喧嘩部屋
一ノ四「端末」
ーーー世界と世界の狭間
喧嘩部屋へ向かう途中、俺たちは世界と世界を繋ぐ異空間へやってきていた。目の前に映る光景は、全身紫色という単色に統一され、橋や地面といったような踏み場らしきものはいが、重力があって宙に浮くようなことはなかった。
紫色に塗りつぶされた光景に俺たちは飲み込まれるかと思いきや上書きされたように俺たちの個体がしっかりそこにはあった。
「うわぁ、なんだこれ?本当に異空間じゃん......」
「うん。オカルトチックすぎて刺激的でしょ?」
「いや、オカルトも何も。本当に存在するんだな」
彼女は異世界人なのか?口慣れてる感じだし、魔法のように空間を歪めることができるので可能性は非常に高いが、元々現実世界にいて、俺と同じように誰かに誘われたという可能性もありうる。
少年は彼女に最大の疑問をぶつけてみた。
「てか、お前異世界人なの?」
少年の疑問に対し、彼女は不機嫌そうに答える。
「ねえ、その言い方気に入らないんだけど?たしかに私は貴方達とは異なる世界で生まれたわけだけど、人間とほぼ変わらない人種よ。なんか人種差別されてるみたいで変な感じするわ」
「すまん......」
「ほぼってことはお前もしかして亜人ってやつ?何かに変身できるの?」
元々、妖怪とかユーマとか俺は信じないが、目の前で非日常を披露してくれた彼女にちょっと期待してみる。異世界があるんだから地球外生命体は存在するかもしれん。
「変身は出来ないけど、地球に暮らす人間よりは能力値高いと思う」
「それ自分でいう?ナルシスト?」
「うるさい」
ゴールのない空間をまっすぐ歩く二人。
どうやらこの先を後三〇分程度歩けば出口があるらしい。それまで二人は退屈凌ぎにグダグダとおしゃべりしながら足を運んでいた。
道(厳密に言えば空間)の途中で、百メートル先にある巨大な建物が現れた。
「おい、なんだよ?あれ、めちゃめちゃデカいな」
そこには今まで見たことのない不気味な建物があった。高層ビルと同じくらいの高さで、多くのウィンドウが三角に突き出ていてまるで針地獄のようにも見えた。
「あれはワゴーを操る端末よ。」
「ワゴー?端末?なんだそりゃ?」
「ワゴーというのは、喧嘩部屋が存在する世界、すなわち私が生まれた世界の名称で、それを管理する場所なの。」
「え?世界を管理するってこと?」
「そうよ。世界在留管理庁。別世界から来た他所のものの立ち入りや入居を許可したりするところよ。」
「へえー。」
規模が広すぎてようわからん。
「つまり、外部からのハッキングが起こらないようにするための対策機関なの。」
「なるほど〜」と少年が首を縦にふり、納得したような仕草をすると、後ろの方か声が聞こえて来る。
「端末に報告なしに他所のものを勝手に連れ込んでくるなんて殺される度胸があるようで?」
声の方向に二人が振り返ると、そこにはチャイナドレス?を着た見るからにセクシーな女性が立っていた。
喧嘩部屋へ向かう途中、俺たちは世界と世界を繋ぐ異空間へやってきていた。目の前に映る光景は、全身紫色という単色に統一され、橋や地面といったような踏み場らしきものはいが、重力があって宙に浮くようなことはなかった。
紫色に塗りつぶされた光景に俺たちは飲み込まれるかと思いきや上書きされたように俺たちの個体がしっかりそこにはあった。
「うわぁ、なんだこれ?本当に異空間じゃん......」
「うん。オカルトチックすぎて刺激的でしょ?」
「いや、オカルトも何も。本当に存在するんだな」
彼女は異世界人なのか?口慣れてる感じだし、魔法のように空間を歪めることができるので可能性は非常に高いが、元々現実世界にいて、俺と同じように誰かに誘われたという可能性もありうる。
少年は彼女に最大の疑問をぶつけてみた。
「てか、お前異世界人なの?」
少年の疑問に対し、彼女は不機嫌そうに答える。
「ねえ、その言い方気に入らないんだけど?たしかに私は貴方達とは異なる世界で生まれたわけだけど、人間とほぼ変わらない人種よ。なんか人種差別されてるみたいで変な感じするわ」
「すまん......」
「ほぼってことはお前もしかして亜人ってやつ?何かに変身できるの?」
元々、妖怪とかユーマとか俺は信じないが、目の前で非日常を披露してくれた彼女にちょっと期待してみる。異世界があるんだから地球外生命体は存在するかもしれん。
「変身は出来ないけど、地球に暮らす人間よりは能力値高いと思う」
「それ自分でいう?ナルシスト?」
「うるさい」
ゴールのない空間をまっすぐ歩く二人。
どうやらこの先を後三〇分程度歩けば出口があるらしい。それまで二人は退屈凌ぎにグダグダとおしゃべりしながら足を運んでいた。
道(厳密に言えば空間)の途中で、百メートル先にある巨大な建物が現れた。
「おい、なんだよ?あれ、めちゃめちゃデカいな」
そこには今まで見たことのない不気味な建物があった。高層ビルと同じくらいの高さで、多くのウィンドウが三角に突き出ていてまるで針地獄のようにも見えた。
「あれはワゴーを操る端末よ。」
「ワゴー?端末?なんだそりゃ?」
「ワゴーというのは、喧嘩部屋が存在する世界、すなわち私が生まれた世界の名称で、それを管理する場所なの。」
「え?世界を管理するってこと?」
「そうよ。世界在留管理庁。別世界から来た他所のものの立ち入りや入居を許可したりするところよ。」
「へえー。」
規模が広すぎてようわからん。
「つまり、外部からのハッキングが起こらないようにするための対策機関なの。」
「なるほど〜」と少年が首を縦にふり、納得したような仕草をすると、後ろの方か声が聞こえて来る。
「端末に報告なしに他所のものを勝手に連れ込んでくるなんて殺される度胸があるようで?」
声の方向に二人が振り返ると、そこにはチャイナドレス?を着た見るからにセクシーな女性が立っていた。
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