体験奇談猫又日記

猫又

高速出口付近

約二十年程前に仕事で福島に移動。

上司を助手席に乗せ快適に走っていた。

出発が遅くなり、東北道の福島出口付近で既に夜十時頃なってしまった。

真っ暗な中、左にウィンカーを出し出口へ。

カーブを曲がり始めた直後、左のガードレールの外側にヘルメを被り、何やらボードを持った作業員が此方を見て立っていた。

突然ライトに映し出された作業員に驚き、

うわぁ!

助手席の上司がどうした?と



直後作業員と目が合い、作業員がスミマセンって顔して軽くお辞儀。

自身も合わせ軽くお辞儀。


どうしたんだよ!と上司


いや~あんな所に作業員居ると思わなかったからビックリしましたよ~

はぁ?居ないよ?

いや!居ましたって!

居ないよ!

数回押し問答している間に料金所に到着。

以前はETCも無く、カードか現金の時代。

押し問答で多少イライラしていた自身は料金所の方に。

いや~カーブの所に作業員居てビックリしましたよ~
工事してる感じも無かったし~

いや誰も居ない筈ですよ。

え~居たよ?

工事が有る場合や料金所以上高速道路に入る場合は必ず連絡有りますから、今は居ません。


いや居たって!

カチンと来たのでしょう。
料金所の方が荒い口調で。

道路公団は日曜日は作業しませんから!と怒鳴られた。

上司にいいから動けと促され動き出した。

目の前の信号待ちで上司から。

猫又、作業員と目が合ったんだろ?

合いました。

なら、動き出したら対向車の運転手見てみな。


はい。

一台……ニ台………三台………

あの~
相手の顔、真っ暗なのとライトが眩しいので全く見えません……


そうだろ?昼間なら解るが夜見える訳無いんだよ。

でも……目が合いお辞儀し合ったんですよ

お前はあの世の方に会ったんだよ。まあ納得したならそれ以上気にするな。

はい。



実は上司の奥様も見える方なので、日常茶飯事なのだと。

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