404号室の旅人
第0話 〜前編〜
ハスミ「ちょっと、、、ここ何処?」
電車を降りると木造の駅だった。
『きさらぎ駅』と書いてあった。
ハスミ「、、、知らない駅だわ、、書き込みしとこう。」
ハスミは昔から自分に不思議な能力がある事を知っていた為、ネットを使ってよく情報収集をしていた。
オカルト掲示板等にも目を通していたので、今自分がしている不思議な体験をネットに書き込んでいた。
「降りてしまいました。木造で無人駅みたいです。、、、確か電車に乗った時刻は11時40分だったと思います。もうあれから1時間以上は経ってます。」
「戻ろうと思って時刻表を探しているのですが見当たりません。電車はまだ停車していますがもう一度乗ったほうが良いでしょうか?、、、、と書いてるうちに出発して行ってしまいました。降りたのはどうやら私だけみたいです。」
「電波は届いているみたいなのですが電話をかけてもノイズが凄くて話せません。現在地を調べようとしましたが何も表示されません。充電も心許ないです。駅の外は草原と山があって他には何もないです。」
「線路を歩いて行けばどこかに着きますかね?少し歩いて辺りに人が居ないか探してみようと思います。」
線路に降りようとしたその時だった。
「お〜い!そこを歩いちゃダメだよ!」
突然の声に驚いて振り向くと白い杖を持った老人が立っていた。
頭は白髪で腰が曲がっていて、黒いジャンパーを羽織っている。
ハスミ「え?誰?」
スマホですぐに書き込む。
「線路を歩こうとしたら お〜い!そこを歩いちゃダメだよ! って後ろの方から人の声がしました。振り向くと杖をついたおじいさんが数メートル後ろに居ました。少し不気味だけどここが何処とか、帰り方とか、聞いてみようと思います。」
ハスミは老人の元に歩いていく。
ハスミ「あの、、おじいさん、、ここ、、どこですか?」
ハスミは少し怯えながら静かに尋ねた。
すると老人は笑顔で答えはじめた。
老人「あぁ、、、君が『ハスミ』さんだね?」
ハスミ「え?何で私の名前を知ってるんですか?」
老人「あぁ、、怖がらなくて良いよ、、って言っても無理だよね。」
そう言って老人は笑う。
老人「ここはね、、『きさらぎ駅』と言って、私が作った駅なんだ。」
ハスミ「おじいさんが?」
老人「厳密に言うと、、私の『能力』でね、、。ここは時間が無い世界、、、無いと言うか、、逆にどの時間とも繋がってる世界、、、まあ時の始発駅、、終着駅かな。」
どどどんっっ!!!! 『能力 時の最果て』
老人「君も能力者なんでしょ?」
ハスミ「、、それも知ってるんですか?」
老人「うん。実は君をここに連れて来て欲しいって『親友』に頼まれちゃってね。」
ハスミ「親友?」
老人「この先にトンネルがあるんだが、その先で君を待ってるって。」
ハスミ「あの、、その『親友』って誰なんです?私の知ってる人なんですか?」
老人「えっとね、、まあ詳しい話は彼から聞いてよ。私はこれから『時の迷子』達を元の時間に戻してあげないといけなくて、、。」
ハスミ「『時の迷子』?」
老人「この『きさらぎ駅』に迷い込んで来ちゃったり、まあ色んな時間の迷子さ。、、それよりトンネルへ向かっておくれ、私はこう見えて忙しいから、、。」
そう言うと老人はハスミをトンネルへと案内した。
ハスミはスマホに書き込みながらトンネルを歩いて行った。
「杖のおじいさんと話しているとトンネルへ行けば先に進めるとの事だったのでトンネルへと向かいます。」
「おじさんが言ってる事は理解し難い内容でしたが何となくは自分の置かれている状況は理解できました。」
「トンネルはそんなに長くなく、出口が見えている程度の長さです。トンネルを抜けると別のおじさんが立っていました。」
トンネルの先には白い乗用車が停まっていて、車の前にはスーツ姿の初老の男性が立っていた。
小太りでメガネをかけている。黒髪に若干白髪が目立つ。
ハスミ「あの、、、駅に居たおじいさんからここに来るように言われたんですが、、あなたが私に会いたがってる人?」
初老の男「はい、、、すみません、、こんな形でお会いする事になって、、僕は藤田と申します。」
ハスミ「藤田さん?」
藤田「立ち話もなんなんで、、近くの駅までお送りしますよ。」
藤田は車のドアを開けると後部座席にハスミを乗せて山道を走り出した。
車の中でハスミは書き込みをした。
「親切な方で近くの駅まで車で送ってくれる事になりました。」
山道を白い車が走っていく。
道路は舗装されているが獣道の様に木々が生い茂っていた。
ハスミ「あの、、、あなたは一体?」
藤田「今から話す事は信じ難い事ですが本当のことです。」
ハスミ「はあ、、。」
藤田「僕は未来から来ました。そしてそこで既にハスミさんと面識があり、今から行く場所で金髪の青年に会ってもらいたいんです。」
ハスミ「ちょ、、待って下さい!おじさんが未来から来た?金髪の青年?」
藤田「金髪の青年は、、まあ僕達の仲間みたいな者です。その青年が鍵を開けてくれるので、二人で洞窟から脱出して下さい。」
ハスミ「洞窟?何?」
藤田「青年の他にももう一人助けてくれる人が来ますので、その人の指示に従って下さい。」
ハスミ「ちょ、、、どうゆう事?全然理解出来ないんですけど?なんで私がそんな事しなきゃいけないんですか?」
ハスミは理解が出来ずに、尚も一方的に話してくるこの初老の男に段々腹が立ってきた。
ハスミ「ねぇ!勿体ぶらないでちゃんと説明しなさいよ!」
ハスミは大声を上げて前方の運転席を蹴った。
藤田はたじろぐ。
藤田(え〜〜〜?若い時のハスミさん、、めっちゃ怖い、、どうしよ、、上手く喋れないんだけど、、、。」
ハスミ「ねぇ!おじさん!聞いてる?」
藤田「、、、、、、。」
ハスミ「返事しろ!!」
藤田「、、、、、、、。。」
ハスミ「何?こいつ、、、。」
ハスミは再度掲示板に書き込んんだ。
「、、、、車に乗ったのですが、、先程よりどんどん山の方に向かってます。さっきまで話してくれていたのに、、全然話してくれなくなってしまいました。」
しばらく山道を走っていると藤田の腕時計のような装置に連絡が入る。
藤田「あ、、、はい、僕です。」
その装置はハンズフリーで話せる装置の様だった。
藤田「はい、、後部座席でめちゃくちゃ怒ってます。はい、、今です。え?本当に大丈夫ですかね?めっちゃ怖いですよ。」
ハスミ「おじさん?誰かと話してるの?」
藤田はハスミの問いかけを無視する。
藤田「はい、、その『世界時間』に連れて行きますね。あぁ、、、そうか、、だからあの時、、、はい、、、え?死んじゃわないですか?」
ハスミ「は?死ぬ?」
ハスミは危険を感じた。
咄嗟に書き込む。
「なんだかおじさんの様子がヘンです。先程から訳の判らない事を言っています。それに、、もう携帯のバッテリーがピンチです。、、、隙を見て逃げようと思います。いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします。心配してくれた方々ありがとうございました。」
書き込んだ瞬間、スマホのバッテリーが切れた。
ハスミ「嘘、、、、こんな時に。」
藤田「はい、、、じゃあ、、、それで、、。」
藤田は通信を切った。
藤田(あぁ〜〜本当に面倒だな〜、、でも自分の為でもあるし、、ついでに守らないといけないしな。)
藤田は後部座席を振り返った。
藤田「ハスミさん、、、じゃあ『行きますね』。」
ハスミ「は?行くって?」
瞬間目も眩む様な光に包まれた。
、、、、、、、
、、、、、、、、、
、、、、、つ、、、、
ハスミ「、、、、ここどこ?」
ハスミが気が付くと薄暗く、辺りは岩でゴツゴツしていた。どうやら牢屋の様な場所だ。
藤田の姿はそこに無かった。
ハスミ「ちょっと、、、、、ここどこだよ!!!!!!!」
ハスミは怒声を上げた。
電車を降りると木造の駅だった。
『きさらぎ駅』と書いてあった。
ハスミ「、、、知らない駅だわ、、書き込みしとこう。」
ハスミは昔から自分に不思議な能力がある事を知っていた為、ネットを使ってよく情報収集をしていた。
オカルト掲示板等にも目を通していたので、今自分がしている不思議な体験をネットに書き込んでいた。
「降りてしまいました。木造で無人駅みたいです。、、、確か電車に乗った時刻は11時40分だったと思います。もうあれから1時間以上は経ってます。」
「戻ろうと思って時刻表を探しているのですが見当たりません。電車はまだ停車していますがもう一度乗ったほうが良いでしょうか?、、、、と書いてるうちに出発して行ってしまいました。降りたのはどうやら私だけみたいです。」
「電波は届いているみたいなのですが電話をかけてもノイズが凄くて話せません。現在地を調べようとしましたが何も表示されません。充電も心許ないです。駅の外は草原と山があって他には何もないです。」
「線路を歩いて行けばどこかに着きますかね?少し歩いて辺りに人が居ないか探してみようと思います。」
線路に降りようとしたその時だった。
「お〜い!そこを歩いちゃダメだよ!」
突然の声に驚いて振り向くと白い杖を持った老人が立っていた。
頭は白髪で腰が曲がっていて、黒いジャンパーを羽織っている。
ハスミ「え?誰?」
スマホですぐに書き込む。
「線路を歩こうとしたら お〜い!そこを歩いちゃダメだよ! って後ろの方から人の声がしました。振り向くと杖をついたおじいさんが数メートル後ろに居ました。少し不気味だけどここが何処とか、帰り方とか、聞いてみようと思います。」
ハスミは老人の元に歩いていく。
ハスミ「あの、、おじいさん、、ここ、、どこですか?」
ハスミは少し怯えながら静かに尋ねた。
すると老人は笑顔で答えはじめた。
老人「あぁ、、、君が『ハスミ』さんだね?」
ハスミ「え?何で私の名前を知ってるんですか?」
老人「あぁ、、怖がらなくて良いよ、、って言っても無理だよね。」
そう言って老人は笑う。
老人「ここはね、、『きさらぎ駅』と言って、私が作った駅なんだ。」
ハスミ「おじいさんが?」
老人「厳密に言うと、、私の『能力』でね、、。ここは時間が無い世界、、、無いと言うか、、逆にどの時間とも繋がってる世界、、、まあ時の始発駅、、終着駅かな。」
どどどんっっ!!!! 『能力 時の最果て』
老人「君も能力者なんでしょ?」
ハスミ「、、それも知ってるんですか?」
老人「うん。実は君をここに連れて来て欲しいって『親友』に頼まれちゃってね。」
ハスミ「親友?」
老人「この先にトンネルがあるんだが、その先で君を待ってるって。」
ハスミ「あの、、その『親友』って誰なんです?私の知ってる人なんですか?」
老人「えっとね、、まあ詳しい話は彼から聞いてよ。私はこれから『時の迷子』達を元の時間に戻してあげないといけなくて、、。」
ハスミ「『時の迷子』?」
老人「この『きさらぎ駅』に迷い込んで来ちゃったり、まあ色んな時間の迷子さ。、、それよりトンネルへ向かっておくれ、私はこう見えて忙しいから、、。」
そう言うと老人はハスミをトンネルへと案内した。
ハスミはスマホに書き込みながらトンネルを歩いて行った。
「杖のおじいさんと話しているとトンネルへ行けば先に進めるとの事だったのでトンネルへと向かいます。」
「おじさんが言ってる事は理解し難い内容でしたが何となくは自分の置かれている状況は理解できました。」
「トンネルはそんなに長くなく、出口が見えている程度の長さです。トンネルを抜けると別のおじさんが立っていました。」
トンネルの先には白い乗用車が停まっていて、車の前にはスーツ姿の初老の男性が立っていた。
小太りでメガネをかけている。黒髪に若干白髪が目立つ。
ハスミ「あの、、、駅に居たおじいさんからここに来るように言われたんですが、、あなたが私に会いたがってる人?」
初老の男「はい、、、すみません、、こんな形でお会いする事になって、、僕は藤田と申します。」
ハスミ「藤田さん?」
藤田「立ち話もなんなんで、、近くの駅までお送りしますよ。」
藤田は車のドアを開けると後部座席にハスミを乗せて山道を走り出した。
車の中でハスミは書き込みをした。
「親切な方で近くの駅まで車で送ってくれる事になりました。」
山道を白い車が走っていく。
道路は舗装されているが獣道の様に木々が生い茂っていた。
ハスミ「あの、、、あなたは一体?」
藤田「今から話す事は信じ難い事ですが本当のことです。」
ハスミ「はあ、、。」
藤田「僕は未来から来ました。そしてそこで既にハスミさんと面識があり、今から行く場所で金髪の青年に会ってもらいたいんです。」
ハスミ「ちょ、、待って下さい!おじさんが未来から来た?金髪の青年?」
藤田「金髪の青年は、、まあ僕達の仲間みたいな者です。その青年が鍵を開けてくれるので、二人で洞窟から脱出して下さい。」
ハスミ「洞窟?何?」
藤田「青年の他にももう一人助けてくれる人が来ますので、その人の指示に従って下さい。」
ハスミ「ちょ、、、どうゆう事?全然理解出来ないんですけど?なんで私がそんな事しなきゃいけないんですか?」
ハスミは理解が出来ずに、尚も一方的に話してくるこの初老の男に段々腹が立ってきた。
ハスミ「ねぇ!勿体ぶらないでちゃんと説明しなさいよ!」
ハスミは大声を上げて前方の運転席を蹴った。
藤田はたじろぐ。
藤田(え〜〜〜?若い時のハスミさん、、めっちゃ怖い、、どうしよ、、上手く喋れないんだけど、、、。」
ハスミ「ねぇ!おじさん!聞いてる?」
藤田「、、、、、、。」
ハスミ「返事しろ!!」
藤田「、、、、、、、。。」
ハスミ「何?こいつ、、、。」
ハスミは再度掲示板に書き込んんだ。
「、、、、車に乗ったのですが、、先程よりどんどん山の方に向かってます。さっきまで話してくれていたのに、、全然話してくれなくなってしまいました。」
しばらく山道を走っていると藤田の腕時計のような装置に連絡が入る。
藤田「あ、、、はい、僕です。」
その装置はハンズフリーで話せる装置の様だった。
藤田「はい、、後部座席でめちゃくちゃ怒ってます。はい、、今です。え?本当に大丈夫ですかね?めっちゃ怖いですよ。」
ハスミ「おじさん?誰かと話してるの?」
藤田はハスミの問いかけを無視する。
藤田「はい、、その『世界時間』に連れて行きますね。あぁ、、、そうか、、だからあの時、、、はい、、、え?死んじゃわないですか?」
ハスミ「は?死ぬ?」
ハスミは危険を感じた。
咄嗟に書き込む。
「なんだかおじさんの様子がヘンです。先程から訳の判らない事を言っています。それに、、もう携帯のバッテリーがピンチです。、、、隙を見て逃げようと思います。いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします。心配してくれた方々ありがとうございました。」
書き込んだ瞬間、スマホのバッテリーが切れた。
ハスミ「嘘、、、、こんな時に。」
藤田「はい、、、じゃあ、、、それで、、。」
藤田は通信を切った。
藤田(あぁ〜〜本当に面倒だな〜、、でも自分の為でもあるし、、ついでに守らないといけないしな。)
藤田は後部座席を振り返った。
藤田「ハスミさん、、、じゃあ『行きますね』。」
ハスミ「は?行くって?」
瞬間目も眩む様な光に包まれた。
、、、、、、、
、、、、、、、、、
、、、、、つ、、、、
ハスミ「、、、、ここどこ?」
ハスミが気が付くと薄暗く、辺りは岩でゴツゴツしていた。どうやら牢屋の様な場所だ。
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