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彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第38話 本番までのカウントダウン

朝から私の心臓は緊張でドキドキしていた。
ついに今日栗生院くんと!!
き、きゃーーーっ!!!
私にもこんな乙女な部分あったんだ!?
そりゃもう17年間生きてきてこんな豪華な旅をしていることやハイスペックなイケメン彼氏がいることすら神々の悪戯なんじゃないかとさえ思えてくる。

しかも正体は悪の組織の戦闘員Eで強いしカッコいい。
ヒーローよりカッコいい。

「おはよう時奈さん!」
部屋から出るとイケメンが爽やかに挨拶しながら待っていた。
これから朝食を食べ、部屋で水着に着替えて上の階のプールに行くことになっている。
キスまで残り10時間?

「シェフ!蜂蜜を使った料理はないよね?」
栗生院くんが一応念のために聞いて

「もちろんでございます!栗生院様!」
と日本語も上手い褐色のイケメンギリシャ人シェフと会話する。
出された料理もやはり最高に美味しい。
ちょっと離れた所に枝利香さんと鳴島さんが朝食を取っていた。
枝利香さんは幸せそうだからほっとこう。

「朝食を食べたら部屋で着替えて待ってて?迎えに行くから」
と私の王子様が優しく微笑む。
ふぐっ…喉につっかえるわ!

「あ、あの…私…実はそんなに泳ぎは上手くないよ?競争しても負けるよ?」
と言うと栗生院くんが吹き出す。

「いやいや、知ってるけど、競争する気だったの?」
ヤバイ、またアホだと思われたわ。
よく考えたらそんなことする人はいないだろう。

「泳ぎが下手なら僕が教えてあげるから心配しないでお姫様」
と言われて顔から木っ端微塵に爆発しそうになった。

「うう…」
と俯いた。

朝食を済ませて私は部屋で白の花柄のワンピース水着を着てその上からパーカーを羽織り水着の上から着れるスカートを履いた。
ビーチサンダルも用意して準備万端になったところに栗生院くんが迎えにきた。
白いTシャツに下はクロップドパンツを履いている。

「お昼まで少し泳いでお昼を食べたらのんびりしながら15時頃になったら部屋に戻ってシャワー浴びて着替えてまた待っててね、夕日はテラスで見ようか」
と言うのでああ、プールサイドで見るんじゃないんだと思った。

「うん、わかったよ」

「じゃあ行こうか」
と栗生院くんは腕を差し出した。
!!
こっこれはもしや!イケメンのエスコート的なやつ!!私みたいのに!!
とりあえずおずおずと腕を組んで歩き出した。
ああ、視線が痛い!美男とダサメガネの組み合わせ!浮く!

「あっ!待って!タオル忘れたかも!!」
と慌てると

「そんなのプールサイドにあるから大丈夫だよ?」
とまた笑われた。

そして白い階段を登りプールサイドに着くとまた絶景だった。
エーゲ海とプールの境界線はあるが中に入るとまるでエーゲ海泳いでるみたいな気分になること間違いない。
白いパラソルの下に白いテーブルと椅子がありそこで軽食や昼食を取れるようになっている。
日陰部分には寝そべれるようにサイドベッドも置かれている。

「こっちで日焼け止めしておこうね」
と言われて、え?そんなっ!まさか!
栗生院くんがぬぬぬぬ塗ってくれて私も塗り返すのののの?
と恥ずかしい妄想をしていたらなんか変なタケノコ型の機械の前に連れてこられた。

「何これ?」

「ああ、全自動日焼け止めマシンだよ。10秒で全身スプレー塗布してくれるよ」

「えっっ!!10秒!?すごっ!!」
ななな、なんですとっ?なんと言う物だ!
と、同時に恥ずかしい想像をしてしまった私はさらに恥ずかしくなった。

「はっ、まさか僕が塗ってあげた方が良かった?」
と少し赤くなりながら言うので

「ななな、何のこと?ここ、これでいいし!!」
と慌てて首を振った。
栗生院くんはTシャツとズボンを脱いで海パン姿になり、脱いだ服はスタッフに渡していた。
女性スタッフも横におり、私はこの人にパーカーやらを渡すのかな。
そして本当に10秒で全身日焼け止めスプレー塗布を終了した栗生院くんが出てきて色気が半端ない。
女性スタッフのゴクリと言う生唾音までしたわ!!

「じゃあ時奈さんの番ね、中にSPF値と身長を設定してね」
と説明され
私はとりあえず女性スタッフにパーカーやスカートやメガネを預け、日焼け止めマシンに入った。
SPF値を40にしておく。するとスプレーミストが全身にかかる。
おおお!凄いわ!楽だわ!10秒は楽だわ!!
感動しつつマシンから降りると栗生院くんが待っていて手を指し出したのがわかる。
…というかここで気づいたわ。
プール入る時メガネ外すじゃん!!
あんまり見えないじゃん!!!
致命的なことに気付いたわ。
まぁ上がれば見えるけど、近眼な私は遠くがボヤリとしか見えない。
近くのイケメンは何とか見える。

「あっ、大丈夫?つつ、捕まっていいからねっ?」
と慌てて転び防止に接近され肩を抱かれ流石に恥ずかしくなる。

「足元や近くの栗生院くんは見えるよっ」
と言うと彼は

「ああ、そう?でも一応ね?」
と支える。

スタッフは荷物をベッドの横に置いて下がり二人になる。
ひいいい!早い!早いよ!もう二人きりかよ!!すると耳元で

「水着が似合ってて可愛い過ぎる…」
と囁かれ一気に体温上がる。
ひいっ!攻撃が早速きたよ!!
【水着が似合ってて可愛い過ぎる】魚雷発射されましたあ!!

「足元に気を付けてね?」
とそろそろ進み、プールの淵にたどり着く。
ゆっくり水に入り、気持ち良さを実感する。この国は暑いから最適だ。

「メガネのこと盲点だったね、ごめんね?あまり遠く見えないよね?折角の絶景が」

「でも大丈夫だよ、さすがに裸眼では遠くは見えないけど上がってメガネをつけると見えるよ」
と言うとまた笑われた。

「うん、当たり前だよねそれ!あはは!」
ぷうっと膨れ水をはらいせにパシャりとかけてやると反対にかけられしばらくパシャパシャと笑いながらやり取りをした。
何これ?これがリア充!!?

プールは足がついて胸より少し下くらいまで水がある。

「時奈さんビーチボールがあるし浮き輪もあるからね」
といつの間にかズラリと浮き輪とビーチボールがあった。

「競争はできないけどね」
と軽くボールを投げられる。むむっ!近眼だってのに意地悪イケメンめ!
でも近くに来るとなんとかボールが見えるので投げ返そうとして盛大に外す。
おあおおおああ!
また恥の上塗りだ。
ここはもっときゃっきゃっウフフするところなのに外したわ!

「ああ、やっぱり無理だったね?ごめんごめん」
と笑い声が聞こえムキになりヘロヘロ投げ返す。全然届かんし!!
とりあえず届く所まで栗生院くんが泳いできて

「このくらいの距離なら平気そうだね」
とかなり近い所からボールを投げるのでバカみたいに思えるけど彼が楽しそうなのでいいかとしばらく付き合う。

と何度かボールを打ち合い、おいいい!いい加減飽きるからあああ!
でもにこにこ幸せそうだしまだやるの?これ?
私があらぬ方向へ飛ばしてもすぐにボールを取ってくる彼はまるで犬みたいに思えてきた。
こんなイケメンな犬はいないけど。
と疲れてきた所で栗生院くんはようやく防水時計を見て

「そろそろ上がってお昼にしようか?」
と言った。
そしていつの間にか近くにタオルが置かれておりもうスタッフは忍者なんかな?と思えてくる。
しかしそこでプールから先に上がろうとしてつるりと足を水の中で滑らせてしまう!
咄嗟に彼は後ろから支えてくれる。
ドキドキしてしまう。

するとバチンと音がして振り向くと

「危ないよ?滑るから気を付けて」
と彼は自分の頰を叩いていた。
???蚊でもいたのかな?

キスまで残り5時間くらいか…。

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