混沌の神殺し
宿
服を買い替え、アスタロトが行きたがってた飲食店で晩飯を済ませた。
「美味しかったです」
「そうだな、あそこまでの食べ物を食べたのは久しぶりだ」
メイド服?を身にまとったアスタロトはお腹を軽く叩いて満足そうな笑みを浮かべる。その脇には荷物持ちをさせられているクリストがいた。
「おい、二人とも……………僕に荷物を持たせてないで自分で持ちなよ」
「おっと、すまん」
俺は服が入った紙袋を手渡され、しみじみと呟く。
「それよりもアスタロト。寒期に備えて冬用のメイド服は必要なのは分かるが和装のメイド服は必要なのか?」
「従者としてメイド服は正装です。今、着ているのは夏用、この厚い生地で出来ているのは冬用、和装は室内用として使おうと思います」  
「あ〜」
従者という部分は何か語弊はありそうだが似たようなものなので否定しない。
「それよりもブラジャーでしたっけ。なんかそれが違和感があって外したいんですが………………」
「ちょっと待って!女の子がそんなこと言っちゃダメだし、公共の面前で外そうとしないで!」
必死にクリストが止めに入る。
流石に俺も美少女が露出狂みたいなことをしていたら止めざるを得ない。
どこぞの男どもにアスタロトをいやらしい目で見られるのは複雑な物だ。
「クリスト、ここら辺に宿はないか?」
「宿ね…………ああ、寝るところがないのか。良かったら僕の家に来ない?」
「申し出はありがたいのだが今回は遠慮するよ」
俺はキッパリと断る。
「そっか。じゃあ、あそこを曲がってすぐに一発亭っていう宿屋があるからそこで泊まるといいよ。もう遅いし、僕もここらでお暇しようかな」
「クリスト、ありがとう。またギルドで」
クリストと別れ、一発亭という看板が立てかけてある建物に入った。
「ようこそ、一発亭へ!」
俺たちが入って来るのを確認すると桃色髪の少女がそう呼びかけてきた。
「君たちも学園の入学希望者?」
「……………違う」
一つ間を置いて答えた。
学園という言葉に反応したアスタロトは目を輝かせている。
「なんだぁ、違うのか。この時期、宿に泊まりに来る子のほとんどは学園の願書を出しに行く子ばかりなのに学園に入学しないんだぁ。もったいないな、君の目付きや気配から只者じゃないと思うんだけど……………」
………お喋りな人だな。と、思ったが傍から見たら普通の若造に見えるはずなのにこの人は一瞬で只者じゃないと断言した。いい目の持ち主だ。
「まぁ、いっか。今日は泊まり?」
「ああ、一部屋頼む」
「はい、ところで後ろのメイド服を来ている子は恋人かなにか?」
やたらこの人、お客に踏み込んでくるな。
俺は少し面倒くさいと思いながら適当にあしらった。
「…………そんなところだ」
「へぇーその年でこんな可愛い彼女がいるなんて君、やるねぇ」
と、ニヤニヤしながら澄まし顔の俺と顔を赤く染めたアスタロトを交互に見る。
「これは部屋の鍵。部屋は階段を登ってすぐのところだから」
「ありがとう。アスタロト、行こう」
「は、はい」
俺たちは案内された部屋へと向かった。
「どう?スミレ、良い人材は見つかった?」
と、奥から青髪の少女がひょっこりと顔を出す。
その問いに対してスミレと呼ばれた桃色髪の少女が困った表情をする。
「ユウリ………………言っちゃ悪いけど入学希望者の中に飛び抜けた才能を持った人はいないよ」
「それはそう。入学そうそう私たちのレベルに達してたらユウリたちのメンツは丸潰れ………。ユウリが聞きたいのは他の学園に対抗出来そうな人」
そこでスミレは不敵な笑みを浮べる。ユウリは何か良からぬことを考えているのだと分かりながらも聞いてしまう。
「一人だけ居たよ、「只者じゃない」って思った子は。その子は入学希望者じゃないだけどね。その人はたぶんだけど探求者で恐らく一階級くらいのレベルだと思う」
「一階級!その人、本当にユウリたちと同じくらい年の子!?」
「うん。今、一発亭で泊まっているよ」
その言葉に絶句し始めるユウリ。
「世界はまだ広いね、ユウリ。私たちと同い年であそこまで強いなんて」
「……………………スミレがそこまで言うなら実際見てみたい」
スミレはある一点の部屋に期待の眼差しを向けてニコって笑った。一方、その頃俺は寒気をもようしていた。
「美味しかったです」
「そうだな、あそこまでの食べ物を食べたのは久しぶりだ」
メイド服?を身にまとったアスタロトはお腹を軽く叩いて満足そうな笑みを浮かべる。その脇には荷物持ちをさせられているクリストがいた。
「おい、二人とも……………僕に荷物を持たせてないで自分で持ちなよ」
「おっと、すまん」
俺は服が入った紙袋を手渡され、しみじみと呟く。
「それよりもアスタロト。寒期に備えて冬用のメイド服は必要なのは分かるが和装のメイド服は必要なのか?」
「従者としてメイド服は正装です。今、着ているのは夏用、この厚い生地で出来ているのは冬用、和装は室内用として使おうと思います」  
「あ〜」
従者という部分は何か語弊はありそうだが似たようなものなので否定しない。
「それよりもブラジャーでしたっけ。なんかそれが違和感があって外したいんですが………………」
「ちょっと待って!女の子がそんなこと言っちゃダメだし、公共の面前で外そうとしないで!」
必死にクリストが止めに入る。
流石に俺も美少女が露出狂みたいなことをしていたら止めざるを得ない。
どこぞの男どもにアスタロトをいやらしい目で見られるのは複雑な物だ。
「クリスト、ここら辺に宿はないか?」
「宿ね…………ああ、寝るところがないのか。良かったら僕の家に来ない?」
「申し出はありがたいのだが今回は遠慮するよ」
俺はキッパリと断る。
「そっか。じゃあ、あそこを曲がってすぐに一発亭っていう宿屋があるからそこで泊まるといいよ。もう遅いし、僕もここらでお暇しようかな」
「クリスト、ありがとう。またギルドで」
クリストと別れ、一発亭という看板が立てかけてある建物に入った。
「ようこそ、一発亭へ!」
俺たちが入って来るのを確認すると桃色髪の少女がそう呼びかけてきた。
「君たちも学園の入学希望者?」
「……………違う」
一つ間を置いて答えた。
学園という言葉に反応したアスタロトは目を輝かせている。
「なんだぁ、違うのか。この時期、宿に泊まりに来る子のほとんどは学園の願書を出しに行く子ばかりなのに学園に入学しないんだぁ。もったいないな、君の目付きや気配から只者じゃないと思うんだけど……………」
………お喋りな人だな。と、思ったが傍から見たら普通の若造に見えるはずなのにこの人は一瞬で只者じゃないと断言した。いい目の持ち主だ。
「まぁ、いっか。今日は泊まり?」
「ああ、一部屋頼む」
「はい、ところで後ろのメイド服を来ている子は恋人かなにか?」
やたらこの人、お客に踏み込んでくるな。
俺は少し面倒くさいと思いながら適当にあしらった。
「…………そんなところだ」
「へぇーその年でこんな可愛い彼女がいるなんて君、やるねぇ」
と、ニヤニヤしながら澄まし顔の俺と顔を赤く染めたアスタロトを交互に見る。
「これは部屋の鍵。部屋は階段を登ってすぐのところだから」
「ありがとう。アスタロト、行こう」
「は、はい」
俺たちは案内された部屋へと向かった。
「どう?スミレ、良い人材は見つかった?」
と、奥から青髪の少女がひょっこりと顔を出す。
その問いに対してスミレと呼ばれた桃色髪の少女が困った表情をする。
「ユウリ………………言っちゃ悪いけど入学希望者の中に飛び抜けた才能を持った人はいないよ」
「それはそう。入学そうそう私たちのレベルに達してたらユウリたちのメンツは丸潰れ………。ユウリが聞きたいのは他の学園に対抗出来そうな人」
そこでスミレは不敵な笑みを浮べる。ユウリは何か良からぬことを考えているのだと分かりながらも聞いてしまう。
「一人だけ居たよ、「只者じゃない」って思った子は。その子は入学希望者じゃないだけどね。その人はたぶんだけど探求者で恐らく一階級くらいのレベルだと思う」
「一階級!その人、本当にユウリたちと同じくらい年の子!?」
「うん。今、一発亭で泊まっているよ」
その言葉に絶句し始めるユウリ。
「世界はまだ広いね、ユウリ。私たちと同い年であそこまで強いなんて」
「……………………スミレがそこまで言うなら実際見てみたい」
スミレはある一点の部屋に期待の眼差しを向けてニコって笑った。一方、その頃俺は寒気をもようしていた。
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