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彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第84話 時奈の会見

翌朝…私は目の前のイケメンの腕の中で目を覚ました。グハッ!
朝から鼻血出そう…。
浴衣を着てメガネをかけ障子の向こうにある朝焼けをボーッと眺めていた。

すると吉城くんが起きて慌てて

「時奈さん!?」
とこちらにやってきてほっとした。

「おはよう…朝日が綺麗だったから…」

「…どこかに行ったかと思ったよ…」
と抱きついた。

「行かないよ…」

「どうかした?時奈さん…」
彼は私をジッと見つめた。

「私…考えたんだけど…いつもコソコソするのもう嫌だなって。私は…吉城くんが好きだし彼女だし!堂々としたいの!」
彼は驚きつつもうなづく。

「いつも監視されて命を狙われたりして、西園寺さんや真理亜さんが例え親衛隊からいなくなってもまた次の人に受け継がれて危ない目に遭うかもしれない…」

「僕が守るよ…」
彼は私の髪を撫でながら言う。

「吉城くんは強いしカッコいいし、イケメンだし頭もいい!女子の憧れの人そのものだって判ってる…でも…イケメンの隣には必ず美女とか美少女がいないと世間は許さないのかなぁ?」

「そうだね…醜い世の中だ…」

「だから私…皆に…親衛隊の人達とかに私の言葉を聞いてもらいたいんだ…。例え聞き入れてもらえなくても…」

「時奈さん…君はなんて素敵なんだ!本当に綺麗だ!そして強い!だから僕は…君に会えて本当に良かった!ああ、本当に今すぐプロポーズしたい気分だ!」
ひいっ!それは落ち着こうよ!!

「私は…たぶん吉城くんと出会ってなかったら…ただの普通の冴えないコンビニ店員だったし弱いままだった。今もそうかもだけど…。私なんかを愛してくれた吉城くんに感謝してるし誰か1人でも判ってもらいたいよ」

「時奈さんの言葉で世界がもし動かなくても僕や鳴島や委員長に枝利香さん…暁雄さん達は時奈さんの味方だよ…」

「もしかしたらダメかも…。また余計に炎上するかもね。火に油で。…それでも私頑張るよ…!嫌われたっていい!私の言葉を伝えたい!」
私は真っ直ぐに吉城くんを見つめた。

「…応援するよ…君は僕の自慢の彼女だからね!」

「ありがとう!吉城くん…」
私たちは額を合わせて笑った。

そして私は決意した。




彼女は控え室でビクビクしていた。
緊張しているのだろう。

「大丈夫?落ち着いて?何か飲む?」
と僕は彼女を落ち着かせようとしたが

「だだ!大丈夫!た…ただちょっと記者の人多いよね?多過ぎるよね?こっこんなにいるんだ!!」
カーテンの袖からチラリと見ていた彼女は緊張でガクガクしていた。

「大丈夫だよ時奈さん僕もいるし、リラックスしよ?なんなら時間をズラしてもいいんだよ?」

「ひいっ!そんなっ!ダメだよ!時間守らないと!」
僕は彼女にペットボトルの水を渡した。

「大丈夫…ね?」
すると彼女は落ち着いて水を握りしめた。

「そろそろ時間だ…行こう」

「うん…」
白いワンピースを着た彼女は僕に手を引かれフラッシュの中前に進んだ。



私は今記者会見の会場にいた。全世界生中継だ。あちこちからフラッシュが眩しく光る。眩し過ぎていい加減にしろ!!と思いたくなるが止まらない。
私と吉城くんは席に座る前にお辞儀した。謝罪会見じゃないけども。

「この度はお集まりくださりありがとうございます!ケルベロスの戦闘員Eこと栗生院吉城とその彼女の雪見時奈さんです」
と彼が軽く紹介してバシャバシャとまた光が反射した。

「今日は皆さんに僕たちのことを認めてもらいたくてこのような場を設けました…。ネットでも親衛隊やら学校でもファンクラブやらができて世間の皆様にはお騒がせさせております」
そして私はお辞儀をしてマイクを握る。

「どうも…雪見時奈です!ご存知の通り私は栗生院吉城くんの彼女です!女性の方から見たら私なんかよりももっと綺麗な方がお似合いだと思われていることかもしれません!」
私は水を握りしめドンっと机に置いた。
記者が一瞬怯んだ。

「私と彼の出会いはこのペットボトルの水なんです!本当は私じゃなくても良かったのかもしれません!…でも彼は…私を選び愛してくれました!そこに偽りはありません!」
彼が捕捉した。

「本当です!僕は彼女だけを愛してます!他の誰かではダメなんです!彼女が死ねば僕も後を追うでしょう…」
それにザワザワと会場が騒がしくなった。

「私は彼の隣にいたいです!これからもずっと!だからどうか温かく見守ってもらえませんでしょうか?」

「このような場で彼女が勇気を持ち発表したことを解ってあげて欲しいです…。彼女に危害を加える人を僕は容赦しませんし、これからも彼女を守ります。恋人を支えるのは当然のことですから」
進行役の人がマイクを取り

「お二人からは以上のようですので質問されたい方は手短にどうぞ」
すると記者達は一斉に手を上げた。
1人の記者が

「質問失礼します!太東新聞の後藤です!雪見さんは自分が彼に相応しいと思っているのでしょうか?」
私はマイクを持った。

「正直私は彼に相応しくないといつも心のどこかで思っています。でも相応しいとか相応しくないとかじゃないんです…ただ一緒にいたいんです。それじゃ納得できませんか?普通の子がイケメンと幸せになることは許されないことですか?そもそも誰が許さないのですか?神さまでしょうか?」

「質問します!週間スクープの飯田です!親衛隊の辰巳真理亜さんと西園寺綺羅里さんが現在事情聴取をされていますが、彼女達に対して何かありますか?」
すると吉城くんが応えた。

「彼女達は旅行中の僕達を狙い、僕に薬を盛ったり彼女を殺そうとしました。これが仮にも親衛隊のやることなのでしょうか?その件とは別件で辰巳真理亜さんは雪見さんに昔から面識があり彼女を苛めていました。親衛隊隊長という立場を利用して身勝手な理由で犯行に及びました。彼女を恨むのはお門違いです」
また会場は騒がしくなる。

「西園寺さんは雪見さんの学校のE様ファンクラブ会長で彼女を筆頭に学校中の女性から雪見さんは小さな嫌がらせを受けてきました。ヤーチューバーの美咲さんという彼女の友人が証明しているように」

「質問失礼します。月刊ライダーズの八木です。会見を通して女性の方が変わってくれると思ってますか?同じようなことが起きた場合どうするのです?また会見を開くのですか?」

「わ…私は彼の恋人として胸を貼りたいです!毎日私を可愛いと言ってくれる彼が好きです。だから私も負けません。頑張ります!」

「この会見はこれで最期です。僕たちは普通の恋人じゃないかもしれませんがまたこんなことを起こそうとする人を人として見ることはできませんし、親衛隊など必要ありません。僕は彼女と月にでも逃げて2人で仲良く暮らします!」
とにっこりサイコが笑った。
えええ月って!!

「質問は以上で終了します。これにて会見も終了いたします。皆様本日はありがとうございました!」
と司会者が言い私達は立ち上がりお辞儀をして退室した。


「はぁ…緊張した…」

「お疲れ様時奈さん!良く言えてたよ?」

「やっぱり炎上するかな?」

「どうだろうね、ほんとに月に逃げてもいいんだよ?それならもう誰にも邪魔されないよ…」
うっとりと本気で言ってるから怖い。
お前どんだけ訓練して月に行くつもりだよ!!

するとそこでスマホが鳴る。枝利香さんや委員長からだ。
ライメで

(会見見たぞ!よくやったな!お疲れ様!今度ラーメン食いに行こうぜ!)
何でラーメン?別にいいけど。

(月に行くとは凄いですよね?民間でしょうか?雪見さんもこれからゴリラみたいに鍛えてムキムキマッチョで月に…)
いやそんなムキムキにならないから!!

ネットではしばらくざわつきそうだけど私は言いたいことが言えて良かったと思う。これから困難が来ても吉城くんと二人で乗り越えたい。

「じゃあ…帰ろうか?」
と吉城くんが手を差し出すと、私のお腹がグウと鳴った。ひいっ!こんなところで何鳴ってんのよ!空気読めよ!私の腹!!

「あはは!牛丼屋に寄ろうか?」
私は微笑み

「うん!行こう!」
と手をしっかり握った。

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