話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第103話 先生

先生というあだ名の大学生の男…間宮浩太は頭を抱えていた。
医学部の他に薬学も勉強していた彼は…ある日拉致された。近所の不良娘…舞川枝利香によって!

今でさえ黒髪セミロングにまでになったが、昔から金髪で年下なのに圧が凄く逆えず、ここに越してきたのは間違いだったと何度思ったろう。

アパートの住人が怪我をすると必ず自分の所に連れてきて治療と診断をさせる。自分まだ医者じゃあないですっ…。しかし不良に逆らうと痛い目に合う。仕方なく先生とあだ名をつけられてはいたがひっそりと佇む雑草のように生きてきた。

「先生!ちょっと頭貸してくれよ…困ってんだよ…怪我ってわけでもないんだけど…薬とか詳しかったりするか?」

「医者を目指す者だからそれなりは…」

「なんでもいいや!じゃっ、行こうぜ!」
と舞川枝利香は実に手際よく自分に目かくししてどこかの研究施設に連れて行かれた。
研究者たちは忙しなく動き回り、驚いたことに怪人とされる人がいたり。

そこには悪の組織の総帥のイケメン紅がいる!

「やあやあ先生だっけ?枝利香さんから話は聞いている。薬に詳しい人を集めていたんだ。ある成分が気になってね。これの解析に手伝ってほしいんだ」

「でも自分は…」

「報酬は家賃倍額で!」

「遣ります!」
と返事してしまい、仲間達の元へと連れてかれた。成分の研究は難しく簡単に判らない。が、実は楽しみであった。解けない問題をはまらないパズルを埋めてくように正解を探る。
数日が経過してやっと分析が終わり、

それから…3日前にあの栗生院吉城と雪見時奈の血を持った男がやってきた。流石のイケメン!

「助けてくれ…先生!」
と焦りを見せ、自分は脅迫文のことを知った。
普段の様子と違い、冷静さを失っている栗生院吉城を見かねた怪人たちは俺の身体で実験を!と我先にと自分の身体で試してくれと言う。彼等は被害者であるはずの人間なのに。

結果とんでもないものができた。
あの成分が解った今、予めの抗体は試作品程度に作られていたが脅迫文を見て青ざめすぐに行動して雪見時奈や栗生院吉城の血をそれぞれの使い、ついに試作品が完成した。

持続性効果は無いが怪人に注射すると栗生院吉城に変わった。

「間に合わせで作ったので効果の時間も少なくなりますが」

「上出来だ。これで敵を欺ける!ありがたい!」
と彼は言いその後に

「時奈さんに触ったことは許してあげよう。治療だろうと他の男に触らせるなんてね…」
だらだらと汗が出た。何のことかと思ったが雪見時奈のことかと思い至った。
あの時の猫に引っ掻かれていた子を治療したことか!!
治療で触っただけで殺されそうな圧を感じる。舞川枝利香より怖いのを内側に秘めている。
逆らわない方がいいと本能的に理解した。

「それからまだ試作品ですが…敵に注射を打たれたりしたらこれを…」
と変わりの薬を出した。

「先生…」
薬をジッと見つめる。

「自分は医者を目指すものですが…やはり人に死んで欲しくは無いと思います。それが例え悪人でも…」

「…そうだね…」
少し辛そうに栗生院吉城は言う。
薬を受け取り部屋から出て行った。
普通に考えたら未成年なのに大人びている彼はそうすることしか出来なかった人生を歩んでいるんだろう。

その背中を見送ることしかできなかった。



薬を受け取り僕は暁雄さん達とまた会議をした。

「もし人質を隠すならどこかを検討して、叫びの魔女の家と言うホラーハウスの中だと判明。あのファンタジーランドでは観覧車が目立つ。本来ならそこに隠すかもしれないが裏を書きこちらかと」
と解析をし、自動音声でインドさんが言う。

「貴重な薬だ…敵を混乱させるにはいいだろう。皆にも配っておく…」
と僕はケルベロス幹部に配り始めた。

「すみません…俺の分の薬が無いんですけど?」

「…じゃあ…隆さんにはこれを…」
と僕はそれをソッと渡した。

「いや、ただのビタミンサプリやないかーい!!」
ナイスツッコミに親指を立てる僕に。

「グッジョブじゃねぇよ!こんなんバレるだろ?」

「隆は用務員のおじさんの格好で充分だ」
と暁雄さんも言い話は纏った。

「纏まるかーい!俺の薬も寄越せよおおおお!!」
と隆さんが叫んだがいつものように無視される。

「陽動作戦に怪人達にも薬を渡して置いた」

「えっ…怪人達の方に?」
まだしつこく隆さんが言うので

「隆さんは叫びの魔女の方に行き人質を救出して下さい!…まぁ恐らくそれもフェイクのご両親で誰か知らない人でしょうけど…」

「知らない人…助けに行くんだ俺…」

「あのファンタジーランドにはご両親はいないだろう」

「時奈さんと俺を捕まえるだけのただの罠。のこのこと本物が出て行かなくともいいだろう…鳴島!」

「はい…坊っちゃま…」
と鳴島は例の脅迫文を取り出して部屋の灯りを消すと文字が浮かび上がってきた。

(拝啓 栗生院吉城様
初めまして…もうそろそろ僕の存在に気付いた頃かと思います。貴方に直接の恨みはありません。でも雪見時奈さんを僕に譲ってもらえませんでしょうか?
僕は雪見時奈さんにお会いできるのを楽しみにしています。デートをするなら遊園地だと思いました。僕はようやく外に出ようと思います。僕を見つけることが出来たら…ご両親は生かしておきましょう。僕は逃げも隠れももうしません。だから堂々と来てください。ファンタジーランドのドリーム城玉座の間にてお待ちしています)
と丁寧な文字で書かれていた。

「随分余裕だね…正面から来いなんてさ?」
昴さんが言うと桃華さんも

「これケルベロス舐められてる?宣戦布告だよね?」

「ふっ…相手が暁雄に似た奴なら殺しがいがあるな…」

「蒼くん酷いよ…俺じゃなくてあの男のクローンだしあんまり侮らない方がいいけど、向こうから招待を受けたようなものだ…皆で力を合わせれば大丈夫だよ」

「ドリーム場はファンタジーランドの中央の壊れた塔の後ろ最奥にある池に囲まれた城だ。もちろん城にたどり着くまでにイケメン怪人供も襲ってくるだろうな。こちらも申し訳ないが参加できる怪人に声をかけよう…」
と暁雄さんが言う。

「もちろん山根博士にも協力させるよ…」

「猛者どもはあたしに任せな!!」
と会議中に誰かが入ってきた。
スラリとした長身の女で黒髪長髪で黒のタンクトップにサバイバルジャケットに迷彩パンツスタイルの美人だが腕に生傷が絶えない。

「誰ですか?貴方は?」
と僕は聞いた。

「ふっ…判らないか…連れないねぇ…あんなに共に触れ合っていたのに」
それに暁雄さんが

「わっ!吉城浮気してたの??」

「してないわ!!ていうか会ったこともない!」

「あたしは安達美優さ!先生の薬で今はこうなってるのさ!時間が経つと戻るがね!」

「安達美優…誰だ!?」
というと美優の顔が曇った。

「あたしだよ…あたし」
全員誰だか判らない顔をした。

「部外者は記憶消して立ち去ってもらえ鳴島」
と僕が言うと

「坊っちゃま…この方はゴリラさんですよ」
と言った。全員固まった。

「彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く