婚活アプリで出会う恋~幼馴染との再会で赤い糸を見失いました~
初対面の相手(4)
「さあ、降りて」
「ここって、どこなの?」
「見当つくだろ。俺の住んでる部屋だよ」
まずい。このままついて行くと、帰れなくなるかも。
でも今断って、逆上されても……。
とりあえず遥斗のスマートフォンは私の手にあるし、乱暴するような様子も見られない。
相手が納得すれば、きっと解放してもらえるはず。
「遥斗、いつからこんなところに住んでいるの?」
「働き出した頃からだな」
昔の記憶では、私と同じような普通の家庭の子だったはず。
この人、いったいどんな職業してるの?
遥斗は入り口にある自動ドアに暗証番号を入れ、ロックを解除し、中へと入る。
その後ろをキョロキョロしながらついて行った。
エントランスの受付にはコンシェルジュが常駐し、まるでホテルのフロントのよう。
広々とした空間には、高級そうな花瓶に花が活けられ、BGMまで流れている。
エレベーターに乗り込み、部屋がある高層階で停止した。
玄関ドアに備えてある読み取り機に指をかざし開錠すると、遥斗がドアを大きく開ける。すると廊下の明かりが自動で点灯し、突き当たりにリビングが広がっていた。
「入って」
「えっ……でも……」
躊躇しつつも、立派なレジデンスの室内が気になった。
他人とはいえ一応幼馴染なのだから、いきなり犯罪に巻き込むようなことはしないだろうし……。
結局、恐怖心より好奇心の方が勝ってしまった。
「それじゃあちょっとだけ、お邪魔します」
一言呟いて、玄関に入る。
扉が並ぶ廊下を抜けて奥へ進むと、20畳ほどのリビングがあった。
左手にはキッチンとダイニングテーブル。右手には大きなソファーと大型テレビが置かれている。
大きく切り開かれた窓からはビル群の街並み。その奥には海が広がっている。
こんな凄いとこに住んで、遥斗っていったいどんな人なの?
私を案内すると、キッチンへ向かい、何かを準備し始めた。
「なっ、何を始めるつもり?」
「里穂はゆっくりソファーにでも座って」
遥斗の様子が気になりながらも、言われた通り大人しく座ることにした。
ゆっくり室内を見渡すと、どこも綺麗に整頓されている。
こんな広い部屋で一人暮らしをしているのだろうか?
テーブルやテレビの周りには物がほとんど置かれておらず、いまのところ他の人が住んでいるような様子は無い。
しばらくすると、ニンニクを炒めた良い香りがしてきて、食欲を刺激する。
炒めている音が止み、遥斗がお盆を持ってダイニングテーブルに並べ始めた。
この人、何を考えてるの?
恨んでると言いながらも、私に手料理をご馳走しようとするだなんて、まったく意味がわからない。
「さぁ、ここへ来て。一緒に食べようか」
「えっ……は、はい」
テーブルに着席すると、手元に並べられたメニューをジッと見つめた。
きちんとランチョンマットが敷かれ、その上にはペペロンチーノとトマトサラダが入ったお皿が並べられている。
フォークを手にお皿の上を眺めると、遥斗に食べるよう促された。
「ここって、どこなの?」
「見当つくだろ。俺の住んでる部屋だよ」
まずい。このままついて行くと、帰れなくなるかも。
でも今断って、逆上されても……。
とりあえず遥斗のスマートフォンは私の手にあるし、乱暴するような様子も見られない。
相手が納得すれば、きっと解放してもらえるはず。
「遥斗、いつからこんなところに住んでいるの?」
「働き出した頃からだな」
昔の記憶では、私と同じような普通の家庭の子だったはず。
この人、いったいどんな職業してるの?
遥斗は入り口にある自動ドアに暗証番号を入れ、ロックを解除し、中へと入る。
その後ろをキョロキョロしながらついて行った。
エントランスの受付にはコンシェルジュが常駐し、まるでホテルのフロントのよう。
広々とした空間には、高級そうな花瓶に花が活けられ、BGMまで流れている。
エレベーターに乗り込み、部屋がある高層階で停止した。
玄関ドアに備えてある読み取り機に指をかざし開錠すると、遥斗がドアを大きく開ける。すると廊下の明かりが自動で点灯し、突き当たりにリビングが広がっていた。
「入って」
「えっ……でも……」
躊躇しつつも、立派なレジデンスの室内が気になった。
他人とはいえ一応幼馴染なのだから、いきなり犯罪に巻き込むようなことはしないだろうし……。
結局、恐怖心より好奇心の方が勝ってしまった。
「それじゃあちょっとだけ、お邪魔します」
一言呟いて、玄関に入る。
扉が並ぶ廊下を抜けて奥へ進むと、20畳ほどのリビングがあった。
左手にはキッチンとダイニングテーブル。右手には大きなソファーと大型テレビが置かれている。
大きく切り開かれた窓からはビル群の街並み。その奥には海が広がっている。
こんな凄いとこに住んで、遥斗っていったいどんな人なの?
私を案内すると、キッチンへ向かい、何かを準備し始めた。
「なっ、何を始めるつもり?」
「里穂はゆっくりソファーにでも座って」
遥斗の様子が気になりながらも、言われた通り大人しく座ることにした。
ゆっくり室内を見渡すと、どこも綺麗に整頓されている。
こんな広い部屋で一人暮らしをしているのだろうか?
テーブルやテレビの周りには物がほとんど置かれておらず、いまのところ他の人が住んでいるような様子は無い。
しばらくすると、ニンニクを炒めた良い香りがしてきて、食欲を刺激する。
炒めている音が止み、遥斗がお盆を持ってダイニングテーブルに並べ始めた。
この人、何を考えてるの?
恨んでると言いながらも、私に手料理をご馳走しようとするだなんて、まったく意味がわからない。
「さぁ、ここへ来て。一緒に食べようか」
「えっ……は、はい」
テーブルに着席すると、手元に並べられたメニューをジッと見つめた。
きちんとランチョンマットが敷かれ、その上にはペペロンチーノとトマトサラダが入ったお皿が並べられている。
フォークを手にお皿の上を眺めると、遥斗に食べるよう促された。
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