彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…
第85話 時奈とホワイトデー
あの会見後、どうなったかと言うと西園寺さんや真理亜さんの悪事が記録された映像がネットで一部流れたりした為、親衛隊の信用は落ちた。
一部の女性は抜けたり、男性からも女性からも少し応援があったりして学校の嫌がらせも減った…というか無くなった。
言って良かった!
逆に映像はねつ造だと言う人もいる。
それでも前よりはずっと良い。
私はマンションでいつもみたいに朝食を作っているとやはりしばらくして寝起きのボーッとしたイケメンが自室から出て来た。
意識が完全に覚醒するのはいつも寝ぼけて私のどこかにキスするのが日課になっていたが今朝はくるりとそのまま洗面所に向かって行った。
な!吉城くんが!私に何もしないだと??
ついに現実に目を覚ましたの?
(何でこんな地味な女に夢中になっていたんだろう僕は…よく見ると本当に可愛くないわ別れよう)
(いやああああ!お願い捨てないでください!)
(しつこいんだよこのブスがっ!離せっ!殺すぞ!)
(あああ…待って吉城くん!吉城くーん!!)
そんな妄想をしていると吉城くんが久しぶりに白樺学園の制服を着てきた。吉城人形じゃない。
「あれ?今日は白樺学園に行くの?」
いつもは吉城人形に行かせるのに。
「うん今日はホワイトデーだよ時奈さん…」
「えっ…うん…」
そうだけどまさかバレンタイン戦みたいなことは無いだろうし…えっ?まさか白樺学園に好きな人がいてマシュマロプレゼントとかじゃないよね??
「何その顔?まさか僕が時奈さん以外に何かあげる人がいると思ってるの?」
とちょっと頰をプニプニされた。
「じゃ…じゃあ何で?そっちに行くの?」
いや、本来白樺学園の生徒なんだから当たり前だけど!!
「いやあ…実はうちの学校を辞める手続きとかいろいろあってね。生徒会の引き継ぎとかあってね…」
「ん?生徒会?」
「ああ言って無かったね?僕は現在生徒会に入っててね、書記だけど。それの引き継ぎ。吉城人形でもいいけど流石に行かないと現在の会長や副会長に引き止められるだろうから」
そっかそうだよね。てか生徒会書記だったのか。一年なのに生徒会とか凄い!!
「ごめんね…僕がいなくて寂しい?でも終わったらデートしようね」
と彼はにこりと笑う。
「判った…」
「少し遅くなるから公園で待ってて?」
と彼は私にハグしてお弁当を受け取った。
校門前で送られて久しぶりにキスして別れた。
私が車から降りると最近ではちゃんと
「おはよう雪見さん!」
と声をかけてくれる人が増えてきた。
「おっはよー大福ちゃん!あれ?ミッちゃんは?」
と暁雄さんも先に来ていた。
「おはようございます小高先生。美咲さんは今日休みです。向こうの手続きとかあって」
「まさかあっちの学校の女の子との別れか?何て罪作りな…」
「ちょっと!小高先生じゃないんだし辞めてくれませんか!」
と私が膨れると
「まぁそうだねぇ、今日は寂しいだろうねぇ?先生が相手してあげたいけど先生も四宮先生攻略に今必死なの」
「あ、はい…頑張ってください」
「うんうん!頑張るよー!全然デートしてくれないしホワイトデーだし今日こそは拉致してでも俺の愛を伝えないと!」
するとそれを聞いていた四宮先生が通りかかり逃げるようにささっと移動した。
「あっ!四宮せんせー!!待ってー!じゃあね!大福ちゃーん!!」
と暁生さんは足早に去った。
教室に入ると枝利香さんと委員長がウェディングドレスのカタログを見ていた。
「時奈おはよ!美咲の休みなら聞いたぜ鳴島さんから」
「そっか、二人で何見てるの?」
「雪見さん…実はですね、何とですね…高校を卒業したら枝利香さんは鳴島さんと結婚するそうです!!」
「えええええ!!!」
私に衝撃が走った!!マジかー!!
「実はバレンタインの時にそう言う話をしてたんだよ…老い先短い身だしって言うからそんなことないって言ったんだけどまぁ…早い方がいいって言うからぁ」
と枝利香さんは最後アホになった。
「それで春休みにいろいろ予約とかするみたいですよ。一年がかりの準備ですよ」
結婚も大変だなぁ…。でも枝利香さんは嬉しそうだからいいか。
「田淵お前は好きな奴はいないのか?」
と枝利香さんが言うと
「うーん、いませんね…バレンタインの時から何故か男子に避けられてます…モテないんですよねー」
「「ご愁傷様です」」
と私と枝利香さんは委員長に言った。
「何?なんでなのぉ?」
と委員長は泣いた。
*
夕方…白樺学園の生徒会室で僕は現在の会長の2年生の英アリスさんと倉木悠斗副会長に引き止められていた。因みに英会長は黒髪ロングの美少女で倉木副会長はボーッとしてて無口な方だ。
そんでこの二人付き合ってるようだ。
「ちょっと!困るわよいきなり学校辞めて転校するなんて!私の任期終わったら貴方が生徒会長する予定なのに!栗生院くん!」
「………」
ベラベラ喋る会長と無言で圧をかけてくる副会長。
「すみません!僕のことはご存知の通り…彼女の元に行きたいんで…」
「もう行ってるよね」
と副会長が喋った。
「どう言うこと?悠斗!?」
「今日は本物だよ…ね?栗生院くん」
ジッと射る様に見られる。バレてたか。
「すみません副会長の目は誤魔化せなかったかー!流石優秀な人は違うなぁ」
と汗をかく。
「ど、どう言うことよ!私にも判る様に説明しなさい!」
僕が事情を説明すると会長が呆れた。
「に、人形…この数ヶ月人形と会話してたの?私…信じられない!ああ!ショックだわ悠斗!慰めて!」
副会長は照れて一応はよしよしと頭を撫でる。
「もう人形でいいから次期生徒会長やりなさいよ!」
「いや転校するから無理です!」
「まぁ…栗生院くんならどこの学校出ても関係ないし、何なら大学院生くらいでも今すぐ行けるかもしれないし…惜しい人材だけど仕方ないよ…アリスちゃん諦めよう」
「悠斗が!3行以上喋った!!!」
「副会長!!そんなにも僕のこと心配してくれてすみませんんん!!」
「ん?」
何か変なこと言った?みたいな顔でキョトンとする副会長だが、この人をこんなに喋らせてしまうとは!申し訳ない!
引き継ぎが終わり僕は学校を出て公園へと向かった。
*
公園で彼を待つのも久しぶりでどっか新鮮な気もする。
するといつもの高級車からイケメンが降りてきた。
「お待たせ!時奈さん!」
「吉城くん…そんなに待っていないよ」
すると彼は私の頰を触ると
「少し冷えてる…ごめんね…」
と車に乗せた。
「どこに行くの?」
「飛行船に乗ろうか」
「ええっ!?」
と驚いている間もなく飛行船の発着場に連れて行かれた。
自家用飛行船。値段はもう考えないぞ!
飛行船は空飛ぶクジラのように優雅に夜空の散歩に出た。
星空や街の灯りが綺麗に見えた。
ロマンチック過ぎる!!
そこで食事を取りプレゼントに可愛らしいブレスレットを渡された。白と青の粒が光る。まさか宝石かもしれないけどもう値段を考えるのを辞めた。
「ありがとう…ってだから私ばっかり貰って…やっぱりバイトしなきゃ!」
「いいんだよ、バイトなんてしたら一緒にいられる時間が減っちゃうし…」
「でもいつも一緒にいるじゃない」
「今日はあんまり一緒じゃなかったよ?」
そりゃ引き継ぎとかあったんでしょ?たった少しの時間だし…。
「僕はたった少しの時間も惜しいよ…もしこの先君が事故に遭ったら?考えたくないことが起きて僕が一人になったら…?逆もまたあって時奈さんが一人になるようなことがあったら?そう考えると怖くてたまらないよ…」
「吉城くん…」
彼は両親が死んだことを思い出し置いてかれたのを気にしているのかも。
私への過剰な愛情も向けられなかった時間を埋めるかのように毎日生きているんだ。
そのことに気付くと胸が痛い。
「私は…一緒にいるからね?簡単に死んだりしないし…最強の戦闘員E様の彼女だもん!」
私は笑ってみせた。
彼は少し安心して抱きしめた。
「時奈さん…君がいれば本当に何もいらないよ僕は」
うぐっ!だからその台詞はダメだってば!凄い威力の兵器だから!乙女殺しの戦闘能力高いわ!数値測る機械もぶっ壊れるわ!!
その時目の前の夜空にバーンとハート型の花火が浮かんで私の瞳にもハート型が映った。
そしてゆっくり吉城くんが近づいて優しく口付けを交わした。ハート型の彩りどりの花火が上がる中私たちは甘いキスを続けた。
一部の女性は抜けたり、男性からも女性からも少し応援があったりして学校の嫌がらせも減った…というか無くなった。
言って良かった!
逆に映像はねつ造だと言う人もいる。
それでも前よりはずっと良い。
私はマンションでいつもみたいに朝食を作っているとやはりしばらくして寝起きのボーッとしたイケメンが自室から出て来た。
意識が完全に覚醒するのはいつも寝ぼけて私のどこかにキスするのが日課になっていたが今朝はくるりとそのまま洗面所に向かって行った。
な!吉城くんが!私に何もしないだと??
ついに現実に目を覚ましたの?
(何でこんな地味な女に夢中になっていたんだろう僕は…よく見ると本当に可愛くないわ別れよう)
(いやああああ!お願い捨てないでください!)
(しつこいんだよこのブスがっ!離せっ!殺すぞ!)
(あああ…待って吉城くん!吉城くーん!!)
そんな妄想をしていると吉城くんが久しぶりに白樺学園の制服を着てきた。吉城人形じゃない。
「あれ?今日は白樺学園に行くの?」
いつもは吉城人形に行かせるのに。
「うん今日はホワイトデーだよ時奈さん…」
「えっ…うん…」
そうだけどまさかバレンタイン戦みたいなことは無いだろうし…えっ?まさか白樺学園に好きな人がいてマシュマロプレゼントとかじゃないよね??
「何その顔?まさか僕が時奈さん以外に何かあげる人がいると思ってるの?」
とちょっと頰をプニプニされた。
「じゃ…じゃあ何で?そっちに行くの?」
いや、本来白樺学園の生徒なんだから当たり前だけど!!
「いやあ…実はうちの学校を辞める手続きとかいろいろあってね。生徒会の引き継ぎとかあってね…」
「ん?生徒会?」
「ああ言って無かったね?僕は現在生徒会に入っててね、書記だけど。それの引き継ぎ。吉城人形でもいいけど流石に行かないと現在の会長や副会長に引き止められるだろうから」
そっかそうだよね。てか生徒会書記だったのか。一年なのに生徒会とか凄い!!
「ごめんね…僕がいなくて寂しい?でも終わったらデートしようね」
と彼はにこりと笑う。
「判った…」
「少し遅くなるから公園で待ってて?」
と彼は私にハグしてお弁当を受け取った。
校門前で送られて久しぶりにキスして別れた。
私が車から降りると最近ではちゃんと
「おはよう雪見さん!」
と声をかけてくれる人が増えてきた。
「おっはよー大福ちゃん!あれ?ミッちゃんは?」
と暁雄さんも先に来ていた。
「おはようございます小高先生。美咲さんは今日休みです。向こうの手続きとかあって」
「まさかあっちの学校の女の子との別れか?何て罪作りな…」
「ちょっと!小高先生じゃないんだし辞めてくれませんか!」
と私が膨れると
「まぁそうだねぇ、今日は寂しいだろうねぇ?先生が相手してあげたいけど先生も四宮先生攻略に今必死なの」
「あ、はい…頑張ってください」
「うんうん!頑張るよー!全然デートしてくれないしホワイトデーだし今日こそは拉致してでも俺の愛を伝えないと!」
するとそれを聞いていた四宮先生が通りかかり逃げるようにささっと移動した。
「あっ!四宮せんせー!!待ってー!じゃあね!大福ちゃーん!!」
と暁生さんは足早に去った。
教室に入ると枝利香さんと委員長がウェディングドレスのカタログを見ていた。
「時奈おはよ!美咲の休みなら聞いたぜ鳴島さんから」
「そっか、二人で何見てるの?」
「雪見さん…実はですね、何とですね…高校を卒業したら枝利香さんは鳴島さんと結婚するそうです!!」
「えええええ!!!」
私に衝撃が走った!!マジかー!!
「実はバレンタインの時にそう言う話をしてたんだよ…老い先短い身だしって言うからそんなことないって言ったんだけどまぁ…早い方がいいって言うからぁ」
と枝利香さんは最後アホになった。
「それで春休みにいろいろ予約とかするみたいですよ。一年がかりの準備ですよ」
結婚も大変だなぁ…。でも枝利香さんは嬉しそうだからいいか。
「田淵お前は好きな奴はいないのか?」
と枝利香さんが言うと
「うーん、いませんね…バレンタインの時から何故か男子に避けられてます…モテないんですよねー」
「「ご愁傷様です」」
と私と枝利香さんは委員長に言った。
「何?なんでなのぉ?」
と委員長は泣いた。
*
夕方…白樺学園の生徒会室で僕は現在の会長の2年生の英アリスさんと倉木悠斗副会長に引き止められていた。因みに英会長は黒髪ロングの美少女で倉木副会長はボーッとしてて無口な方だ。
そんでこの二人付き合ってるようだ。
「ちょっと!困るわよいきなり学校辞めて転校するなんて!私の任期終わったら貴方が生徒会長する予定なのに!栗生院くん!」
「………」
ベラベラ喋る会長と無言で圧をかけてくる副会長。
「すみません!僕のことはご存知の通り…彼女の元に行きたいんで…」
「もう行ってるよね」
と副会長が喋った。
「どう言うこと?悠斗!?」
「今日は本物だよ…ね?栗生院くん」
ジッと射る様に見られる。バレてたか。
「すみません副会長の目は誤魔化せなかったかー!流石優秀な人は違うなぁ」
と汗をかく。
「ど、どう言うことよ!私にも判る様に説明しなさい!」
僕が事情を説明すると会長が呆れた。
「に、人形…この数ヶ月人形と会話してたの?私…信じられない!ああ!ショックだわ悠斗!慰めて!」
副会長は照れて一応はよしよしと頭を撫でる。
「もう人形でいいから次期生徒会長やりなさいよ!」
「いや転校するから無理です!」
「まぁ…栗生院くんならどこの学校出ても関係ないし、何なら大学院生くらいでも今すぐ行けるかもしれないし…惜しい人材だけど仕方ないよ…アリスちゃん諦めよう」
「悠斗が!3行以上喋った!!!」
「副会長!!そんなにも僕のこと心配してくれてすみませんんん!!」
「ん?」
何か変なこと言った?みたいな顔でキョトンとする副会長だが、この人をこんなに喋らせてしまうとは!申し訳ない!
引き継ぎが終わり僕は学校を出て公園へと向かった。
*
公園で彼を待つのも久しぶりでどっか新鮮な気もする。
するといつもの高級車からイケメンが降りてきた。
「お待たせ!時奈さん!」
「吉城くん…そんなに待っていないよ」
すると彼は私の頰を触ると
「少し冷えてる…ごめんね…」
と車に乗せた。
「どこに行くの?」
「飛行船に乗ろうか」
「ええっ!?」
と驚いている間もなく飛行船の発着場に連れて行かれた。
自家用飛行船。値段はもう考えないぞ!
飛行船は空飛ぶクジラのように優雅に夜空の散歩に出た。
星空や街の灯りが綺麗に見えた。
ロマンチック過ぎる!!
そこで食事を取りプレゼントに可愛らしいブレスレットを渡された。白と青の粒が光る。まさか宝石かもしれないけどもう値段を考えるのを辞めた。
「ありがとう…ってだから私ばっかり貰って…やっぱりバイトしなきゃ!」
「いいんだよ、バイトなんてしたら一緒にいられる時間が減っちゃうし…」
「でもいつも一緒にいるじゃない」
「今日はあんまり一緒じゃなかったよ?」
そりゃ引き継ぎとかあったんでしょ?たった少しの時間だし…。
「僕はたった少しの時間も惜しいよ…もしこの先君が事故に遭ったら?考えたくないことが起きて僕が一人になったら…?逆もまたあって時奈さんが一人になるようなことがあったら?そう考えると怖くてたまらないよ…」
「吉城くん…」
彼は両親が死んだことを思い出し置いてかれたのを気にしているのかも。
私への過剰な愛情も向けられなかった時間を埋めるかのように毎日生きているんだ。
そのことに気付くと胸が痛い。
「私は…一緒にいるからね?簡単に死んだりしないし…最強の戦闘員E様の彼女だもん!」
私は笑ってみせた。
彼は少し安心して抱きしめた。
「時奈さん…君がいれば本当に何もいらないよ僕は」
うぐっ!だからその台詞はダメだってば!凄い威力の兵器だから!乙女殺しの戦闘能力高いわ!数値測る機械もぶっ壊れるわ!!
その時目の前の夜空にバーンとハート型の花火が浮かんで私の瞳にもハート型が映った。
そしてゆっくり吉城くんが近づいて優しく口付けを交わした。ハート型の彩りどりの花火が上がる中私たちは甘いキスを続けた。
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