追放から始まる成り上がり
ギルドに行く
「起きましたか?」
柔らかい女性の声。どうやら膝枕をされ…
「えぇ!!」
女性の姿をみてそう叫んでしまった。軽く服を羽織った状態で俺を膝枕していたのだ。
「だ…大丈夫ですけど…その、服をきちんときてください。目のやり場に困ります」
「しょうがないですね」
そういいながら女性は服を着始めた。俺はその間頭の中を整理することにする。
確かゴブリンとゴブリンエリート、ゴブリンキングと戦って…無理してしまったから倒れてしまったんだな。まああまり時間は経っていないようだな。
「お待たせしました」
女性5人が服を着て俺のもとに来た。いろいろ聞きたいことはあるがそんなことはあとだ。このゴブリンの村を燃やしてなくさないといけない。なぜならゴブリンの村はそのまま残しておけばまたゴブリンが住み着いて防御施設を建てるからだ。
防御施設を建てられると壊滅させるのはよりいっそう難しくなる。
「ちょっと待ってください。というか外にでていてください。破壊しますので」
俺はそういって5人を外に待避させるとある物質を建物の中にばらまいた。エタノールだ。エタノールをまいて火属性魔法の基礎魔法【火球】をつかう。火はエタノールに引火し激しく燃え上がった。燃えるのを確認した俺は建物から急いで脱出した。
「これでゴブリンの討伐依頼、おわったぁ」
とりあえず報告といこうか。
「俺は報告に戻りますけどどうします?」
「私も参りましょう。私達だけでは限界がありますからね。そういえば名前がまだでしたね。私はロゼリア伯爵家の令嬢、シルクと申します」
「伯爵家令嬢様とは露知らず御無礼を致しました。俺…私はハルトと申します。年齢は11です」
初めて伯爵家令嬢だと知った俺は言葉使いを改めて自己紹介をした。
俺の年齢を知った令嬢様は驚いた様子だったがすぐに元の顔に戻った。
「そんなに畏まらなくてもいいですよ。しかし私とあまり変わらないのですね。それではギルドに戻りましょうか」
令嬢様…これからはシルク様と呼ぶようにしよう。
シルク様はそう言って反対方向に歩き始めた。ほかの女性冒険者も困っている。
「あのーシルク様。街とは反対方向に行ってますよ」
「すみません。まだ子供なので道に迷ってしまうんです」
俺に呼び止められたシルク様は身を反転させると何事もなかったかのように歩き始めた。
けれど俺とあまり変わらない年齢だったなんて知らなかった。
「そういえばハルト様はなぜこの歳で冒険者になったのですか?」
「俺に様付けなんてしなくていいですよ。出稼ぎに出されたんです」
ふとシルク様が聞いてきたので俺はそう答えると少し寂しそうな顔をした。
「大変なのですね。私は初めから伯爵家の令嬢として貧しい暮らしはしたことがありません。ですのでハルト君の話を聞いて王都や街以外の村の現状をわかったんです」
なるほど…。シルク様は国民のことを思う素敵な心の持ち主のようだ。
その後も色々と話をしているうちにギルドに着いた。
「まずはギルドマスターへの報告ですね」
シルク様はそういうと受付にいった。俺も後を追ってついて行き依頼達成の手続きを済ませた。
「おめでとうございます。これからも頑張ってくださいね」
「うん。ありがとう…。でもちょっとこの件で報告したいことがあるからいいかな」
俺がそう言うと受付嬢は紙を用意した。けれど今回はシルク様が関わっているのでギルドマスターに報告しないといけない。
「この件は直接ギルドマスターに報告した方がいいから呼んできてくれる?」
「でも、ギルマスは仕事で忙しく…」
受付嬢がそう言うと横からシルク様が助け舟を出してくれた。
「私が関わっているのでお願い出来ますか?」
「シルク様がですか?!少々待ってください」
そういい残し奥へと消えていった。5分くらい経った頃、受付嬢が戻ってきて2回にあるギルドマスター室に通された。
「失礼します」
俺とシルク様、それにシルク様の護衛女性冒険者4人が入る。
ギルマスと対面する形でソファーに座った。そこに先程の受付嬢が飲み物をテーブルの上に置いて去っていった。
「報告があるようだがまずはハルト君から報告をお願いしよう」
飲み物…お茶を飲みひと息ついたところでギルマスがそう切り出した。
「わかりました。俺は今朝ソロで常時依頼のゴブリン討伐を受け森に行きました」
「確かパーティーを追放されたんだったな。報告書にそう書かれていた」
ギルマスはもう俺がパーティーを追放されたことは知っていたらしい。
ちなみにギルマスは俺のステータスを知っている。まあ転生者であることと創造スキルが使えることは隠しているが。
そんなことは置いて話を続ける。
「森に入って奥に歩いて行くと開けた場所に出ました。ちなみに魔物、動物には1回も遭遇してませんよ」
その言葉を聞いたギルマスは何かを察したように右眉をあげた。
「それって昔の…」
「はい。ギルマスが思っている通りです」
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