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彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第69話 バレンタイン戦(前)

愛しい時奈さんと暮らしてから数日後に迫る恐怖のバレンタイン!

とうとう明日に迫る。今日は日曜日で時奈さんは枝利香さんと買い物…つまりチョコの材料を買いに行くんだろう…。そして夜中にキッチンでチョコ作りをするのだろう…僕にバレるとあれだから寝静まってから作る気とかっ!可愛すぎてもう胸が苦しい!

しかも…

「あ!よよ…吉城くん!今日は枝利香さんと女子同士で買い物なの!送り迎えなんていらないからね!大丈夫だからね!」
と彼女は思い切り分かりやすく焦る。
どうしよう…僕にもう全部バレてることくらい時奈さんなら解ってそうだけど僕は素知らぬフリで

「うん、行ってらっしゃい、せめてマンションの下までは送るよ!」
とニコリと微笑んで手を繋いでエレベーターに乗り込んだ。はぁ、このまま下までつかなきゃいいのにな。

途中の階で桃華さんが乗って来た。

「あっれー?デート!」

「いや、枝利香さんと買い物に行くの」
すると桃華さんは

「ああ!解った!チョコ…」
と桃華さんが言おうとして

「そ!そう!ちょこっと!ちょこっとした買い物なの!!」
と時奈さんは焦った。
もはや明日がバレンタインなのは誰でも判るんだけどね。

「そう、僕は下までお見送りだよ…」
と言うと

「ふうーん、あたしも行っていい?」

「え?」

「女同士の買い物でしょー?付き合うよぉ!」

「あ、は、はい…」
エレベーターが下に着くと枝利香さんが待っていた。

「よっ!…ってあれ?ピンク…なんでいんの?」

「もーピンクじゃなくて私はケルベロスの幹部が一人、ラブリー牡丹!!ちなみに昴は八咫烏だよ!!」

「何でもいいけどな…おっ!栗生院!お前までいるのか?」
と枝利香さんが気付く。

「いえ、僕はお見送りですよ、皆さんいってらっしゃい!時奈さん…車に気をつけてね?」
と僕は微笑み、彼女の頰にキスして見送る。

「ひぐっ!」
とまた赤くなりつつも彼女は二人と出かけた。

そして懐からスマホを出して電話する。

「もしもし…今マンションを出た!ミッション開始だ!」

「了解!」
との応答があり僕は電話を切った。



私は枝利香さんと桃華さんとバレンタインのチョコの材料を買いに行くことにしたのだ。
て言ってももうたぶん絶対吉城くんにはバレてると思う。演技が下手くそ過ぎる。
思えば小学校の演劇でも私は風邪で休んだ脇役の子の代わりに上がりまくって噛みまくった経験しかない。

「ねーねーどんなチョコ作るの?」
桃華さんが可愛いらしい顔で聞いて来た。流石元ヒーローで愛されキャラの桃華さん!

「ええと…まぁ…普通に型抜きハートチョコに…」
と言うと桃華さんは

「なっ……!!ふ、古いっ!そしてダサい!!」
と言った。
ええええええ!?
枝利香さんもこれには反応して

「あたしも男にチョコなんてやったことないから…例外で弟達には毎年そのまま板チョコやってたしよ」
いやそれはそれでなんともだよ!枝利香さんんん!!

「あ、貴方達バカなの?もしやバレンタインという乙女の一大イベントを完全に舐めてない?」
鬼気迫る顔で桃華さんは言った。
ええ?そ、そんな…私だって男の人にチョコ贈るのなんか初めてだし…。

「しかも…彼氏に贈るやつよ?そんなクソ手抜きのチョコでいいの?本当に??愛を疑うわ!私が男だったらもはや義理チョコレベルよっ!!」
と頭を抱えた。そしてスマホを取り出して

「せめてこう言うのにしなさいよ!バカ女共!」
とそこに載っていたのは…苺とブルーベリーと飾りの乗ったザッハトルテとか言う名前のチョコレートコーティングされたケーキみたいなのだった。
女子力…!これが女子力の結晶かー!!

「す、凄え…何だこれ…チョコレートケーキの王様とか書いてあるぞ!!」
私と枝利香さんに衝撃の雷が落ちた。

「ふ…教えてあげてもいいけど…明日は本番だしぃ…桃華も昴に作りたいからそこは頑張ってね?二人ともっ!ふぁいおー!」
と言われた。
確かにこれは一人で作らないともはや意味がない…!私がバカだった!まさかバレンタインに女子達がこんなに全力出してるなんて!!型抜きハートのチョコでいいかななんて甘い考えでいた自分を殴りたい!

スーパーに着くと私達は気合いを入れてチョコレートケーキの材料を探した。しかし…

「え?何これ?ビターチョコが…無い…??」
そんなバカな…売り切れ?え?

「……おかしいなぁ??いつもなら沢山あるし在庫だってあるはずなのに??」
桃華さんも首を傾げた。

しかし私達は気付かなかった。まさかE様親衛隊の女性店員が私達が売り場に来た時に商品を隠しているとは!!



「何?ビターチョコが売り場に無いだと?…やはり親衛隊とか言う奴等の仕業かっ!」

「諦めて皆様は次のお店にチョコを求めて行かれました」

「先回りして、不審な女や店員を見張るんだ!」

「了解しました!」
と電話を切る。
クソっ!なんて厄介な女達だ!

「坊っちゃま!私が偽会員としてネットで調査したところ、親衛隊はドローンで上空から彼女達の行動を把握しているようです!そして潜り込ませた店員や客を装い売り場に着く頃にはチョコの材料が消えていると言うことです!」

「やはりかっ!ドローンまで使うなんて!何て女達だ!!こちらも作戦を決行しろ!」

「はっ!!」



私達が次のお店の売り場に着くとまたしてもチョコレート売り場の材料は空だった。

「あれ?ここもー?」

「おいおい、まじかよ?今年は手作り派が多いのかね?」
枝利香さんもがくりと肩を落とした。
しかしそこに救世主が現れた。

「何かの不穏な気配を辿って来てみれば…貴方達だったのね?」

「桜庭さん!!」
蒼太郎さんの彼女の桜庭さんが現れた。

「もしかして貴方達も明日の闘いに備えて準備をしているのかしら?そうよね…私もつい、ドロップアイテムを集め過ぎてしまったわ!これ、良かったらお裾分けしてあげるわ!」
と山のようにあるビターチョコを渡された。
ええっ!この人どうしてこんなに!!

「あのっ…いいんですか?」

「くれるって言うなら貰うけどよ…」

「やったー!これで作れるねー!」
と皆は喜ぶ。

「喜んでくれて嬉しいわ!後はラッピング用…あー…高性能バリアをゲットしに行かない?私もそっちはまだなのよ、できれば状態異常を完治できるような付加つきの…」
と一行はラッピング売り場に向かった。そして愕然とした。ギッシリと女の人が埋まっていて一人レジに向かうとまた一人埋まり、とても近づけない。

「おい、どうするよ?」
と困っているとドヤドヤとおばさん軍団がやってきた。

「ここだよ!ここ!可愛いラッピングがあるんだってさ!」

「あたしも娘から頼まれててねよいしょっ!と!」
と無遠慮に若い女性たちを押し除け始めたおばさん軍団。

「んんー?どれがいいかね?あ…ちょっと!そこの!あんた達おいでよ!どれがいい?」
と私達を呼んだ。
そして私達はおばさんに紛れて何とか自分達のもゲットできたのであった!

気分も良く私達が外に出た瞬間、バイクでヘルメットを被った女が私の荷物を奪った!
ええええええ!!

「ひ、ひったくりー!!」
財布は取られてないのに材料を取られたよ!!
しかしそこに謎の精鋭部隊がバイクを取り囲んだ!

「止まれ!止まらないと撃つぞ!!」

「くっ!何なのあんたら!もう少しだったのに!」
女は最後の手段と袋を地面に叩きつけようとしたがいち早く腕を抑えられ女は地面に組み敷かれた。
荷物は無事で謎の精鋭の一人が袋を持ちこちらへやってきて

「あの女はひったくり常習犯です!我々は万引きGメンです!お荷物お返しします!」
と彼等は女を引き連れ姿を消した。
え?Gメンってあんなに武装してるんだ…。



「作戦成功!桜庭氏の協力とおばさん軍団に精鋭部隊が親衛隊の女共の阻止に成功しました!後は帰り道も道路工事やアンケートなどで親衛隊の女を引き止めます!」

「よくやった!明日もよろしく頼む!!」
と僕は電話を切った。
そして時奈さんの帰りをキナコを撫でながらニコニコと待った。

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