Fantaz Mate World-ファンタズメイト・ワールド-

水定ユウ

■3 噴水広場

 気がつくと、そこは噴水の前だった。

「ここは……どこ?」

 首を傾げる粉雪。そんな粉雪の後ろをたくさんの人達が通り過ぎていく。
 今粉雪こと、フローズンがいるのは大きな噴水の前。地面は石のタイルで敷き詰められていてたくさんの人達が行き交う。そんな人混みの中でぽつんと一人きりで立ち尽くすフローズンだった。

「噴水を中心に円形状に窪地になってるってことは、ここって広場?」

 周囲を一周形で見回すと所々にベンチがあったり階段があったりして何となくそんな感じだった。
 おまけに中心に装飾の施された噴水があることからもすぐに察せられる。ここは噴水広場なのだ。フローズンはとりあえず一安心すると、空いていたベンチに腰を下ろすのでした。

「まずはなにからしたらいいんだろ」

 ウィンドウを開き、とりあえずステータス画面を眺めてみるフローズン。
 そこには自分のステータスが刻まれており、レベルは当然1でした。

 ネーム:フローズン
 種族:〈ヒューマン〉
 LV:1
 HP:50
 MP:20
 TMP:0

 STR:5
 VIT:6
 AGI:5
 DEX:5
 INT:6
 LUK:8

 装備
 なし

 武器
〈普通の剣〉

 スキル
 なし

 こんな感じだった。
 よく見えもわからないけど、このゲームは既に発売されているとある人気ゲームとおんなじ会社が製造販売しているみたいで、そのシステムのほとんどを流用しているとか。
 何でも違いは少ししかないみたいで、それでもこっちのゲームを選ぶ理由もあるそう。だけど向こうの方が人気みたい。
 もし飽きちゃっても、いざとなったら同じ会社の同じ規格のゲームを新しく買ってきて、おんなじアカウントだから連携しちゃえばいいもんね。こう言うのをコンバートって言うみたい。そんなちょっとした豆知識を踏まえつつ、一方のフローズンはとりあえず街の外に出てみることにしました。

「まずは街の外に出てモンスターと戦ってみないとね」

 とりあえず基本に忠実。レベルアップをすることにしたフローズン。
 リアルでの武術経験はないけれど、そう言うのがあった方がこのゲームはお得なのです。そこも似た要素なんですよ。
 まあフローズン自信はそんなことこれっぽっちも知らないので、楽しみな気持ちをいっぱいに詰め込んで街の外に出てみるのでした。

 もちろんやることはただ一つです。
 モンスターと戦って倒して、経験値とお金を得るのです。それからあわよくばーー

「同い年ぐらいの子がいたら友達になりたいなー」

 そんな期待も込めていました。

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