追放から始まる成り上がり
まさかの
ここまで俺は防御に回っている。というのも考えがあるからだ。
「その力…反則じゃないっ!!」
今言った言葉は事実でもあるのだが挑発も兼ねている。まあゴブリンキングの知能だとこんな挑発には乗らないのだが元はゴブリンエリートだ。ゴブリンエリートより知能が高くなったとはいえ、ゴブリンキングよりは劣る。
「ソレヲイッタラ、オマエモダゾ、ニンゲン。マアオレノ、チカラニハ、オヨバナイガナ」
見事挑発に乗ったゴブリンキングは棍棒を垂直に振り下ろした。
まあゴブリンキングが言ったことはあながち間違いではない。俺はゴブリンからドロップした短剣とゴブリンエリートからドロップした短剣の二刀流だからだ。
二刀流だからこその戦略というものがある。俺は棍棒を左の短剣で受け流しその隙に胸元に潜り込んだ。そして下から右の短剣で切り上げる。
初めて体に傷を負ったゴブリンキングは怯むもその傷が浅くないことを知るとニヤリと笑い目の前にいる俺に向かって棍棒を振り下ろした。
「オワリダ、ニンゲン」
そして棍棒が俺に直撃する。その衝撃によって地面には大きな窪みができた。
そしてトドメとばかりに俺の体を踏み潰した。まあ俺はゴブリンキングの後ろにいるのだが滑稽な絵面だ。
ゴブリンキングが棍棒を振り下ろした瞬間に俺は幻影の魔法を使いゴブリンキングの後ろに回った。知能が低いゴブリンキングは目の前の幻影が俺だと思い込んでいる。
「残念だったね。それは俺の幻影だよ。そして終わるのはゴブリンキング…お前だ!!【流星斬り】」
ゴブリンキングが振り返ろうとするがもう遅い。【流星斬り】がゴブリンキングの体に傷を刻んでいく。
「グッ、ドコダ、ドコニイル」
「さあね!止めたかったら俺を見つけて止めてみてよ」
この【流星斬り】は光速に近いスピードで切り刻んで行く技だ。その傷は浅いがその浅い傷が何千、何万とつけられるうちに相手にはダメージが蓄積される。
30秒経過した所で俺は停止した。何十万と傷をつけられたゴブリンキングは静かに倒れこんだ。そしてレジェンドドロップの長剣とレアドロップのゴブリンキングの首へと変わった。
「お…終わったぁ」
俺はそう呟くと倒れ込んだ。
─???─
夢でも見ているのかしら…
私はそう思った。まだ成人もしてないと思われる若い少年がゴブリンとゴブリンエリートを瞬殺しゴブリンキングと互角に戦っているのだ。
私は伯爵家令嬢、シルク=ロゼリア様の冒険の護衛として依頼された冒険者だ。シルク様はまだ10歳だが周囲から天才と言われるほど魔法の才能がある。そして冒険者になる許可をシルク様のお父様から貰い護衛をつけるとの条件付きで冒険者になられた。
今日もシルク様はゴブリン討伐の依頼を受け私達護衛の冒険者と森に入ったのだ。基本的にゴブリンという魔物は3匹から5匹くらいの群れでいる。
しかし今日は中々見つからず奥まで入ったところ10匹を軽く超えるゴブリンの群れと出会った。今まで5匹くらいの群れのゴブリンしか相手にしてこなかった私たちはゴブリン達に捕まり装備を剥ぎ取られ裸にされた。苗床にするために…。
当然私は逃げ出そうとしたが装備も何もなしに逃げ切れるわけがない。そうしてゴブリンに囲まれた所を少年に助けられたのだ。
少年はゴブリンキングを相手にし勝った。そして気力を失ったように倒れ込んだ。私はこの少年を介護した。シルク様が連れて行かれた建物まで運びこんで目が覚めるまで介護しようとした。
──
いずれこの戦いは後世まで語り継がれる伝説になるのだがこの時はまだ誰も知らなかった。
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