第31話　あの時、株式会社AKUDOIYAの中では・・・

◆あっせんの文書が届いた時

「悪土井社長。
少し前に辞めた武田信長から書類が届いています」
「なになに・・・。
あっせんを使う？
なんだそれは・・・。
弁護士に相談して対応しておけ」

総務担当者は、弁護士の先生に丸投げする。

「悪土井社長。
相手の情報を全て下さい」

雇用契約書を渡す。

「これだけですか？」
「そうだ」
「あとは面接で話したぐらいだ」
「わかりました」

「これであれば、株式会社AKUDOIYAの主張通りで問題ありません。
行政に行かれるとやっかいなので少額の交渉で問題ないと思います」
「任せる」

◆示談交渉の時
「悪土井社長。
相手が交渉の素人なので、まとまりません」

「労働局のあっせんはしたくない。
何か良い方法はないか？」

「うむむ。ここは、裁判にして相手の主張をつぶしましょう」

「どういう事だ？」

「相手は、あっせんという手段をしようとしています。
それより上のレベルのものであれば、労働局の介入を防ぐことができます。
その為には裁判を起こせば良いと思います」

「なるほど・・・。
どんな裁判にするんだ？」

「武田信長の主張は間違っているという裁判を起こし、
裁判に来なければ、こちらの主張が認められる。
もし、来たとしてもこの状況であれば、負けません。
相手の希望する労働局のあっせんも潰す事ができます」

「任せる」