S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

39話 褒美をくれてやる

「ふう。堪能させてもらった」

 俺はそう言う。
 女性がぐったりとした顔で地面に横たわっている。

「ライル様ぁ……。気持ちよかったです……」

「それは結構」

 俺は満足げな顔の女性を見つめる。

「では、さらなる褒美をくれてやる」

 俺はそう言って、竜の加護を女性に与えた。

「……ん? あれっ!?」

 女性が驚いたように目を開く。

「私の体の調子が……? それに、擦り傷も治っています」

「うむ。俺のとあるスキルの恩恵だ」

「ええっ!? そのようなスキルが……?」

「このことは他言無用だ。もし口外すれば……わかっているな?」

 ギロッ!
 俺は女をにらむ。

「は、はい! もちろんでございます!」

 女性は緊張した面持ちで背筋を伸ばす。
 素直に同意してくれたようで何よりだ。
 俺としても、ペットのように愛くるしいこの女を殺すのは惜しい。
 できれば口外しないでもらいたいところである。

「うむ。ちゃんと秘密を守っていれば、命の保証はする。それに、また抱いてやってもいい」

「ぜ、ぜひお願いします! 秘密は守ります。私にできることがあれば、他にも何でも言ってください!」

 女が上気した顔でそう言う。
 俺のS級スキル竜化の副次的な恩恵は多々ある。
 通常時の魔力、闘気、身体の頑丈さなどの向上などだ。

 さらに、ここ最近で実感したのだが、どうやら精力やその方面の技巧も向上しているようである。
 この女もずいぶんとよがっていた。
 その上で竜の加護も与えてやったし、もはやこいつが俺の意向に逆らうことはないだろう。

「ほほう。随分と盛り上がってきたのう」

 リリアがニヤつきながらこちらを見る。

「別に楽しんでいるわけではないぞ?」

 俺の言いなりになる手駒を増やしておけば、エリクサーの材料集めに向けていろいろと便利なことも多いだろう。
 決して、私利私欲のために好きなことをしているわけではない。

「本当かのー」

 リリアが疑うような視線を向けてくる。
 まあ、純粋に女の体を楽しむ気持ちがゼロだったとは言えないが……。

「本当のことだとも。さて、そろそろ行くとするかな。本来の目的を果たそう」

 俺はそう言って、誤魔化しておいた。

「確か、盗賊団の討伐だったの?」

「ああ。空からは見えていたが、向こうの方角に村があったはずだ。まずはそこへ向かおう」

 リリアの問いに、俺はそう答える。
 そして、俺たち3人は歩き始めたのだった。

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