条件付きスキル「スキル吸収」を駆使し、冒険者から成り上がれ
27話 魔法授業
翌日、基本授業のテストを行った。
案の定テストは簡単で皆基本授業免除となっていた。
「アスラン、次の魔法実戦授業はでるだろう?」
「もちろん。魔法は僕にとって大切だからね」
「負けませんわよ」
「いや、勝負してないし」
「聞きましたかエミリア。相手にもならないですって」
「エリーナ様落ち着いて下さい」
アスランはやれやれと思いながら、実技の教室にみんなと向かった。
実技の教室にはすでにエルフの金髪の女性が待っていた。
「ほら、始めるわよ。こっちにいらっしゃい」
Sクラス10人全員が授業を選択しており、先生の元へ集まる
「魔法実戦授業の担任のライラよ。宜しくね。最近の生徒はありきたりだったから、今年のSクラスには期待してるわよ」
「もちろん期待に応えますわ」
小声でクロードに話をする
「噂ではエリーナ王女ってお淑やかって聞いていたんだが…」
「ああ、僕もそう聞いていたよ。ただ、気の許せる相手が今までいなかったからはしゃいでいるのでは」
「まあ、楽しそうだからいいけど」
そんな会話をしていると授業が始まった。
基本の魔法の解説は魔法学でするから、実戦の魔法をバンバン使っていくわよ。
ちなみに初級魔法が使える子は何人いるの?
貴族の8人が手をあげた。
じゃあ二人はこっちで魔法操作の練習ね。助手の先生に教わりなさい。
「はい」
ライラ先生は戻ってきて、いきなり初級の火の魔法を放ってきた。
先生の予備動作を見て小声で詠唱し、バレないようにウォーターウォールの魔法を唱えた。
水の壁に火の魔法が当たり拡散し消える。生徒もいきなりのことで啞然としている。
もちろんアスランもバレないように唖然とした顔をしている。
凄いじゃない、誰が魔法を使ったの?
しかし、生徒は誰も答えない。
ただ、隣りのクロードだけは気づいていたみたいだ。
まあいいわ。しかし今年のSクラスは期待できるわね。気付かれないような魔法動作といい対応や反応といい凄い子がいるみたいね。
「先生、いきなりの魔法は危ないではないですか?」
「大丈夫よ。当たる寸前で消えるようになっていたから」
「それでも…」
「それに魔物との実戦では、そんな甘い考えでは生きていけないわよ」
魔法を使うと言うことは殺し合いをするってことなのよ。君たち貴族でも戦争に行ったり、盗賊に襲われた時には魔法を使うでしょ?その時にいい訳は通用しないのよ、いい?でも今回は反応できなくて当然よ。だからこれから一緒に頑張りましょうね。
ただ、未熟な君たちがいきなり魔法を人に使うと怪我をするから真似しちゃダメよ。
さて、一人ずつ的に魔法を使って練習するわよ。
その後で何がたりないか伝えるから今の全力を打ちなさい。
エリーナから一人ずつ初級魔法を放った。
みんな威力は低いが、的に当たっている。
アスランの番となり、バレないように火の初級魔法を使った。
「火の精霊よ、燃え盛る玉となり穿て、ファイヤーボール」
ファイヤーボールは的に当たり、焼き尽くした。
「そう、君が犯人ね」
「え、何のことですか?」
「あんなファイヤーボールを使って、いい訳するの?」
「え、普通の初級魔法ですけど」
何故か全員が首を横に振っている。
「あんな高密度の炎に、焼き尽くすほどの威力のファイヤーボール、誰が出来ると思っているの」
「え、ここに」
「6歳の子供に出来るのは、よほどの魔法の天才か貴方ぐらいよ」
「え~、アンシャンテ先生はまだ威力が足りないって言われていたのに」
「アンシャンテですって。大魔導士と言われたあのアンシャンテが先生だったの?」
アスラン訳がわからず、
「貴方と同じ金髪のエルフでA級冒険者でしたよ。大魔導士とかは判りませんが」
「やっぱり。貴方まだ全力で魔法を使ってないでしょう?それにその魔力操作はなんですか?」
「え~、僕に言われても知りませんよ」
「よし決めた。貴方は私と一緒に教える立場でみんなをバシバシ鍛えるわよ」
「イヤですよ。同級生に教わるとか生徒はイヤがりますって。ね~」
エミリアは真剣な表情で
「アスラン様に教えてもらえば、私達の魔法は向上しますか?」
「私は感覚派だから…。あの大魔導士に習っていたアスラン君が教えれば、基本は確実に向上するわよ。自然な動作で放たれた魔法を見たでしょ。その前のウォーターウォールなんて気づかれずに発動して魅せたのよ」
辺境伯で育ったエミリアは実力を伸ばすのが一番だと考えている。
「私はアスラン様にも指導していただきたいですわ」
「僕も成長できるなら、誰が先生でも気にしないよ」
ライラ先生はニヤリと笑い
「決定ね。もしイヤな子がいればその子は私が教えるわ」
「勝手に決めて、学園では問題ないんですか?」
「ええ、貴方に関しては大丈夫」
アスランは嫌な予感がしてそれ以上は聞かなかった。
「はい、授業に戻るわよ。今見たように初級魔法でさえも使う人が違えば、威力も発動スピードも違うわ。それは何故だか解る?」
「魔力操作ですか?」
「それでは30点ね。他には?」
「詠唱が違ってましたが、関係ありますか?」
「お、いい線いってるわよ。他には?」
「魔法適正の能力の高さの違いですか?」
「まあ間違えではないが、アスラン君見たいに出来れば魔法適正もすこしは上がるわよ」
それを聞いた生徒達は目を輝かせていた。
「アスラン君、正解を教えてあげて」
「え、正解なんて知らないですよ」
「じゃあ、貴方が魔法を使う時に考えていることや気をつけていることを教えなさい」
アスランはヤレヤレと面倒くさそうに
・魔力の維持と操作
・魔力の進む方向や速度のイメージ
・精霊との相性を考えた祝詞
・三小節に至る詠唱の祝詞のイメージ
・現状と現象の違いを表した知識
・魔力量を注ぐタイミングと適切量
・最後に一点に集中し、完成するイメージ
気をつけていることはこれくらいですかね。
「………。」
先生すらも唖然としている。
「ライラ先生?これが正解の答えなんですか?」
「知らないわよ。私の答えなんて今の答えの半分よ。決めた。今日からこのSクラスの授業では私も生徒になるわ」
「そんなメチャクチャな。授業はどうするんですか?」
「今の内容を一つずつ貴方が教えなさい」
「では、僕は次の授業の準備があるので失礼します」
何故か全員に捕まれて帰れなかった。
「アスラン、次は基本授業で免除されているから暇だったよな~」
クロードでさえも庇ってくれない。しょうがなく教師役をするのであった。
案の定テストは簡単で皆基本授業免除となっていた。
「アスラン、次の魔法実戦授業はでるだろう?」
「もちろん。魔法は僕にとって大切だからね」
「負けませんわよ」
「いや、勝負してないし」
「聞きましたかエミリア。相手にもならないですって」
「エリーナ様落ち着いて下さい」
アスランはやれやれと思いながら、実技の教室にみんなと向かった。
実技の教室にはすでにエルフの金髪の女性が待っていた。
「ほら、始めるわよ。こっちにいらっしゃい」
Sクラス10人全員が授業を選択しており、先生の元へ集まる
「魔法実戦授業の担任のライラよ。宜しくね。最近の生徒はありきたりだったから、今年のSクラスには期待してるわよ」
「もちろん期待に応えますわ」
小声でクロードに話をする
「噂ではエリーナ王女ってお淑やかって聞いていたんだが…」
「ああ、僕もそう聞いていたよ。ただ、気の許せる相手が今までいなかったからはしゃいでいるのでは」
「まあ、楽しそうだからいいけど」
そんな会話をしていると授業が始まった。
基本の魔法の解説は魔法学でするから、実戦の魔法をバンバン使っていくわよ。
ちなみに初級魔法が使える子は何人いるの?
貴族の8人が手をあげた。
じゃあ二人はこっちで魔法操作の練習ね。助手の先生に教わりなさい。
「はい」
ライラ先生は戻ってきて、いきなり初級の火の魔法を放ってきた。
先生の予備動作を見て小声で詠唱し、バレないようにウォーターウォールの魔法を唱えた。
水の壁に火の魔法が当たり拡散し消える。生徒もいきなりのことで啞然としている。
もちろんアスランもバレないように唖然とした顔をしている。
凄いじゃない、誰が魔法を使ったの?
しかし、生徒は誰も答えない。
ただ、隣りのクロードだけは気づいていたみたいだ。
まあいいわ。しかし今年のSクラスは期待できるわね。気付かれないような魔法動作といい対応や反応といい凄い子がいるみたいね。
「先生、いきなりの魔法は危ないではないですか?」
「大丈夫よ。当たる寸前で消えるようになっていたから」
「それでも…」
「それに魔物との実戦では、そんな甘い考えでは生きていけないわよ」
魔法を使うと言うことは殺し合いをするってことなのよ。君たち貴族でも戦争に行ったり、盗賊に襲われた時には魔法を使うでしょ?その時にいい訳は通用しないのよ、いい?でも今回は反応できなくて当然よ。だからこれから一緒に頑張りましょうね。
ただ、未熟な君たちがいきなり魔法を人に使うと怪我をするから真似しちゃダメよ。
さて、一人ずつ的に魔法を使って練習するわよ。
その後で何がたりないか伝えるから今の全力を打ちなさい。
エリーナから一人ずつ初級魔法を放った。
みんな威力は低いが、的に当たっている。
アスランの番となり、バレないように火の初級魔法を使った。
「火の精霊よ、燃え盛る玉となり穿て、ファイヤーボール」
ファイヤーボールは的に当たり、焼き尽くした。
「そう、君が犯人ね」
「え、何のことですか?」
「あんなファイヤーボールを使って、いい訳するの?」
「え、普通の初級魔法ですけど」
何故か全員が首を横に振っている。
「あんな高密度の炎に、焼き尽くすほどの威力のファイヤーボール、誰が出来ると思っているの」
「え、ここに」
「6歳の子供に出来るのは、よほどの魔法の天才か貴方ぐらいよ」
「え~、アンシャンテ先生はまだ威力が足りないって言われていたのに」
「アンシャンテですって。大魔導士と言われたあのアンシャンテが先生だったの?」
アスラン訳がわからず、
「貴方と同じ金髪のエルフでA級冒険者でしたよ。大魔導士とかは判りませんが」
「やっぱり。貴方まだ全力で魔法を使ってないでしょう?それにその魔力操作はなんですか?」
「え~、僕に言われても知りませんよ」
「よし決めた。貴方は私と一緒に教える立場でみんなをバシバシ鍛えるわよ」
「イヤですよ。同級生に教わるとか生徒はイヤがりますって。ね~」
エミリアは真剣な表情で
「アスラン様に教えてもらえば、私達の魔法は向上しますか?」
「私は感覚派だから…。あの大魔導士に習っていたアスラン君が教えれば、基本は確実に向上するわよ。自然な動作で放たれた魔法を見たでしょ。その前のウォーターウォールなんて気づかれずに発動して魅せたのよ」
辺境伯で育ったエミリアは実力を伸ばすのが一番だと考えている。
「私はアスラン様にも指導していただきたいですわ」
「僕も成長できるなら、誰が先生でも気にしないよ」
ライラ先生はニヤリと笑い
「決定ね。もしイヤな子がいればその子は私が教えるわ」
「勝手に決めて、学園では問題ないんですか?」
「ええ、貴方に関しては大丈夫」
アスランは嫌な予感がしてそれ以上は聞かなかった。
「はい、授業に戻るわよ。今見たように初級魔法でさえも使う人が違えば、威力も発動スピードも違うわ。それは何故だか解る?」
「魔力操作ですか?」
「それでは30点ね。他には?」
「詠唱が違ってましたが、関係ありますか?」
「お、いい線いってるわよ。他には?」
「魔法適正の能力の高さの違いですか?」
「まあ間違えではないが、アスラン君見たいに出来れば魔法適正もすこしは上がるわよ」
それを聞いた生徒達は目を輝かせていた。
「アスラン君、正解を教えてあげて」
「え、正解なんて知らないですよ」
「じゃあ、貴方が魔法を使う時に考えていることや気をつけていることを教えなさい」
アスランはヤレヤレと面倒くさそうに
・魔力の維持と操作
・魔力の進む方向や速度のイメージ
・精霊との相性を考えた祝詞
・三小節に至る詠唱の祝詞のイメージ
・現状と現象の違いを表した知識
・魔力量を注ぐタイミングと適切量
・最後に一点に集中し、完成するイメージ
気をつけていることはこれくらいですかね。
「………。」
先生すらも唖然としている。
「ライラ先生?これが正解の答えなんですか?」
「知らないわよ。私の答えなんて今の答えの半分よ。決めた。今日からこのSクラスの授業では私も生徒になるわ」
「そんなメチャクチャな。授業はどうするんですか?」
「今の内容を一つずつ貴方が教えなさい」
「では、僕は次の授業の準備があるので失礼します」
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