異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。
第79話:逆転
皇紀2223年・王歴227年・早春・ロスリン城
「御隠居殿、首都地方周辺だけでなく、海を渡らなければいけない遠く離れた本拠地まで、敵対していた貴族や騎士に攻め込まれているのです。
とてもではありませんが、アザエル教団まで敵に回す余裕はありません」
「困りましたね、それは本当に困りました。
実はエレンバラ皇国名誉侯爵に、フィッツジェラルド宰相家から同盟の打診があるのですよ、フリーク侯爵殿」
「まさか、その同盟の打診を受けると言われるのですか」
「いえ、いえ、最初に和平交渉をすると約束しておりますから、交渉が終わるまでは同盟を締結する気はありませんよ、フリーク侯爵殿」
「それは、和平交渉が纏まらなかったら、フィッツジェラルド宰相家と同盟して、我がカンリフ一族と戦うと言う事ですか」
「それは当然の事なのではありませんか、フリーク侯爵殿。
何の名分もなく、いきなり攻め込んで来たのはそちらですよ。
本来なら皇都を含む二つ三つの地方を割譲してもらって当然なのです。
それを、とても僅かな金と食糧を皇帝陛下に賠償するだけですませているのです。
後はカンリフ一族と一緒に、御父上の仇を一緒に討とうと言う、そちらに十分配慮した同盟依頼ではありませんか。
それすら断るような相手を信じて、何の得もない条件で和平を結ぶくらいなら、フィッツジェラルド宰相家と同盟して皇都地方とエリバンク地方、状況が許すのならロロ地方とブルース地方とネイピア地方を切り取るのが貴族と言うモノでしょう」
「今一度、今一度だけお待ちいただけませんが、御隠居殿。
次の交渉までには、エレンバラ皇国名誉侯爵殿が納得してくださる条件を整え、提示させていただきます」
「それは困りましたね、前回もこれが最後の交渉だと言わせていただきました。
フィッツジェラルド宰相家に四日後までに返事を届けると約束しています。
いや、正直に話しましょう。
もうこの城には、フィッツジェラルド宰相家の使者が滞在しているのですよ。
最大待っても三日です、それ以上は待てませんよ。
往復の時間を考えれば、カンリフ一族で話し合えるのは一日しかないのではありませんか、本当に大丈夫ですか」
「魔力を使って、足らなければ魔晶石の魔力を使ってでも、往復の時間や一族が集まる時間を短縮して、納得していただける条件を整えさせていただきます。
ですから、どうかそれまでフィッツジェラルド宰相家への返事は待って頂きたい」
「フリーク侯爵殿は歴戦の戦士ですから、わざわざ口にする必要などない事ですが、念のために言わせていただいておきます。
四日後と期限を切らして頂いている以上、その時がきたら、即座に攻め込める準備ができていると思っていただきたい。
カンリフ一族が兵力不足で備えていない場所に攻め込める準備ができている、と覚悟しておいていだ抱きます。
同時に、フィッツジェラルド宰相家が和平交渉の締結を邪魔するために、攻勢を強めると同時に、使者が我が家に辿り着けないように、刺客を放つでしょう。
我が家としては、それを邪魔する気はありません」
「領内にフィッツジェラルド宰相家の刺客が入り込んでも見逃して、我らを狙わせるという事ですか」
「そのような卑怯なマネはしません。
私は兎も角、エレンバラ皇国名誉侯爵はそのような卑怯なマネは絶対にしません。
ですが、カンリフ公爵軍との対峙やアフリマン影衆に対する備え、各領境の防備にアザエル教団から奪った四つの地方の完全制圧と統治、更には和平交渉が決裂した時の為の侵攻軍の配備。
とてもではありませんが、領内に十分な諜報警備網を維持できない状況です。
完全に安全なのは、城や町村の周辺だけなのですよ。
ですから、これはエレンバラ皇国名誉侯爵の従弟がいるフリーク侯爵殿へ厚意で忠告させていただきます。
無理に和平を纏めようとするよりは、残る四日で放棄する地方と維持する地方を考えられて、兵の配置を変えられてはいかがですか」
「……御忠告痛み入ります。
直ぐに立ち返って公爵と話し合わせていただきます」
「御隠居殿、首都地方周辺だけでなく、海を渡らなければいけない遠く離れた本拠地まで、敵対していた貴族や騎士に攻め込まれているのです。
とてもではありませんが、アザエル教団まで敵に回す余裕はありません」
「困りましたね、それは本当に困りました。
実はエレンバラ皇国名誉侯爵に、フィッツジェラルド宰相家から同盟の打診があるのですよ、フリーク侯爵殿」
「まさか、その同盟の打診を受けると言われるのですか」
「いえ、いえ、最初に和平交渉をすると約束しておりますから、交渉が終わるまでは同盟を締結する気はありませんよ、フリーク侯爵殿」
「それは、和平交渉が纏まらなかったら、フィッツジェラルド宰相家と同盟して、我がカンリフ一族と戦うと言う事ですか」
「それは当然の事なのではありませんか、フリーク侯爵殿。
何の名分もなく、いきなり攻め込んで来たのはそちらですよ。
本来なら皇都を含む二つ三つの地方を割譲してもらって当然なのです。
それを、とても僅かな金と食糧を皇帝陛下に賠償するだけですませているのです。
後はカンリフ一族と一緒に、御父上の仇を一緒に討とうと言う、そちらに十分配慮した同盟依頼ではありませんか。
それすら断るような相手を信じて、何の得もない条件で和平を結ぶくらいなら、フィッツジェラルド宰相家と同盟して皇都地方とエリバンク地方、状況が許すのならロロ地方とブルース地方とネイピア地方を切り取るのが貴族と言うモノでしょう」
「今一度、今一度だけお待ちいただけませんが、御隠居殿。
次の交渉までには、エレンバラ皇国名誉侯爵殿が納得してくださる条件を整え、提示させていただきます」
「それは困りましたね、前回もこれが最後の交渉だと言わせていただきました。
フィッツジェラルド宰相家に四日後までに返事を届けると約束しています。
いや、正直に話しましょう。
もうこの城には、フィッツジェラルド宰相家の使者が滞在しているのですよ。
最大待っても三日です、それ以上は待てませんよ。
往復の時間を考えれば、カンリフ一族で話し合えるのは一日しかないのではありませんか、本当に大丈夫ですか」
「魔力を使って、足らなければ魔晶石の魔力を使ってでも、往復の時間や一族が集まる時間を短縮して、納得していただける条件を整えさせていただきます。
ですから、どうかそれまでフィッツジェラルド宰相家への返事は待って頂きたい」
「フリーク侯爵殿は歴戦の戦士ですから、わざわざ口にする必要などない事ですが、念のために言わせていただいておきます。
四日後と期限を切らして頂いている以上、その時がきたら、即座に攻め込める準備ができていると思っていただきたい。
カンリフ一族が兵力不足で備えていない場所に攻め込める準備ができている、と覚悟しておいていだ抱きます。
同時に、フィッツジェラルド宰相家が和平交渉の締結を邪魔するために、攻勢を強めると同時に、使者が我が家に辿り着けないように、刺客を放つでしょう。
我が家としては、それを邪魔する気はありません」
「領内にフィッツジェラルド宰相家の刺客が入り込んでも見逃して、我らを狙わせるという事ですか」
「そのような卑怯なマネはしません。
私は兎も角、エレンバラ皇国名誉侯爵はそのような卑怯なマネは絶対にしません。
ですが、カンリフ公爵軍との対峙やアフリマン影衆に対する備え、各領境の防備にアザエル教団から奪った四つの地方の完全制圧と統治、更には和平交渉が決裂した時の為の侵攻軍の配備。
とてもではありませんが、領内に十分な諜報警備網を維持できない状況です。
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ですから、これはエレンバラ皇国名誉侯爵の従弟がいるフリーク侯爵殿へ厚意で忠告させていただきます。
無理に和平を纏めようとするよりは、残る四日で放棄する地方と維持する地方を考えられて、兵の配置を変えられてはいかがですか」
「……御忠告痛み入ります。
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