見た目は青年、心はアラサー、異世界に降り立つ! ~チートスキル「ストレージ」で異世界を満喫中~
二十四話
「そう身構えんなって。別にとって食いやしねぇよ」
いや、今朝問答無用で突っ掛かってきた事、忘れたんかコイツは!
俺が警戒したまま睨んでいると、ヴォルフはバツが悪そうに頭を掻き始め、そのまま何をするのかと思いきや。
「――っああ、クソッ! 悪かった! 今朝は流石にやり過ぎた!」
なんと、いきなり謝ってきた。
「……は?」
正直意外だ。この手の輩は絶対自分の非を認めないと思っていたのに。一体どんな心境の変化だ? 何か裏があるんじゃないか?
予想外の出来事に反応出来ずにいると。
「私からも謝らせて下さい。今朝はヴォルフが、本当に申し訳ありませんでした」
ヴォルフの後ろから、見覚えのある女の子が姿を現した。
ヴォルフと対照的な、白い毛並みが目を引く犬耳少女。確かヴォルフに「ロザリー」と呼ばれていた子だ。
この子も人狼種だろうか?
「ロ、ロザリー、お前は引っ込んでろ!」
「引っ込まない! ヴォルフは放っておくと、すぐ喧嘩腰になるんだから。そんなんじゃ、話が拗れるだけよ!」
今朝見た時はあんまり気の強い方じゃないんだろうと思っていたけど、意外と気が強い方なのか?
それともヴォルフにだけ?
「えっと、カイトさん……でしたっけ?」
「え? あ、はい、そうですけど」
ロザリーさんに名前を呼ばれ、そういえばヴォルフに絡まれてから一度も喋っていない事に気が付いた。
「今朝はヴォルフのバカが大変失礼しました。どうかお許し下さい」
と、自分の事でもないのに深々と頭を下げて謝ってきた。なんだか少しマリーに似てる気がするな。
「いやいや、頭を上げて下さい。別にロザリーさんが悪い訳じゃないんですから」
「いえ、ヴォルフを止められなかったのは、同じパーティメンバーであり、幼馴染でもある私にも責任があります。本当に申し訳ありませんでした」
「え? 幼馴染?」
またもロザリーさんは深々と頭を下げてきたが、そんな事より重大な事を聞いた気がする。
もしかして今、幼馴染って言った?
「おいヴォルフ。お前、幼馴染がここまで熱心に謝っているのに、自分は黙って見てるだけなのか?」
「ぐっ。べ、別に、ロザリーが勝手にやってるだけだろ!」
「ヴォルフさん、幼馴染にここまでさせておいて、それはないです。男らしくありません」
「なっ!? ――っ!」
二人に責められ、ぐぅの音も出ない様子のヴォルフだが、そんな事今はどうでもいい。
「ロ、ロザリーさんとヴォルフは、その、お、幼馴染なの?」
俺は努めて冷静に、穏やかな口調を心掛けて尋ねたつもりだった。だが、予想以上に声が引き攣ってしまった様だ。
「え? はい、生まれた時からずっと一緒に育ってきた、大切な幼馴染ですけど」
「ばっ、おまっ! おい、ロザリー、なんて事言いやがる!」
「だって本当の事じゃない。それとも、ヴォルフにとって私はどうでもいい存在なの?」
途端に泣きそうになるロザリーさん。力の限り拳を握りしめる俺。
「うっ……い、いや、別にそういう訳じゃねえけどよ」
「本当に? だったらヴォルフも、カイトさんにきちんと謝って」
「いや、謝ったじゃねえか!」
「あんなぶっきらぼうじゃなくて、きちんと頭を下げて、誠心誠意謝って! 私も一緒に、もう一回謝ってあげるから!」
ヴォルフを睨むロザリーさんだが、その顔に全然凄みはなく、むしろ愛らしささえ感じる。
そして顔を赤くしながらたじろぐヴォルフ。
……ナニイチャツイテンダコイツ。
「――ああ、もう、分かったよ! 謝りゃいいんだろ、謝りゃ!」
謝るって誰に? 俺に? 俺は既に我慢の限界を超えているんだが、今更何を謝るというのだろうか?
「あー、今朝はすまなかった。この通りだ」
軽く頭を下げ、きちんとした謝罪を述べるヴォルフだが、最早そんな事はどうでもいい。
「し」
「「「「し?」」」」
「死にさらせやこらぁぁぁぁぁぁ!」
俺は力の限りヴォルフに殴り掛かった。今日一日の訓練はこの為にあったと言っても過言じゃない! 俺の全てを、この拳に賭ける!
「うおっと!?」
だが、そんな俺の拳は、ヴォルフに寸での所で躱されてしまう。
チィ、躱されたか!
「急に何しやがるテメェ!」
「うるさい! 貴様をこの場で殺して、友(同好の士)の仇をとる!」
「訳分かんねえ事言ってんじゃねえ!」
貴様に分からなくても俺には分かる!
「カイトさん、落ち着いて下さい! 急にどうしたんですか!?」
「落ち着けカイト君! 今朝のヴォルフの態度が許せないのは分かるが、こうやって素直に頭を下げて謝ってるんだ。ここは君が大人になってだな」
「二人はちょっと黙ってて!」
「「――っ!?」」
俺が鬼気迫る表情をしていたからか、はたまた並々ならぬ気迫を感じ取ったからかは分からないが、二人は俺の言葉に驚いた様に口を閉ざした。
「カイトさん、ヴォルフの事が許せないのは分かります。ですが! どうかヴォルフを許して下さい! お願いします!」
また深々と頭を下げるロザリーさん。だが、今の俺にそれは逆効果だ。
「貴様を殺す!」
「おいテメェ、いい加減にしろよ! こっちは頭下げて謝ってんだぞ! 確かに今朝の事は俺が悪かったけどよ、何もそこまで」
頭を下げる? 謝る? ははっ、何を言ってるんだコイツは?
「俺は別に今朝の事が許せないんじゃない。それはロザリーさんが頭を下げた時点で許してる。俺が許せないのは」
「「「許せないのは?」」」
「二人が幼馴染だという事だ!」
「「「「……はい?」」」」
そう、幼馴染同士でパーティを組んで一緒に冒険? しかも人前でイチャイチャするなんて!
貴様の行い、万死に値する!
「さあ、神に祈る間を与えようじゃ――いたぁっ!?」
俺がヴォルフへの嫉妬で力を高めていたら、突然背後から後頭部を叩かれた。思わず後ろを振り返ると。
「カイトさん、いい加減にして下さい」
「あ、はい」
憤怒の形相をしたマリーが仁王立ちしていた。
普通に怖かったです、はい。
「いやぁ、俺とした事が、少し取り乱しちゃったみたいで、申し訳ない」
だって急に幼馴染だっていうもんだから。そういう大事な事は事前に教えておいて貰わないと。報連相は大事だよ?
「ちょっと? アレがちょっとなんですか?」
マリー、目がマジだよ?
「それよりも! 俺達に何か用事でもあったのかヴォルフ」
これ以上この話題を引っ張ると、マリーに何を言われるか分かったもんじゃない。
多少強引だが、ここは話題を変える事にして。
「別に? 俺達も依頼達成の報告だよ。あと、賢者の森に入って割とすぐの場所で、ブルーベアーを狩ったから、その報告だ」
「何? そんな浅瀬でブルーベアーだと?」
「あぁ、普通は森の最深部付近にしかいない筈の、な」
どうやらそのブルーベアーという魔物も森の最深部にしかいない魔物らしい。
ここまでくると、流石に俺も賢者の森が怪しいと感じる。
「これはまず間違いなく、調査隊が組まれるな。場合によっては討伐隊も」
「ああ、だろうな」
討伐隊――つまり、危険な魔物が森の最深部にいた場合、それを討伐する為の部隊って事か。
本来森の最深部にいる筈の魔物が、こんなに街に近い場所まで出てきている。
つまりその魔物達は、森の最深部にいる「何か」から逃げてきた可能性があるという事だ。
「そうなった場合、私達は討伐隊に組み込まれるだろうな。場合によってはヴォルフ達も」
「そういうこった」
なるほど、ヴォルフはその可能性を教えるために俺達に声をかけた、と。
何だ、ヴォルフって意外といい奴じゃん。用事がないなんて言っておきながら、実は俺達にそれを教える為とか。
「もちろん、その時はそこのルーキーは街に置いて行けよ。間違っても連れて来るんじゃねえぞ。足手まといになるだけだからな」
「もちろん、分かっているさ」
まあ、それはそうだよな。俺がいても足手まといになるだけだろうし。その辺は自覚してる。
「ちょ、ちょっとヴォルフ」
「姉さん、もっと言い方ってものが」
マリーとロザリーさんは、チラッと俺を見た後、気まずそうにお互いに声をかけていた。
「いや、二人とも気にしないで。全部本当の事だし」
「ほう、ちゃんと自分の事を分かってるみたいじゃねえか。何も考えてねえバカじゃなくて安心したぜ」
「もう、ヴォルフはまたそんな言い方して! 本当にすみません、カイトさん」
「いやいや、本当に気にしないで下さい」
何となくヴォルフという男の事が分かってきた気がする。
恐らくだが、ヴォルフは不器用なのだろう。それも超が付く程の。
……ちょっとからかってみるか。
「ヴォルフは照れてるだけなんですよね。本心では俺の事心配してるんだって、ちゃんと分かってますから」
「ちがっ!? 別にそんなんじゃ!」
「お待たせしました。査定が終わりましたので、報酬をお渡ししますね」
「あ、はい」
ヴォルフが何か言い訳をしようとしていたが、俺はそれを無視して職員さんを出迎えた。このぐらいの仕返しは許されるだろう。
いや、今朝問答無用で突っ掛かってきた事、忘れたんかコイツは!
俺が警戒したまま睨んでいると、ヴォルフはバツが悪そうに頭を掻き始め、そのまま何をするのかと思いきや。
「――っああ、クソッ! 悪かった! 今朝は流石にやり過ぎた!」
なんと、いきなり謝ってきた。
「……は?」
正直意外だ。この手の輩は絶対自分の非を認めないと思っていたのに。一体どんな心境の変化だ? 何か裏があるんじゃないか?
予想外の出来事に反応出来ずにいると。
「私からも謝らせて下さい。今朝はヴォルフが、本当に申し訳ありませんでした」
ヴォルフの後ろから、見覚えのある女の子が姿を現した。
ヴォルフと対照的な、白い毛並みが目を引く犬耳少女。確かヴォルフに「ロザリー」と呼ばれていた子だ。
この子も人狼種だろうか?
「ロ、ロザリー、お前は引っ込んでろ!」
「引っ込まない! ヴォルフは放っておくと、すぐ喧嘩腰になるんだから。そんなんじゃ、話が拗れるだけよ!」
今朝見た時はあんまり気の強い方じゃないんだろうと思っていたけど、意外と気が強い方なのか?
それともヴォルフにだけ?
「えっと、カイトさん……でしたっけ?」
「え? あ、はい、そうですけど」
ロザリーさんに名前を呼ばれ、そういえばヴォルフに絡まれてから一度も喋っていない事に気が付いた。
「今朝はヴォルフのバカが大変失礼しました。どうかお許し下さい」
と、自分の事でもないのに深々と頭を下げて謝ってきた。なんだか少しマリーに似てる気がするな。
「いやいや、頭を上げて下さい。別にロザリーさんが悪い訳じゃないんですから」
「いえ、ヴォルフを止められなかったのは、同じパーティメンバーであり、幼馴染でもある私にも責任があります。本当に申し訳ありませんでした」
「え? 幼馴染?」
またもロザリーさんは深々と頭を下げてきたが、そんな事より重大な事を聞いた気がする。
もしかして今、幼馴染って言った?
「おいヴォルフ。お前、幼馴染がここまで熱心に謝っているのに、自分は黙って見てるだけなのか?」
「ぐっ。べ、別に、ロザリーが勝手にやってるだけだろ!」
「ヴォルフさん、幼馴染にここまでさせておいて、それはないです。男らしくありません」
「なっ!? ――っ!」
二人に責められ、ぐぅの音も出ない様子のヴォルフだが、そんな事今はどうでもいい。
「ロ、ロザリーさんとヴォルフは、その、お、幼馴染なの?」
俺は努めて冷静に、穏やかな口調を心掛けて尋ねたつもりだった。だが、予想以上に声が引き攣ってしまった様だ。
「え? はい、生まれた時からずっと一緒に育ってきた、大切な幼馴染ですけど」
「ばっ、おまっ! おい、ロザリー、なんて事言いやがる!」
「だって本当の事じゃない。それとも、ヴォルフにとって私はどうでもいい存在なの?」
途端に泣きそうになるロザリーさん。力の限り拳を握りしめる俺。
「うっ……い、いや、別にそういう訳じゃねえけどよ」
「本当に? だったらヴォルフも、カイトさんにきちんと謝って」
「いや、謝ったじゃねえか!」
「あんなぶっきらぼうじゃなくて、きちんと頭を下げて、誠心誠意謝って! 私も一緒に、もう一回謝ってあげるから!」
ヴォルフを睨むロザリーさんだが、その顔に全然凄みはなく、むしろ愛らしささえ感じる。
そして顔を赤くしながらたじろぐヴォルフ。
……ナニイチャツイテンダコイツ。
「――ああ、もう、分かったよ! 謝りゃいいんだろ、謝りゃ!」
謝るって誰に? 俺に? 俺は既に我慢の限界を超えているんだが、今更何を謝るというのだろうか?
「あー、今朝はすまなかった。この通りだ」
軽く頭を下げ、きちんとした謝罪を述べるヴォルフだが、最早そんな事はどうでもいい。
「し」
「「「「し?」」」」
「死にさらせやこらぁぁぁぁぁぁ!」
俺は力の限りヴォルフに殴り掛かった。今日一日の訓練はこの為にあったと言っても過言じゃない! 俺の全てを、この拳に賭ける!
「うおっと!?」
だが、そんな俺の拳は、ヴォルフに寸での所で躱されてしまう。
チィ、躱されたか!
「急に何しやがるテメェ!」
「うるさい! 貴様をこの場で殺して、友(同好の士)の仇をとる!」
「訳分かんねえ事言ってんじゃねえ!」
貴様に分からなくても俺には分かる!
「カイトさん、落ち着いて下さい! 急にどうしたんですか!?」
「落ち着けカイト君! 今朝のヴォルフの態度が許せないのは分かるが、こうやって素直に頭を下げて謝ってるんだ。ここは君が大人になってだな」
「二人はちょっと黙ってて!」
「「――っ!?」」
俺が鬼気迫る表情をしていたからか、はたまた並々ならぬ気迫を感じ取ったからかは分からないが、二人は俺の言葉に驚いた様に口を閉ざした。
「カイトさん、ヴォルフの事が許せないのは分かります。ですが! どうかヴォルフを許して下さい! お願いします!」
また深々と頭を下げるロザリーさん。だが、今の俺にそれは逆効果だ。
「貴様を殺す!」
「おいテメェ、いい加減にしろよ! こっちは頭下げて謝ってんだぞ! 確かに今朝の事は俺が悪かったけどよ、何もそこまで」
頭を下げる? 謝る? ははっ、何を言ってるんだコイツは?
「俺は別に今朝の事が許せないんじゃない。それはロザリーさんが頭を下げた時点で許してる。俺が許せないのは」
「「「許せないのは?」」」
「二人が幼馴染だという事だ!」
「「「「……はい?」」」」
そう、幼馴染同士でパーティを組んで一緒に冒険? しかも人前でイチャイチャするなんて!
貴様の行い、万死に値する!
「さあ、神に祈る間を与えようじゃ――いたぁっ!?」
俺がヴォルフへの嫉妬で力を高めていたら、突然背後から後頭部を叩かれた。思わず後ろを振り返ると。
「カイトさん、いい加減にして下さい」
「あ、はい」
憤怒の形相をしたマリーが仁王立ちしていた。
普通に怖かったです、はい。
「いやぁ、俺とした事が、少し取り乱しちゃったみたいで、申し訳ない」
だって急に幼馴染だっていうもんだから。そういう大事な事は事前に教えておいて貰わないと。報連相は大事だよ?
「ちょっと? アレがちょっとなんですか?」
マリー、目がマジだよ?
「それよりも! 俺達に何か用事でもあったのかヴォルフ」
これ以上この話題を引っ張ると、マリーに何を言われるか分かったもんじゃない。
多少強引だが、ここは話題を変える事にして。
「別に? 俺達も依頼達成の報告だよ。あと、賢者の森に入って割とすぐの場所で、ブルーベアーを狩ったから、その報告だ」
「何? そんな浅瀬でブルーベアーだと?」
「あぁ、普通は森の最深部付近にしかいない筈の、な」
どうやらそのブルーベアーという魔物も森の最深部にしかいない魔物らしい。
ここまでくると、流石に俺も賢者の森が怪しいと感じる。
「これはまず間違いなく、調査隊が組まれるな。場合によっては討伐隊も」
「ああ、だろうな」
討伐隊――つまり、危険な魔物が森の最深部にいた場合、それを討伐する為の部隊って事か。
本来森の最深部にいる筈の魔物が、こんなに街に近い場所まで出てきている。
つまりその魔物達は、森の最深部にいる「何か」から逃げてきた可能性があるという事だ。
「そうなった場合、私達は討伐隊に組み込まれるだろうな。場合によってはヴォルフ達も」
「そういうこった」
なるほど、ヴォルフはその可能性を教えるために俺達に声をかけた、と。
何だ、ヴォルフって意外といい奴じゃん。用事がないなんて言っておきながら、実は俺達にそれを教える為とか。
「もちろん、その時はそこのルーキーは街に置いて行けよ。間違っても連れて来るんじゃねえぞ。足手まといになるだけだからな」
「もちろん、分かっているさ」
まあ、それはそうだよな。俺がいても足手まといになるだけだろうし。その辺は自覚してる。
「ちょ、ちょっとヴォルフ」
「姉さん、もっと言い方ってものが」
マリーとロザリーさんは、チラッと俺を見た後、気まずそうにお互いに声をかけていた。
「いや、二人とも気にしないで。全部本当の事だし」
「ほう、ちゃんと自分の事を分かってるみたいじゃねえか。何も考えてねえバカじゃなくて安心したぜ」
「もう、ヴォルフはまたそんな言い方して! 本当にすみません、カイトさん」
「いやいや、本当に気にしないで下さい」
何となくヴォルフという男の事が分かってきた気がする。
恐らくだが、ヴォルフは不器用なのだろう。それも超が付く程の。
……ちょっとからかってみるか。
「ヴォルフは照れてるだけなんですよね。本心では俺の事心配してるんだって、ちゃんと分かってますから」
「ちがっ!? 別にそんなんじゃ!」
「お待たせしました。査定が終わりましたので、報酬をお渡ししますね」
「あ、はい」
ヴォルフが何か言い訳をしようとしていたが、俺はそれを無視して職員さんを出迎えた。このぐらいの仕返しは許されるだろう。
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