令嬢は悪役令嬢転生ハーレムハッピーライフを送りたい‼︎
1話、
カーティ・エリザベス。彼女が目の前に現れたとき、ただ物語の"主人公"に憧れる。それだけだった私の人生が75度回転し、捩れ曲がってしまった事は覆り様もない事実であった。
<始まりの朝>
目を開けると光輝く麦のような睫毛が灯火越しのレースのように優しく光を伝え、艶やかな縦髪ロールがふわっと侍女の解いたリボンから流れ落ちる。
部屋付きの侍女たちが菫色のリボンラインの入った白いAラインドレスに白いタイツ、低めのポインテッドドゥを用意する。
それを身に纏うのが私の朝、
"悪役令嬢"コーデェリアの新しい朝である。
縦に巻かれた黄金色の艶髪は歩くたび広がり、誰もが振り向く。
中等部の白い制服は可憐で気高い少女達の誇りであり、中等部の全生徒が揃うとそれは美しい雪景色のよう。壇上に立ち。入学式成績優秀者のスピーチでは淑女としての品格を守りながら明快な口上を述べた。今まの"キャラ付け"通り優美で聡明、近寄り難い令嬢を完全にクリアできたはずである。
式が終わり。公会堂を後に、これから私の中等部生活が華々しく始まる。その期待に胸を高鳴らせ、教室のドアを開けた。
誰もいないと思っていた。
教室の真ん中のソファに一人の少女、その後ろに控える男。
淡いチューリップのような赤毛を突き刺すディープブルーの瞳が宝石のようにそこに世界を見据えていたのだ。なんて美しい御令嬢だろう。
不覚にも、友人の御令嬢を連れながらも臆してしまった。いつでも悠々としていたかったのに彼女の禍々しい美をを正面に食らった私は一瞬慄いてしまったのだ。
明らかに沈んだ廊下側の空気、浮き上がるような教室中央、初対面のマインド対決に於いて負けたことは明確だった。
その空気を切るが如く、気が強い横にいた令嬢、ヴィアナが声をかけた。
「しつれぃ?ここは爵位順なの、貴女はクラス座席表をご覧になられて?」
彼女は相手を格下にみるとはじめの語尾が消えるように上がる。
「それに執事と、侍女は入れちゃダメなの、…おじゃまでしょ?」
ディープブルーの大きな瞳が私たちを足先から値踏みする。
「そうかしら、私は気にならないけれど。でもそうね、小さい世間で過ごす分には頼む用もないのかしら。」
「教えてくれてありがとう、でも間違ってないわ。貴女こそご存知じゃないのね、 きのう。新しいのがでたのよ。」 
 「ほらどうぞ?」
ヴィアナの眉頭があからさまに下がった。だけど、席順表が新しく出てたなんて私も知らなかった。ヴィアナの少し後にいた令嬢エリーゼとルシアナ、私は目線を合わせ次に誰が出るか目談。
ヴィアナが声で鼻を鳴らし顎を少し上げて手を差し出す。
「失礼ですがお名前は?」
差し出された手を見ながら瞬き一つせずに少女が言う。
「人に聞く前に申し出るのが礼儀でなくて?」
ヴィアナも負けちゃいない、
「…そうね。私はサンプトン伯爵の長女カーティ・エリザベスです。
どうぞよろしく。」
「そう、…」
またヴィアナが甲高く鼻を鳴らす。
サンプトン伯爵といえば貿易業でと豊満の財を得た家。ヴィアナの家も伯爵家だが今は大きな事業はやっていない。
「グライド伯爵の次女ヴィアナです、…こちらは」
ヴィアナがすぐに切り替えた。身近から順に、
「こちらエリーゼ」
「アンリ伯爵の次女エリーゼです、
よろしく。」
「ルシアナ」
「シントン伯爵の長女ルシアナです。よろしく」
「そしてコーデリア」
「アビー公爵の長女コーデリアです。よろしく。」
「あら、貴女がコーデリア様ね。
コーデリア様は私のお隣だわ。これからよろしく!」
「よろしく。カーティ様。」
「イヤだわ、カティか"エティ"と呼んで親しい人はそう呼ぶの。」
「よろしく、カティ様、」
流石に呼び捨てはできないが愛称まで呼ばせようとするなんて驚いた。
やはり私が公爵令嬢だからだろうが、席順表があらかじめ配られるのもこのわざとらしい階級絡みを無くすためではあった。
席順で察しは付くが、従事者を入れないのも実際、本人間の間柄に家の影響を少しでも離させるためだ。
とにかくこの後3人に愚痴を言われるのは確定した。
カーティ・エリザベス、なんだか独特な雰囲気の持ち主だ。並外れた美しさもさることながら所作や、口調は悠然としたものもち、ニンフのような妖しさ。青い瞳に見つめられると離せない。何より彼女の名前、…
「コーデリア様は瞳が黒いのに金色の粒が散らばってる!……夜空の星々を観ているようだわ。」
「!?」
「あまり!見ないで下さい、失礼です!」
思ってもいなかった言葉に恥ずかしくて過敏に反応してしまった。
「ごめんなさい…」
カーティ様も眉を顰め、脚を組み替えツンと前を向いた。
後ろにいたルシアナと既に自分の席に戻っていたヴィアナは良くやったと言いたげなウインクをかえす、エリーゼは後ろのソファが席だったらしく、見ると手を振ってくれた。彼女はあまり他の人に興味がないようだ。そうこうしてとしていると教室も賑わいだし、ソファも埋まったようだ。
クラスは12人の令嬢できてる。しかしソファは9つ、3人は誰かのソファに入れてもらうことになる。大抵は爵位の低い子、学期が進めば友達のいない子、そのどちらかなのだか。
しまった…カティー様に構いすぎた。教授方が来られる前にソファに座らないと。
「あれ…席が、」
私のソファにいたのは見たことのない御令嬢だった。
ピーチのようにほんのり赤い頬が、その白い肌に印影をつけ、触りたくなるほどの柔髪を腰まで伸ばしたその少女はその儚げな雰囲気に反してソファのど真ん中にずっしりと座っている。
この子も編入生なのね…
席について説明するのも面倒だけど、爵位の高い私が上手に座らないと他の令嬢にも失礼だわ。
「失礼、ここ私の席なので移動して頂けます?お席がないようでしたらご一緒しても良いですよ。」
「えっ
   私ここじゃあだめですか?」
「ですから、私と、」
「ミィティアここがいいです!」
そのタイプね…見た目に反して割と自我がお強い。
「ですから、端に座って"二人で"ソファに座りましょ。」
「わかった!貴女ミィティアとお友達になりたいのね!」
「…なんて?!」
思わず漏れてしまった小言を隠そうとあたふたしていると
「五月蝿くてよ。平民は身分も弁えず、黙って席にもつけないのかしら。コーデェリア様も、こういう方にはしっかり事を言わなくて駄目ですよ。」
刺すような瞳が淡く揺れる赤髪の動きより早くこちらをぎょろり。
「ありがとう…?カーティ様…。」
「ふふふ、カティとお呼びくださいね♪」
そして突然の笑顔。
「あ、うん。」
…恐ろしい。………!、
ピタっと私の中で引っかかっていた違和感にその笑顔と笑い声、名前がはまったのだ。
カーティ・エリザベス。それはあの"物語"の転生悪役令嬢!!
私の目標でわないか!!…
<始まりの朝>
目を開けると光輝く麦のような睫毛が灯火越しのレースのように優しく光を伝え、艶やかな縦髪ロールがふわっと侍女の解いたリボンから流れ落ちる。
部屋付きの侍女たちが菫色のリボンラインの入った白いAラインドレスに白いタイツ、低めのポインテッドドゥを用意する。
それを身に纏うのが私の朝、
"悪役令嬢"コーデェリアの新しい朝である。
縦に巻かれた黄金色の艶髪は歩くたび広がり、誰もが振り向く。
中等部の白い制服は可憐で気高い少女達の誇りであり、中等部の全生徒が揃うとそれは美しい雪景色のよう。壇上に立ち。入学式成績優秀者のスピーチでは淑女としての品格を守りながら明快な口上を述べた。今まの"キャラ付け"通り優美で聡明、近寄り難い令嬢を完全にクリアできたはずである。
式が終わり。公会堂を後に、これから私の中等部生活が華々しく始まる。その期待に胸を高鳴らせ、教室のドアを開けた。
誰もいないと思っていた。
教室の真ん中のソファに一人の少女、その後ろに控える男。
淡いチューリップのような赤毛を突き刺すディープブルーの瞳が宝石のようにそこに世界を見据えていたのだ。なんて美しい御令嬢だろう。
不覚にも、友人の御令嬢を連れながらも臆してしまった。いつでも悠々としていたかったのに彼女の禍々しい美をを正面に食らった私は一瞬慄いてしまったのだ。
明らかに沈んだ廊下側の空気、浮き上がるような教室中央、初対面のマインド対決に於いて負けたことは明確だった。
その空気を切るが如く、気が強い横にいた令嬢、ヴィアナが声をかけた。
「しつれぃ?ここは爵位順なの、貴女はクラス座席表をご覧になられて?」
彼女は相手を格下にみるとはじめの語尾が消えるように上がる。
「それに執事と、侍女は入れちゃダメなの、…おじゃまでしょ?」
ディープブルーの大きな瞳が私たちを足先から値踏みする。
「そうかしら、私は気にならないけれど。でもそうね、小さい世間で過ごす分には頼む用もないのかしら。」
「教えてくれてありがとう、でも間違ってないわ。貴女こそご存知じゃないのね、 きのう。新しいのがでたのよ。」 
 「ほらどうぞ?」
ヴィアナの眉頭があからさまに下がった。だけど、席順表が新しく出てたなんて私も知らなかった。ヴィアナの少し後にいた令嬢エリーゼとルシアナ、私は目線を合わせ次に誰が出るか目談。
ヴィアナが声で鼻を鳴らし顎を少し上げて手を差し出す。
「失礼ですがお名前は?」
差し出された手を見ながら瞬き一つせずに少女が言う。
「人に聞く前に申し出るのが礼儀でなくて?」
ヴィアナも負けちゃいない、
「…そうね。私はサンプトン伯爵の長女カーティ・エリザベスです。
どうぞよろしく。」
「そう、…」
またヴィアナが甲高く鼻を鳴らす。
サンプトン伯爵といえば貿易業でと豊満の財を得た家。ヴィアナの家も伯爵家だが今は大きな事業はやっていない。
「グライド伯爵の次女ヴィアナです、…こちらは」
ヴィアナがすぐに切り替えた。身近から順に、
「こちらエリーゼ」
「アンリ伯爵の次女エリーゼです、
よろしく。」
「ルシアナ」
「シントン伯爵の長女ルシアナです。よろしく」
「そしてコーデリア」
「アビー公爵の長女コーデリアです。よろしく。」
「あら、貴女がコーデリア様ね。
コーデリア様は私のお隣だわ。これからよろしく!」
「よろしく。カーティ様。」
「イヤだわ、カティか"エティ"と呼んで親しい人はそう呼ぶの。」
「よろしく、カティ様、」
流石に呼び捨てはできないが愛称まで呼ばせようとするなんて驚いた。
やはり私が公爵令嬢だからだろうが、席順表があらかじめ配られるのもこのわざとらしい階級絡みを無くすためではあった。
席順で察しは付くが、従事者を入れないのも実際、本人間の間柄に家の影響を少しでも離させるためだ。
とにかくこの後3人に愚痴を言われるのは確定した。
カーティ・エリザベス、なんだか独特な雰囲気の持ち主だ。並外れた美しさもさることながら所作や、口調は悠然としたものもち、ニンフのような妖しさ。青い瞳に見つめられると離せない。何より彼女の名前、…
「コーデリア様は瞳が黒いのに金色の粒が散らばってる!……夜空の星々を観ているようだわ。」
「!?」
「あまり!見ないで下さい、失礼です!」
思ってもいなかった言葉に恥ずかしくて過敏に反応してしまった。
「ごめんなさい…」
カーティ様も眉を顰め、脚を組み替えツンと前を向いた。
後ろにいたルシアナと既に自分の席に戻っていたヴィアナは良くやったと言いたげなウインクをかえす、エリーゼは後ろのソファが席だったらしく、見ると手を振ってくれた。彼女はあまり他の人に興味がないようだ。そうこうしてとしていると教室も賑わいだし、ソファも埋まったようだ。
クラスは12人の令嬢できてる。しかしソファは9つ、3人は誰かのソファに入れてもらうことになる。大抵は爵位の低い子、学期が進めば友達のいない子、そのどちらかなのだか。
しまった…カティー様に構いすぎた。教授方が来られる前にソファに座らないと。
「あれ…席が、」
私のソファにいたのは見たことのない御令嬢だった。
ピーチのようにほんのり赤い頬が、その白い肌に印影をつけ、触りたくなるほどの柔髪を腰まで伸ばしたその少女はその儚げな雰囲気に反してソファのど真ん中にずっしりと座っている。
この子も編入生なのね…
席について説明するのも面倒だけど、爵位の高い私が上手に座らないと他の令嬢にも失礼だわ。
「失礼、ここ私の席なので移動して頂けます?お席がないようでしたらご一緒しても良いですよ。」
「えっ
   私ここじゃあだめですか?」
「ですから、私と、」
「ミィティアここがいいです!」
そのタイプね…見た目に反して割と自我がお強い。
「ですから、端に座って"二人で"ソファに座りましょ。」
「わかった!貴女ミィティアとお友達になりたいのね!」
「…なんて?!」
思わず漏れてしまった小言を隠そうとあたふたしていると
「五月蝿くてよ。平民は身分も弁えず、黙って席にもつけないのかしら。コーデェリア様も、こういう方にはしっかり事を言わなくて駄目ですよ。」
刺すような瞳が淡く揺れる赤髪の動きより早くこちらをぎょろり。
「ありがとう…?カーティ様…。」
「ふふふ、カティとお呼びくださいね♪」
そして突然の笑顔。
「あ、うん。」
…恐ろしい。………!、
ピタっと私の中で引っかかっていた違和感にその笑顔と笑い声、名前がはまったのだ。
カーティ・エリザベス。それはあの"物語"の転生悪役令嬢!!
私の目標でわないか!!…
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