追放から始まる成り上がり

時雨古鷹

魔法教員

「疲れたぁ」

俺がそう叫ぶと笑いが起きる。すると陛下が俺のところまで下りてきた。俺は急いで臣下の礼をとる。

「気楽にしてよいぞ。それにしてもよくやったな。ハルトよ。それにしてもその物体は大きな音が鳴る。どういうものなのじゃ?」

陛下は俺の手の中にある拳銃を指さして言った。まあ国民にも拳銃を見られたからには隠し事はできない。俺は前世の記憶を語ることにした。

「陛下、ここにいる国民にはもう見られたので記憶のこと話しますね」

陛下に了承をもらい俺はここにいる人たちが見やすいように空中に巨大スクリーンを創った。

「陛下、憶のことを話した後にこの説明をしますね。では、ここにいる皆さんに聞きます。もし生まれた時から記憶があればどうしますか?まあ見る限りいないようですけれど。俺には前世の記憶があります。この世界とは別の世界です。そして俺が今持っている物はその世界にあった物です。名前をハンドガン、もしくは拳銃と呼びます。ここにいる人たちに伝えることができるのは今はここまでです」

俺がそう説明すると納得したようだった。
それから1時間。俺は学園の後に王城に呼び出される。今回の報酬のことだ。それは置いておいて。
俺は学園で最初の授業を受けていた。普通科の基礎魔法だ。普通科はすべて担任が教えることになっている。デミチス先生の担当科は魔法科なので教えるのがうまい。
しかし俺は学園長室にデミチス先生と呼び出されていた。

「校長先生、話とは何ですか?」

俺は校長先生に聞いた。そして帰ってきた答えは予想外のものだ。

「ハルトをSクラスの専属魔法講師としたい。理由は簡単だ。誰よりも優れている魔法精度や合成魔法の組み合わせ。よって第1学年の魔法授業を君に任せたい。うだろうか」

俺はしばらく迷ったがデミチス先生が懇願しているのを見て承諾した。

「いいですよ。俺の知識なんかでよければいくらでもいいです」

「そうかでは早速第一練習場を…」

校長先生がカギを取りに行こうとしたので止めると不思議な顔で見られた。

「今日は座学でやるので問題ありませんよ」

俺はそういうと教室に戻った。
学園の職員が魔法科の授業をハルトに任せるということはまだ知らない。

「いろいろあったが授業始めるぞー。まあ魔法教員は俺だがSクラスの魔法の授業はハルトにやってもらうことが決まった。ハルト、よろしく頼む。あ、俺も聞いとくからな」

デミチス先生も俺の授業を受けるとのことだ。これは地球の知識をどこまで教えるかだよな。そもそも誰を目標にしたいかで変わってくるし。そもそも地球の知識を教えるにはアルファベットを完璧にしないといけないし。

「まあこれからこのクラスに魔法を教えることになったんだけど、最初に誰が目標か…そうだよねー」

目標という言葉を言ったとたんにクラス全員が俺を指さしてきた。こういうの慣れてないんだよなー。

「よし。俺を目標とするなら暫く座学が続くよ。俺の前世の話に入ってくるからね」

するとデミチス先生が挙手をしていた。授業にも入ってくるのかぁ。まあいいや

「デミチス先生。なんですか?」

「思ったんだけどハルトが元居た世界って魔法があったのか?」

「魔法なんてありませんよ。そんなもの空想に決まってるじゃないですか」

俺がそう言い切るとミリサが質問してきた。

「魔法がなかったってことはハルト君はなんで強力な魔法を使えるの?」

この言葉はクラスメイト全員が思っていたことだろう。俺は黒板に科学という文字を書いた。日本語でだ。この世界の文字でもいいのだがそうなると黒板が5分程度でうまってしまいそうなのだ。

「ハルト、それってなにかの暗号か?」

「れっきとした文字だよ。魔法の授業ではこれからこの文字を使って授業していくよ。俺がもともといた国の言語で日本語という。今日の授業はこの日本語をある程度できるようになってもらいたい」

全員頷いたので俺は説明をつづけた。

「まずは黒板に書いた文字だけど、この2文字はかがくと読むんだ」

全員がノートをとっているのを見て俺は不便だなと思い30人分の日本語ドリルを創った。俺はそれを配り説明をした。

「いま配ったドリルに書いてね。読み方が書いてあるから間違えないように。まあ日本語についてはここでは軽く説明しておくよ。日本語の文字は簡単に分けて3つのグループに分けられるよ。黒板に書いたのは漢字というグループだね。漢字は深くやると、文字がたくさんありすぎて訳が分からなくなるから授業に出てくる分の漢字がそのドリルに載っているからね。詳しくしたいって人は後から俺のところに来てね。そして後の2冊については読み方は同じだけど文字が違うんだ。先に配ったドリルがひらがな、その後に配ったドリルがカタカナという」

そういう感じでこの1時間は日本語の授業になった。授業後、俺の机の周りには日本語をもっと学びたくて追加の漢字ドリルを求める人が集まってきた。その後も日本語について聞かれたりすることがあったが無事?に1日が終わった。

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