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彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第42話 来ないライメと電話

サントリーニ島からようやく帰ってきた私は帰りの飛行機内でも結局彼に甘えられイチャイチャ度が増してたけど、
私がもうやめてと言うとちゃんとやめてくれるしそこはよく躾れたなと思う。
ふっ、イケメンを手名付けるとは私も悪よのう。
まぁ、悪の組織の戦闘員Eの彼女だからね。

一人でゆっくりする時間もあるし、枝利香さんと話す時間も取れた。
彼も鳴島さんと話したりする時あったし。
か…彼か…。そう、ようやく彼氏なのだと実感してきた。
栗生院くんは浮気するタイプではないと感じるしほんとに私なんか愛してもらって申し訳ないけどほんとに全国の女子さんごめんなさい!

高級マンション前まで送られて

「それじゃ、旅行疲れ癒してね、また連絡するから…スマホの電源入れといてね?」
そっか、もう日本だから電源入れとかなきゃ。
私はスマホを出して電源を入れた。イケメンの顔が浮かぶ。

「あっ…島で二人で撮った画面に変えておこう待ち受け!」
と栗生院くんがスマホを取り上げてセットしだす。旅先で撮った身を寄せて恥ずかしかった一枚だ。
サントリーニ島の街をバックにラブラブな待ち受けにされた。
ひいいっ!電源入れる度に恥死案件なんて!そちも悪よのう!

「変えたらダメ?」

「うん…変えたら…おしおきだよ?」

「えっおしおき?爆破じゃないの?」

「爆破はもう古いな…そうだな…うーん…僕の愛の奴隷にでもなってもらおうね」
とにこりととんでもないことを言い出した!
恋人から奴隷だと?いや、なんだそれは??

「ふふっ、何でも言うこと聞いてもらうってかんじかな…」

「半分くらいもう何でも聞いてるつもりなんだけど?」

「でも奴隷じゃないよ恋人だもん…時奈さんは」
くっ!そんな台詞を言われるとできやしない!
待ち受けを変えるなんて絶対にできやしないよ!!何というイケメン策士!!

「変えないよ…」
と言うと嬉しそうに栗生院くんは
私を引き寄せ口付けて

「それじゃ…ゆっくり休んでね?また会おうね…」
と言い、名残惜しく去っていく。

部屋に戻り私はちょっとにまにましながらお土産のロバを抱きしめたりした。
はあっ、これが幸せ?
イケメンの彼氏がいて大事にされて世界中の女子を敵に回してもいいくらいの幸せ絶頂期だ!!
どうしよう…こんな幸せ過ぎていいの?やばい!他人が聞くと絶対にイラっとするぞ!
ああ、ごめんなさい!私ごときが!
でも待ち受けを見ると彼と私のツーショットがある。

「えへへへへ♡」
自分でも気持ち悪い笑いが出る。
時奈!お前ってやつはどうしちまったんだ?さては幸せボケたな?今なら捨てられる気はしないぜ!!

と笑っていてお風呂に入ってもサントリーニ島で撮った旅行の写真をずっと眺めていた。
枝利香さんと撮った写真もある。これ写真屋さんで印刷できるのかな?スマホで撮った写真を印刷したことがない…。
栗生院くんに聞いてみようかな…とライメをしてみる。

(吉城くん、旅行の写真を印刷したいです、印刷したことがないのでまた教えてください)
と打って送信した。
いつもなら結構すぐに返ってくるんだけど今日は中々こない。
??
珍しい。何か用事かな?

お風呂から上がり栗生院くんのライメで一応お休みと送ってみたけどやはり既読はつかない。
うーん?ちょっとおかしいな?
と私は感じて電話をかけてみることにした。
すると……

「お客様のおかけになった電話は電波の届かない所にあるか電源が入っていないためかかりません」
とのコール音がした。

「えっ??どう言う…こと??」
それから…枝利香さんから電話がかかってきた。

「時奈?ちょっとニュースつけろ!!」

「えっ?ど、どうしたの?」

「いいから早く!!」
テレビをつけると

【悪の組織秘密結社ダークスカル壊滅!幹部・総帥を逮捕!】
との見出し!

「えええええ!?どういうこと?悪の組織壊滅って!!」

「栗生院から連絡あったか?鳴島さんとも繋がらねーんだ!!」

「ええっ?鳴島さんも?わ、私もさっき電話したけど繋がらなかった…」

「まじかー…こりゃちょっとやべえなぁ…」
悪の組織壊滅なんて…そんな…下っ端である戦闘員Eの栗生院くんも投獄されちゃうってこと?そ、そんなっ!
つい数時間前まで幸せに笑ってキスして別れたのにあれが…最後なの?
やっぱり島での生活は神様が私にくれた夢だったの??

そして彼に会えなくなり1週間が過ぎた。ライメも連絡もないまま。ただ虚しく時間だけが過ぎる。
スマホの待ち受けで私と笑ってるのを見てポタリと滴が落ちて、雨かと思ったら私の涙だった。

どうして連絡がないの?本当に捕まっちゃったの?どうしたらいいの?これから…
枝利香さんも探してるみたいだけど、そもそも私は栗生院くんの家すら知らない。
もっと聞いておけば良かった。

そこでトボトボ帰る私の前にスッと白い高級車が止まった。
中から

「やあ、大福ちゃん…元気ないね?どうしたの?」
とレッドさんこと小高さんが出てきた。

「なっ…なんですか?レッドさん…」
するといつの間にか私の横に立っていて肩を抱かれた。反射的にゾワリとしてばっと振り払って離れる。
うう、こんなイケメンだけど気持ち悪いって思ってしまった!栗生院くん以外に触られたくない!

「おや?どうしたの?僕に触られたくない?珍しいね」

「私は彼氏がいるので!変な接触は困ります!」
また発信器でもつけられているかも後で確認しなくちゃ!と私の勘が叫んだ。

「へえ?そのイケメン栗田くんどこにいるの?いつも君にべったりだったじゃない?」

「そ…それは…」

「まぁいいけどさ、君の今のマンションさ、僕が買い取らせてもらったから…悪いけど今月中に出てってくれる?俺があのマンションのオーナーになったってことさ…」

「は??」
わけがわからなくなった。
何で…それってやっぱり栗生院くんが捕まったから?

「あ、それとも別に住んでていいんだよ?君が俺の愛人になるならね?」
とウインクする。

「…っっっ!今月中に出て行きます!!」
思わずおぞましくてそう言うとレッドさんは肩をすくめた。

「そう…大福ちゃんはやっぱり何も知らないんだなぁ…可哀想にね…それじゃ、話はついたね、酷だけど今月中によろしくね!」
とレッドさんは白高級車で去って行った。
何なの何が起こってるの?

栗生院くん…どこなの?私は灰色の降りそうな空を見上げた。

「吉城くん…どこにいるの?」

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