとか、エスカレーターで転びそうになったところを支えるとか、そういうあるかなぁと思ってたけど・・・まぁ、平和なのはいいことですよね。
・・・それにまぁ、前者なら逆に、真っ当な生徒に説得しちゃいそうな気もするけど。
佐和「これで万事OKよ!比影くんも準備できてる?」
比影「ばっちし。あとは、レア様からの連絡待ちだけど・・・およ?」
噂をすればなんとやら、偶然にもその瞬間に、レア様からの電話が来た。そうはならんやろと思ったけど、なってしまっているから仕方がない。
僕と佐和さんは苦笑いして電話を出た。
レア「しもしもー?」
佐和「古い!いや、一周まわって新しいのか・・・?」
レア「え、これ古いん?嘘やろ、これあたしの中の最新トレンドやで?」
比影「30年くらい前のトレンドですよ・・・」
レア「まじかぁ・・・なんか負けた気分やな。まぁえぇわ、紅き街が出たで。」
やっぱり紅き街の出現情報だった。レア様のトレンドは一旦(できることならそのまま触れずに一生)置いておくとして、僕達は購入したものを抱え、現場へと急いだ。
5分ほど走ったところで、報告があった場所の近くへとたどり着いた。たまたまではあるけど、出現したのがショッピングモールの近くで助かった。
・・・いや、もはやたまたまの範囲内なのか?ここまでくると本当に怖いんだけど。紅き街を出現させてるやつに、居場所バレてたりしないだろうね。
佐和「さて・・・と。早速こいつの出番になるとはね。買っといてよかったね。」
比影「うん。上手くいくといいけど・・・」
佐和「いいけどじゃなくて、上手くいかせるのよ。失敗がどうとかより、今はただ、目の前のことを遂行するだけ。成功すればもうけ、失敗すれば新しい作戦を考える。それでいいじゃない。」
比影「佐和さん・・・」
佐和「それに、今回のは相手次第だからね。運が7~8割絡んでくるんだし、まぁ気楽に行きましょ。」
佐和さんにとってはフラッと言っただけかもしれないけど、僕は佐和さんの言葉に助けられた。名言って、こんな風にふとした時に出るからこそなんだろうな、と深々と思った。
比影「・・・そう、だね。よし、行こう。」
佐和「お、やる気になったね?そう来なくっちゃ!絶対勝つぞー!」
僕達はお互いに頷き、紅き街へと入っていった。
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