S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

43話 強制バンジージャンプ

 村の少女ミルカと交戦中だ。
 多少痛い目に遭わせてやったのだが、彼女はまだまだ戦闘意欲を失わない。
 俺は彼女の心を折る手段を考える。

「ふむ。いいことを思いついたぞ」

 掴んでいた彼女の頭を離し、代わりに足首を掴む。

「ううっ! な、何を……」

 彼女が抵抗するが、もちろん俺の力には敵わない。
 そのまま逆さ吊りにしてやった。
 彼女のスカートは重力に従って下に落ちていく。

「ほう。意外と可愛いパンツを履いているじゃないか」

 俺はそう言って、彼女の太ももを撫で上げる。

「ぎゃぁああ!」

 ミルカが叫び声を上げた。
 彼女が手でスカートを押さえる。

「ふん。威勢はよくても、所詮はただのガキだな。パンツはお子様用だし、太ももの色気も足りん」

「くそっ! 離せ! 離せぇ!!」

 彼女が逆さ吊りの状態のまま、右手で俺にパンチを繰り出す。
 だが、体勢が不安定なこともあり、大した威力ではない。

「やれやれ……。そんな力の込もっていない攻撃で俺がどうにかなるとでも? せめて、両手を使ったらどうだ?」

「み、見えちまうだろうが! こんなことされてたら!」

 彼女が顔を赤くしてそう言う。

「ふん。威勢はいいのに、羞恥心程度で行動が制約されるとはな。パンツだけではなく、覚悟もお子様か」

「くぅうう! もう許さねえ! 後で覚えていろ!!」

 彼女がそう吠える。
 はぁ……。
 まったく。
 なぜこう、いちいち面倒な手順を踏まねばいかんのかね。
 俺としては穏便に済ませたいところなのだがな。
 ……仕方ない。
 もう少し怖い目に遭ってもらうか……。

「口を閉じてろ。舌を噛むぞ」

「な、なにを……」

「そおいっ!」

 俺は彼女を空高く投げ上げた。
 そして彼女が勢いよく落ちてくる。

「ぎゃぁああああああ!!!」

 彼女はそのまま地面に落下……するわけではない。
 もちろん受け止めてやる。

「【エアークッション】」

 俺はそう唱え、優しく彼女の体を宙に浮かせて着地させた。

「て、てめえ……。こんなことしてただで済むと……」

 少女がこちらを睨んでくる。
 まだ恐怖が足りないか。

「【エアーシュート】」

「ぎゃあ! ああぁーっ……」

 少女がまた空高く射出されていく。
 そして、落ちてくる。
 俺の風魔法でそれを受け止める。
 その一連の流れを何度か繰り返す。

「ぐ……。い、いい加減に……」

 また繰り返す。

「も、もう十分だろ……?」

 繰り返す。

「アタシが悪かった! だからやめてくれぇ!!」

 さらに繰り返す。

「ゆ、許してください。なんでも言う事聞くからぁ! だから、これ以上は勘弁してくれよぉ……」

 ミルカが半泣きでそう言う。
 ふう。
 ようやく折れたか……。
 根性だけは一人前だったな。
 俺はため息をつきつつ、次にすべきことを考え始めた。

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