【完結】ロリコンなせいで追放された魔術師、可愛い愛弟子をとって隣国で自由気ままに成りあがるスローライフ!

ノベルバユーザー542862

第20話 ギルド前のゴタゴタ


真上に昇った太陽に照らされながら、町を走りぬける。

「待てぇぇえーっ! 白いのぉおーっ!」
「そう言われて待つやつはいない。アヤノさん、レティスお嬢様を連れて逃げてください」

丸石畳みのうえへ2人を降ろして、白の高級のローブをひるがえして腰の中杖へ手をのばす。

「させるかぁあっ!」
「ッ」

丸石の地面にはいるヒビーー。
ポルタ級の青年は強烈な踏み込みで、体を打ちだすといっしゅんでこちらとの距離を詰めてきた。

抜杖ばっじょうが間に合わない。

古式魔術≪怪物かいわん≫。

「おとなしく眠れっ!」

踏みこんだ勢いそのままに、霞むような手刀がせまる。

熱のほとばしる右半身……十分な余裕をもって受けとめる。

「なにっ!?」
「おまえが眠ってろ!」

体勢をくずした青年の顔面をつかみ、足をはらって地面に背中と頭をおもいきり叩きつける。

「ふぅーっ、いっちょあがり。次は?」
「魔術師なのに、なんという体術……ッ、捕らえます! ≪岩操・捕縛がんそう ほばく≫!」

大きな魔女ハットをかぶった少女が、大きな杖で地面を突いた。

魔力の意思・波動を「魔感覚」で受けとる。

足もとだね、いい狙いだ。

「だが、魔術の主導権を奪われては意味がない」

中杖をすばやく抜きはなち、先端で石畳みを突く。

「っ! んひゃぁ!?」

少女の足もとから土が長い腕となってとびだす。

それらは複雑に絡みあい、少女の腕から大杖を奪いさり、魔女ハットもとって、ローブまで勝手に脱がそうとしていく。

ここまでやれとは言ってない。

この操作はつまり、少女が俺に主導権を奪われるまえに、俺に施そうとしていた魔法ということ。

「んにゃあっ♡ こんな恥ずかしい格好にされるなんて、屈辱で、す……ッ!」
「ぅ、うわぁ、なんかこれ、いい……じゃなくてっ! よくもティナにやってくれたんだぞ、そこな魔術師!」
「あわわっ! ヌクオチ、なんとかしないなの! ティナどんどん、はだけていっちゃうの!」

騒ぐパーティメンバーたちが、めくれ上がるローブを抑えたり、石畳のうえに落ちた下着を拾ったり、あわただしく魔術師の少女ーーティナの助けにはいる。

「ぅ、ぅぅ、こんな、にするなんて、悪魔です……鬼畜です……ぅう、まだ誰にも見られたことなかったのに……」

あられもない少女の体をローブ一枚で隠す。

幼く、とてもスケベな光景だが、俺は歯を食いしばってその場を立ち去ることにした。

後ろでは散々俺の悪口が聞こえるが、あまりにも理不尽、酷すぎるというものだよ、まったく。

にしてもティナちゃん、か。

またしてもロリを見つけてしまった。

今度でも頭を撫でさせてもらおう。
ご飯をお腹いっぱい食べさせてあげよう。

ああ、やっぱり幼女はいいぞ。

角からとびだす、青色のアホ毛を確認。

「ねぇーレティスお嬢様っ!」
「うわぁ! いきなりサリィが現れたぁあ!」
「ご無事でしたか、サラモンド先生」

レティスにスリスリする直前で思いとどまり、俺は咳払いをひとつ、「ええ、では行きましょうか」と、アヤノへつげて、そうそうクルクマを離れることにした。

目指すはお嬢様にばちこり尊敬される、別色のポルタ討伐、これを成して、レティスにはぜひともレトレシア魔術大学へいってもらうのだ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品