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名無しの(仮)ヒーロー

海月三五

和を以て貴しとなす 8

 
 愛を交わし甘い時間を過ごした後の気恥ずかしい時間。私は着ていた服を整えていた。
まだ、熱に浮かされたように気持ちがホワホワしていて、何となく朝倉先生を直視できない。
それを察したかのように朝倉先生は私を後ろから抱きしめ耳元で囁いた。

「次、ウチに来た時に夏希さんが持って来てくれたワインを開けましょう」

「はい」
 と、返事をしたものの「?」と思った。

「夏希さん、意味分かっていますか? ワインを開けたら車で帰れなくなるんですよ」

 そのセリフを聞いて、ボッと顔が熱くなった気がする。
 何気ないお土産に選んだスパーリングワインが、そんな意味を持つなんて思わなかったから……。
 次に来た時は、お泊りなんだ……。

 返事の代わりに顔を上げ、体の向きを変えて、自分から朝倉先生の唇にキスをする。
 自分からなんて恥ずかしいけれど、上手く言葉に出来ない想いを伝えたい。
 そんな想いを込めて、キスをした。
 小鳥が啄むようなキスを何回もした後、唇を合わせる長いキスをした。
 甘いキスを交わした後に唇が離れ、朝倉先生の艶のある声が耳をくすぐる。

「夏希さん、煽らないでください」
 
「翔也さん、私……」
 潤んだ瞳で見つめてしまう。

「次の約束まで、じれったい思いをさせるなんて、夏希さん、意地悪ですね」

「そんな……」

 朝倉先生は、フッと笑ってと言った。
「今日は、これ以上無理させません。約束楽しみにしています」

 
 
 




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