混沌の神殺し
御前試合
次の日
朝、早く起きてアスタロトと一緒にギルドへ向かった。
 
「来た来た。早速だが闘技場に行くぞ」
俺は万葉に手招きされ、ついて行った。
そこには複数人の探求者が睨みあっている。
探求者たちは俺たちが闘技場に入ってきた途端、怪訝そうにこちらを見つめる。
「あいつが本当に厄災を止めたのかぁ?」
「万葉ちゃんの冗談だと思うわ…………」
「わ、私もそう思います」
と、好き勝手に言ってるような気がしたが実年齢よりもかなり幼く見える俺は言い返さない。
すると万葉は闘技場の中央に立ち、手を叩いて注意を向ける。
「すまぬ、朝から会議をする予定だったが急遽予定を変更することにした。この闘技場に集まってもらったのは他でもないこの…………………」
万葉がこちらをチラ見した。
俺はなんとなく続く言葉を予想し、口にする。
「……………イリス・ロードだ」
「イリス・ロードと我の御前試合を開始する」
その宣言で一同がザワつく。
「な、何、言ってんの…………万葉。この子まだ若いですよ。大丈夫なのですか?」
「ロサリア、人を見かけで判断するんじゃない。もしもの時は手加減するし……………これはこの若造をお前らに認めさせるための戦いだ」
その言葉を聞いて、唖然している人たちを見ながらイタズラぽい笑みを浮かべた万葉が御前試合の準備をする。
「正気なのかぁ、万葉のやつ?」
「分からないわ、あの子が考えていること…………」  
「だ、大丈夫だと……………思います。万葉はバカでもアホではないですから」
ロサリアと呼ばれた女の子がそう言うと一同は黙って万葉の意向に従った。
「主様、ご武運を」
「ああ、行ってくる」
そう短く不本意そうなアスタロトに告げると万葉と対局の場所に立った。
俺は今回の御前試合でアスタロトを使う気はない。
理由はただ単に殺傷能力が高すぎて御前試合に向かないからだ。
さっき、その事を話したら泣きそうな顔で「もしかして私って捨てられるのですか?」と聞かれたので慌てて説明して納得してもらった。
「万葉、準備は出来たか?」
「まぁな、ところで若造。武器は要らないのか?」
「………俺は武術が得意だ」
「なるほどな、我と一緒だなっ」
万葉は足場を蹴り、俺の不意をつき一撃を食らわせようとする。
「奇襲は卑怯じゃないか?」
「受け止めたやつに言われたくないわ」
その言葉とは裏腹に万葉は笑顔である。
こうして俺と万葉の戦いが幕を開いた。
朝、早く起きてアスタロトと一緒にギルドへ向かった。
 
「来た来た。早速だが闘技場に行くぞ」
俺は万葉に手招きされ、ついて行った。
そこには複数人の探求者が睨みあっている。
探求者たちは俺たちが闘技場に入ってきた途端、怪訝そうにこちらを見つめる。
「あいつが本当に厄災を止めたのかぁ?」
「万葉ちゃんの冗談だと思うわ…………」
「わ、私もそう思います」
と、好き勝手に言ってるような気がしたが実年齢よりもかなり幼く見える俺は言い返さない。
すると万葉は闘技場の中央に立ち、手を叩いて注意を向ける。
「すまぬ、朝から会議をする予定だったが急遽予定を変更することにした。この闘技場に集まってもらったのは他でもないこの…………………」
万葉がこちらをチラ見した。
俺はなんとなく続く言葉を予想し、口にする。
「……………イリス・ロードだ」
「イリス・ロードと我の御前試合を開始する」
その宣言で一同がザワつく。
「な、何、言ってんの…………万葉。この子まだ若いですよ。大丈夫なのですか?」
「ロサリア、人を見かけで判断するんじゃない。もしもの時は手加減するし……………これはこの若造をお前らに認めさせるための戦いだ」
その言葉を聞いて、唖然している人たちを見ながらイタズラぽい笑みを浮かべた万葉が御前試合の準備をする。
「正気なのかぁ、万葉のやつ?」
「分からないわ、あの子が考えていること…………」  
「だ、大丈夫だと……………思います。万葉はバカでもアホではないですから」
ロサリアと呼ばれた女の子がそう言うと一同は黙って万葉の意向に従った。
「主様、ご武運を」
「ああ、行ってくる」
そう短く不本意そうなアスタロトに告げると万葉と対局の場所に立った。
俺は今回の御前試合でアスタロトを使う気はない。
理由はただ単に殺傷能力が高すぎて御前試合に向かないからだ。
さっき、その事を話したら泣きそうな顔で「もしかして私って捨てられるのですか?」と聞かれたので慌てて説明して納得してもらった。
「万葉、準備は出来たか?」
「まぁな、ところで若造。武器は要らないのか?」
「………俺は武術が得意だ」
「なるほどな、我と一緒だなっ」
万葉は足場を蹴り、俺の不意をつき一撃を食らわせようとする。
「奇襲は卑怯じゃないか?」
「受け止めたやつに言われたくないわ」
その言葉とは裏腹に万葉は笑顔である。
こうして俺と万葉の戦いが幕を開いた。
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