条件付きスキル「スキル吸収」を駆使し、冒険者から成り上がれ
39話 冒険者ギルド
最近の学園では、エリーナとエミリアがネックレスを見つめてウットリしている姿が話題になっている。
それを見た貴族の子供たちから噂が広まる。
貴族の情報網からすぐにナガラ商会の商品と判り、ナガラ商会へと殺到したが、あまりの人気で予約しても買えないネックレスとしてさらに話題となっている。
また、晩餐会などや王城のパーティーにて、王や王妃のネックレスに驚愕した貴族達がさらに競いあって、ナガラ商会にのり込むのであった。
デザイン者を出せ、製作者に合わせろなど様々な文句や質問で溢れかえったが、ネックレスに関してはベルトラン王の後ろ盾もあり、ナガラ商会は利益や今まで好意にしていた貴族達を優先的に予約を受け付けた。
今や、大商会と肩を並べるほどの影響力をもった商会となり、ナデルは笑いが止まらないのであった。
「ねぇ、クラリッサ。誰に向けてナレーションを話しているの?」
「アスラン君に決まってるじゃない。今ではナガラ商会の神様とまで身内では言われてるわよ」
「なんだそれ。当分行かないから宜しくね。あ、ルリには無理言うなよ」
「もちろん。ルリさんが作ってくれなくちゃ商品が売れないからね。大切にしてるわよ」
「ならいいけど」
そんな話をしていると、ヘリナ先生が教室に入ってきた。
「今日の午後からは先生と一緒に冒険者ギルドに行くからね」
周りから歓声が聞こえ、みんな喜んでいる。
午後になり、ヘリナ先生とSクラス全員で冒険者ギルドに訪れた。
ギルドでは話が通っており、副ギルド長が出迎えてくれ応接室まで案内してくれる。
それを見た冒険者達は、
「あいつらは誰だ」
「ガキじゃねえか」
「いつからガキの通場になったんだ」
冒険者達が騒ぐが、副ギルド長が睨むだけで静かになった。
応接室に入り、椅子に座るように促されて座る。
「副ギルド長のブランシアよ。宜しくね。冒険者達がうるさくてゴメンなさいね。でも、今後も冒険者ギルドに通うようになれば気をつけてね」
ブランシアは優しく微笑みながら話してくれる。
王城から特別申請を受け入れるように言われた時にはビックリしたわよ。
しかも、入念に細かい内容や失礼がないように徹底されるから凄い時間がかかったのよ、ゴメンなさいね。
でもね、先程みたいな冒険者達には通用しないから困ってるのよ。
実力が全ての考えの冒険者が多いから、絡まれることがあると思うわ。その時は受付のお姉さんを頼ってきてね。ギルド職員には伝えているから何とかするわ。
代表してエリーナが答える。
「有り難うございます。あまりに酷い絡まれ方の時には返り討ちにしてもいいのかしら?」
ブランシアは困った顔をしながら、
「返り討ちに出来るならいいけど、仕返しをした時点で決闘が成立されたという最悪な事例が過去にあるのよ。そうするとギルドが介入しづらくなるから覚えておいてね。この後に模擬試合があるから、冒険者の実力も把握しといてくださいね」
「解りました」
冒険者手続きや説明は後のようで、まずは訓練場にて模擬試合をするようだ。
訓練場では、ギルド長のガルドが準備をして待っていた。
「おお~、この子らか」
「そうですけど、挨拶ぐらいしましょうよ」
そして簡単に挨拶を済ますとすぐに模擬戦が始まった。
「ほぉ~、これは凄いの~。Dランクぐらいの実力があるんじゃないのか?」
模擬戦をした子供達はドヤ顔をしている。
しかしアスランだけは、
みんなの実力でもDランクぐらいなのか。
しかも、魔法込みの実力だから、スキルや魔法以外の身体能力で言えばEランクと考えた方がいいかな。
やはり、冒険者からみた視点と一般的にみた視線では全然違うのだろうな。
選抜試合の言葉の数々は多少大げさなのだろう。まあ、6歳の子供と毎日魔物と戦っている冒険者では違ってあたりまえか。レベルの差もあるし当然の結果と考えよう。
そしてアスランの番となった。
「ギルド長、その模擬戦の相手は俺にさせてくれないか?」
「なんでジョニーがここにいるんだ?」
「たまたま冒険者ギルドによったら、面白そうなことしてるのを見てちょっとな」
「別にいいが、君はいいのか?」
Sランク冒険者の実力を測るチャンスとアスランは考え、
「宜しくお願いします」
「俺は攻撃がくるまでは何もしないから、好きに攻撃してこい」
「解りました。いきます」
アスランは走りながら魔法を放ち、さらにはジョニーの後ろからも魔法を発動させた。その直後に一点集中の身体強化を使い剣を振るったが…。
簡単に魔法は躱され、剣は弾かれ、気づけば首筋に剣をあてられていた。
一瞬で負けたアスランは
「参りました。有り難うございます」
やはりSランク冒険者は別格だな。軽くあしらわれて終わりか。見えている速度も次元が違うのだろう。憧れていた冒険者が強くて嬉しくなり、ついつい笑みがこぼれる。
しかし、Sクラスのみんなは手も足もでなかったアスランを見て驚いていた。
そんな中ジョニーはアスランを真剣に見ながら、
「魔法操作、発動、発動箇所、スキルの工夫など素晴らしい。素晴らしいが、基本の能力やレベルが足りなすぎる。まだ子供だからしょうがないが、今後は肉体の強化やレベルを上げろ。技術に溺れるなよ」
何故こんなに親切に教えてくれるんだ?
実際に技術に頼って、肉体の強化はしていない。全て解ったように的確で今の僕を改めてくれている。
「何故こんなに良くしてくれるんですか?」
「いつか俺を超える時がきたら教えてやるよ。じゃあな」
颯爽と帰るジョニーの後ろ姿を見ていたら、
「よし全員の実力は問題ないな。後はブランシアに説明と手続きをしてもらいな」
そう言うと、ギルド長も帰っていった。
その後は冒険者のルールや依頼の受け方、ランクアップ制度など細かい説明を受け、手続きを終えると冒険者カードを貰った。
「これが冒険者カードか~。始めはFランクだから、卒業するまでに実力とランクを上げたいね」
「みんなで頑張りましょう」
無事に冒険者の登録が終わり、学校に帰ってきた時には夕方になっていた。
そして、それぞれが喜びながら家路に帰っていったのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ギルド長とジョニーの話
何故、お前が模擬戦に顔をだしたんだ?
「あ~、あいつの今の実力を知りたくてな」
お前とは、実力が違いすぎるだろう?
「そうでもないぞ。もし基礎能力値やレベルが一緒なら、たぶん負けていたぞ。まあ俺の固有スキルや奥の手を使わなかった場合だがな」
6歳児にそこまで期待するとは珍しいな。何が狙いだ。
「解らない。ただ何かが蠢き合っている。しばらくは大丈夫だろうが戦力が多いに越したことはない」
冒険者ギルドでも何かすることはあるか?
「どうだろうな。どうもリベリア王国が狙われている気配がする。遅くても10年以内には何かが起こるだろう」
なんだその予言。そりゃ~10年もあれば何かは起きるだろう。
わっはっは~と豪快に笑いながら今後の事を話し合う二人であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そのころアスランは、
「ハク~、今日からまた一緒に毎日走るぞ~」
「ワォン、ワォン、ワォン」
ハクは嬉しさのあまり、尻尾を凄い勢いで振っている。
「ご主人様、私も一緒に走ってもよろしいですか?」
「うん?別にいいけど、いきなりどうしたの?」
カルラは熱い眼差しで、
「奴隷とは思えない環境にいる私が、すこしでも役に立てるように考えた結果、何かあっても側に居ればご主人様の楯ぐらいにはなれると思いまして」
「気にしなくていいのに。それに学園を卒業するころには自由になれるだろうからね」
カルラは何かをずっと考えている様子だが、あまりにも真剣そうだったので気にせずみんなで走りだした。
「こら、ハク。そんなに引っ付くと走れないだろう」
「クゥーン」
「大丈夫、これから毎日一緒に走るからね」
「ワォン」
そんなご主人様とハクの様子を、カルラは熱い眼差しでずっと見ていたのであった。
それを見た貴族の子供たちから噂が広まる。
貴族の情報網からすぐにナガラ商会の商品と判り、ナガラ商会へと殺到したが、あまりの人気で予約しても買えないネックレスとしてさらに話題となっている。
また、晩餐会などや王城のパーティーにて、王や王妃のネックレスに驚愕した貴族達がさらに競いあって、ナガラ商会にのり込むのであった。
デザイン者を出せ、製作者に合わせろなど様々な文句や質問で溢れかえったが、ネックレスに関してはベルトラン王の後ろ盾もあり、ナガラ商会は利益や今まで好意にしていた貴族達を優先的に予約を受け付けた。
今や、大商会と肩を並べるほどの影響力をもった商会となり、ナデルは笑いが止まらないのであった。
「ねぇ、クラリッサ。誰に向けてナレーションを話しているの?」
「アスラン君に決まってるじゃない。今ではナガラ商会の神様とまで身内では言われてるわよ」
「なんだそれ。当分行かないから宜しくね。あ、ルリには無理言うなよ」
「もちろん。ルリさんが作ってくれなくちゃ商品が売れないからね。大切にしてるわよ」
「ならいいけど」
そんな話をしていると、ヘリナ先生が教室に入ってきた。
「今日の午後からは先生と一緒に冒険者ギルドに行くからね」
周りから歓声が聞こえ、みんな喜んでいる。
午後になり、ヘリナ先生とSクラス全員で冒険者ギルドに訪れた。
ギルドでは話が通っており、副ギルド長が出迎えてくれ応接室まで案内してくれる。
それを見た冒険者達は、
「あいつらは誰だ」
「ガキじゃねえか」
「いつからガキの通場になったんだ」
冒険者達が騒ぐが、副ギルド長が睨むだけで静かになった。
応接室に入り、椅子に座るように促されて座る。
「副ギルド長のブランシアよ。宜しくね。冒険者達がうるさくてゴメンなさいね。でも、今後も冒険者ギルドに通うようになれば気をつけてね」
ブランシアは優しく微笑みながら話してくれる。
王城から特別申請を受け入れるように言われた時にはビックリしたわよ。
しかも、入念に細かい内容や失礼がないように徹底されるから凄い時間がかかったのよ、ゴメンなさいね。
でもね、先程みたいな冒険者達には通用しないから困ってるのよ。
実力が全ての考えの冒険者が多いから、絡まれることがあると思うわ。その時は受付のお姉さんを頼ってきてね。ギルド職員には伝えているから何とかするわ。
代表してエリーナが答える。
「有り難うございます。あまりに酷い絡まれ方の時には返り討ちにしてもいいのかしら?」
ブランシアは困った顔をしながら、
「返り討ちに出来るならいいけど、仕返しをした時点で決闘が成立されたという最悪な事例が過去にあるのよ。そうするとギルドが介入しづらくなるから覚えておいてね。この後に模擬試合があるから、冒険者の実力も把握しといてくださいね」
「解りました」
冒険者手続きや説明は後のようで、まずは訓練場にて模擬試合をするようだ。
訓練場では、ギルド長のガルドが準備をして待っていた。
「おお~、この子らか」
「そうですけど、挨拶ぐらいしましょうよ」
そして簡単に挨拶を済ますとすぐに模擬戦が始まった。
「ほぉ~、これは凄いの~。Dランクぐらいの実力があるんじゃないのか?」
模擬戦をした子供達はドヤ顔をしている。
しかしアスランだけは、
みんなの実力でもDランクぐらいなのか。
しかも、魔法込みの実力だから、スキルや魔法以外の身体能力で言えばEランクと考えた方がいいかな。
やはり、冒険者からみた視点と一般的にみた視線では全然違うのだろうな。
選抜試合の言葉の数々は多少大げさなのだろう。まあ、6歳の子供と毎日魔物と戦っている冒険者では違ってあたりまえか。レベルの差もあるし当然の結果と考えよう。
そしてアスランの番となった。
「ギルド長、その模擬戦の相手は俺にさせてくれないか?」
「なんでジョニーがここにいるんだ?」
「たまたま冒険者ギルドによったら、面白そうなことしてるのを見てちょっとな」
「別にいいが、君はいいのか?」
Sランク冒険者の実力を測るチャンスとアスランは考え、
「宜しくお願いします」
「俺は攻撃がくるまでは何もしないから、好きに攻撃してこい」
「解りました。いきます」
アスランは走りながら魔法を放ち、さらにはジョニーの後ろからも魔法を発動させた。その直後に一点集中の身体強化を使い剣を振るったが…。
簡単に魔法は躱され、剣は弾かれ、気づけば首筋に剣をあてられていた。
一瞬で負けたアスランは
「参りました。有り難うございます」
やはりSランク冒険者は別格だな。軽くあしらわれて終わりか。見えている速度も次元が違うのだろう。憧れていた冒険者が強くて嬉しくなり、ついつい笑みがこぼれる。
しかし、Sクラスのみんなは手も足もでなかったアスランを見て驚いていた。
そんな中ジョニーはアスランを真剣に見ながら、
「魔法操作、発動、発動箇所、スキルの工夫など素晴らしい。素晴らしいが、基本の能力やレベルが足りなすぎる。まだ子供だからしょうがないが、今後は肉体の強化やレベルを上げろ。技術に溺れるなよ」
何故こんなに親切に教えてくれるんだ?
実際に技術に頼って、肉体の強化はしていない。全て解ったように的確で今の僕を改めてくれている。
「何故こんなに良くしてくれるんですか?」
「いつか俺を超える時がきたら教えてやるよ。じゃあな」
颯爽と帰るジョニーの後ろ姿を見ていたら、
「よし全員の実力は問題ないな。後はブランシアに説明と手続きをしてもらいな」
そう言うと、ギルド長も帰っていった。
その後は冒険者のルールや依頼の受け方、ランクアップ制度など細かい説明を受け、手続きを終えると冒険者カードを貰った。
「これが冒険者カードか~。始めはFランクだから、卒業するまでに実力とランクを上げたいね」
「みんなで頑張りましょう」
無事に冒険者の登録が終わり、学校に帰ってきた時には夕方になっていた。
そして、それぞれが喜びながら家路に帰っていったのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ギルド長とジョニーの話
何故、お前が模擬戦に顔をだしたんだ?
「あ~、あいつの今の実力を知りたくてな」
お前とは、実力が違いすぎるだろう?
「そうでもないぞ。もし基礎能力値やレベルが一緒なら、たぶん負けていたぞ。まあ俺の固有スキルや奥の手を使わなかった場合だがな」
6歳児にそこまで期待するとは珍しいな。何が狙いだ。
「解らない。ただ何かが蠢き合っている。しばらくは大丈夫だろうが戦力が多いに越したことはない」
冒険者ギルドでも何かすることはあるか?
「どうだろうな。どうもリベリア王国が狙われている気配がする。遅くても10年以内には何かが起こるだろう」
なんだその予言。そりゃ~10年もあれば何かは起きるだろう。
わっはっは~と豪快に笑いながら今後の事を話し合う二人であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そのころアスランは、
「ハク~、今日からまた一緒に毎日走るぞ~」
「ワォン、ワォン、ワォン」
ハクは嬉しさのあまり、尻尾を凄い勢いで振っている。
「ご主人様、私も一緒に走ってもよろしいですか?」
「うん?別にいいけど、いきなりどうしたの?」
カルラは熱い眼差しで、
「奴隷とは思えない環境にいる私が、すこしでも役に立てるように考えた結果、何かあっても側に居ればご主人様の楯ぐらいにはなれると思いまして」
「気にしなくていいのに。それに学園を卒業するころには自由になれるだろうからね」
カルラは何かをずっと考えている様子だが、あまりにも真剣そうだったので気にせずみんなで走りだした。
「こら、ハク。そんなに引っ付くと走れないだろう」
「クゥーン」
「大丈夫、これから毎日一緒に走るからね」
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