僕らの現実

アキノミズキ

【日記】2021年9月12日

今日は、彼とのデート。
多分、これが最後。
今日という一日を、目一杯楽しもうと思う。
だから、デート中に彼に内緒でこの日記を、その時に思ったことを、そのままの気持ちを書いて行こうと思う。

待ち合わせ場所のカフェ、着くと君はもう待っていた。
私だって約束の時間の1時間も前に着いたのに、テーブルには、もうほとんど空になったカップがある。
いったいどれだけ前から待っていてくれたんだろう。

君がこっちに気づいて声をかけてくれた。
満面の笑みで、すごく可愛い。
今日も綺麗だねって褒めてくれた。
いつもいつも、こっちが照れるくらいにストレートに、、、本当に大好き。

カフェでコーヒーを、君ももう一杯注文し、約1ヶ月ぶりの顔を合わせた会話を楽しんだ。
久しぶりなのに、そんなことを感じさせないような、昨日の続きみたいな雰囲気で、君がずっとお話してくれる。
楽しそうに笑う君の顔を、私はただただ眺めてる。
この時間が、すごく幸せ。

移動を始めた。
今日、どこに連れていってくれるのかは、教えられていない。
それでも、何となく、分かるんだけどね(笑)

数十分走り続ける車の中で、君は私に退屈させないように気を使ってくれる。
お話も、ステレオから流れている音楽もそう。
細かい気配り。ぶきっちょな優しさ。どれもこれもが、思いやりに溢れていて、可愛らしく、愛おしい。

だから、私は君が大好きなんだ!!!!

ずっとずっと、一緒に居たい
って感じる。君がおじいちゃんになって、私がおばあちゃんになって、顔も手もシワシワのヨボヨボになって
そんな未来を思い浮かべちゃう。

……無理なのに。

あ、ようやく着くらしい。
やっぱり、このお花畑だ(笑)

私が、一生に1回でいいから行ってみたいって、何かのテレビ番組見ながら、ほんとにボソッと呟いただけだったのに、ちゃんと聞いてくれている。

私は幸せ者だぁ

嘘、ついちゃった。
来年も一緒に来よう。
そんなの、無理なのに。
私のバカ……。
ごめんなさい。

今日一日、幸せだった。
私の人生は、幸せな人生だった。
最期まで彼と人生を歩むことが出来なかったのが、悔しくてたまらない。
でも、君は、新しい人を見つけて、ちゃんと幸せになって欲しいって思う。

もしも、これを読んだなら、今からでも、ちゃんと別の人と幸せになってね!!

大好きでした。愛してました。

違う。

ずっとずっと、愛してます。

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