【完結】ロリコンなせいで追放された魔術師、可愛い愛弟子をとって隣国で自由気ままに成りあがるスローライフ!
第20話 ギルド前のゴタゴタ
真上に昇った太陽に照らされながら、町を走りぬける。
「待てぇぇえーっ! 白いのぉおーっ!」
「そう言われて待つやつはいない。アヤノさん、レティスお嬢様を連れて逃げてください」
丸石畳みのうえへ2人を降ろして、白の高級のローブをひるがえして腰の中杖へ手をのばす。
「させるかぁあっ!」
「ッ」
丸石の地面にはいるヒビーー。
ポルタ級の青年は強烈な踏み込みで、体を打ちだすといっしゅんでこちらとの距離を詰めてきた。
抜杖が間に合わない。
古式魔術≪怪物≫。
「おとなしく眠れっ!」
踏みこんだ勢いそのままに、霞むような手刀がせまる。
熱のほとばしる右半身……十分な余裕をもって受けとめる。
「なにっ!?」
「おまえが眠ってろ!」
体勢をくずした青年の顔面をつかみ、足をはらって地面に背中と頭をおもいきり叩きつける。
「ふぅーっ、いっちょあがり。次は?」
「魔術師なのに、なんという体術……ッ、捕らえます! ≪岩操・捕縛≫!」
大きな魔女ハットをかぶった少女が、大きな杖で地面を突いた。
魔力の意思・波動を「魔感覚」で受けとる。
足もとだね、いい狙いだ。
「だが、魔術の主導権を奪われては意味がない」
中杖をすばやく抜きはなち、先端で石畳みを突く。
「っ! んひゃぁ!?」
少女の足もとから土が長い腕となってとびだす。
それらは複雑に絡みあい、少女の腕から大杖を奪いさり、魔女ハットもとって、ローブまで勝手に脱がそうとしていく。
ここまでやれとは言ってない。
この操作はつまり、少女が俺に主導権を奪われるまえに、俺に施そうとしていた魔法ということ。
「んにゃあっ♡ こんな恥ずかしい格好にされるなんて、屈辱で、す……ッ!」
「ぅ、うわぁ、なんかこれ、いい……じゃなくてっ! よくもティナにやってくれたんだぞ、そこな魔術師!」
「あわわっ! ヌクオチ、なんとかしないなの! ティナどんどん、はだけていっちゃうの!」
騒ぐパーティメンバーたちが、めくれ上がるローブを抑えたり、石畳のうえに落ちた下着を拾ったり、あわただしく魔術師の少女ーーティナの助けにはいる。
「ぅ、ぅぅ、こんな、にするなんて、悪魔です……鬼畜です……ぅう、まだ誰にも見られたことなかったのに……」
あられもない少女の体をローブ一枚で隠す。
幼く、とてもスケベな光景だが、俺は歯を食いしばってその場を立ち去ることにした。
後ろでは散々俺の悪口が聞こえるが、あまりにも理不尽、酷すぎるというものだよ、まったく。
にしてもティナちゃん、か。
またしてもロリを見つけてしまった。
今度でも頭を撫でさせてもらおう。
ご飯をお腹いっぱい食べさせてあげよう。
ああ、やっぱり幼女はいいぞ。
角からとびだす、青色のアホ毛を確認。
「ねぇーレティスお嬢様っ!」
「うわぁ! いきなりサリィが現れたぁあ!」
「ご無事でしたか、サラモンド先生」
レティスにスリスリする直前で思いとどまり、俺は咳払いをひとつ、「ええ、では行きましょうか」と、アヤノへつげて、そうそうクルクマを離れることにした。
目指すはお嬢様にばちこり尊敬される、別色のポルタ討伐、これを成して、レティスにはぜひともレトレシア魔術大学へいってもらうのだ。
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