条件付きスキル「スキル吸収」を駆使し、冒険者から成り上がれ

ノベルバユーザー538903

17話 スキル吸収

さらに王都に着く日にも盗賊の肩に手を置き、スキル吸収を試した結果、今現在確認できたのはこちら。



・胸に近いほうがスキル吸収はしやすい。ただし、他の場所でも出来るが、数秒時間がかかる。

・固有スキル(中)にスキル吸収を試したが吸収できなかった。

・1人に付き、一つのスキルしか吸収できない。

・吸収したスキルはレベル1だった。



王都に着くまでの間にスキル吸収のことを考えていた。

スキル吸収のレベルが上がらないと解らないが、今現状では固有スキル(弱)以下のスキルしか吸収できないのか~。そして、1人の人からは固有スキル・通常のスキル合わせてスキル1つまでしか吸収できないと言う条件があるとは…。さらに1日に一回。



神様が授けるスキルを吸収できるのだから、それだけでも凄いんだが…。転生神との交渉に負けた気がするなぁ~。もっと上手く交渉していたら違った結果だったのだろうか?

今更考えてもしょうがないか。まあ、これだけでも凄いのは確かだから今後に期待だな。





今回のスキルを得たステータスはこちら

ちなみに後2日後にアスランは5歳となる。



【名前】アスラン・アーバイン

【種族】人間族 【性別】男性 【年齢】4歳

【称号】アーバイン子爵三男

【レベル】1

【体力】50/50

【魔力】139/139

【能力適正】E

【身体適正】E

【魔法適正】D

【スキル】   《隠蔽・Lev:1☆》《身体強化・Lev:1》

【魔法】    《魔力操作・Lev:4》《水魔法・Lev:3》《風魔法・Lev:2》《光魔法・Lev:2☆》

        《火魔法・Lev:1》《土魔法・Lev:1》

【固有スキル】 《アイテムBOX(強)Lev:10》《鑑定(強)Lev:10☆》



魔法適正と身体適正が上がり、魔力が順調に増えている。魔法もこの一年間で火と土魔法を覚え、他の魔法も軒並みレベルが上がっている。

アスランは魔法に関して必死で頑張っていたので、微笑みながら納得顔だったが、通常の子供からしたらあり得ない成長スピードであった。



スキルに関しては、気配察知か気配遮断のスキルがほしかったが吸収できなかったので、身体強化を吸収したのであった。ちなみに隠蔽している部分には☆マークがついている。



さらには固有スキルはレベル10となり、アイテムBOXには特殊な効果があることに気づいた。



・アイテムBOX(強)Lev:10

アイテムBOXの中は、ゆるやかな時間の経過となる。



・鑑定(強)Lev:10

変わったところは見当たらない。



鑑定はレベル8の時に固有スキルまで見れる様になったから、特に今回の変化は解らなかった。アイテムBOXに関しては、お湯のコップを中に入れ、お湯がぬるくなった時間が1時間後だったことから判明した。





この1年間で自分の成長を確認できアスランはご満悦であった。

スキル吸収の件も含め、ニヤケ顔を隠すためにハクを膝の上に乗せ、ひたすら可愛がるのであった。



「ヨ~シヨシヨシヨシヨシ」

「クゥ~ン」

「ヨ~シヨシヨシヨシヨシ」

「クゥ~ン・クゥ~」

「ほら、ここがいいんだろう」

「ク、クゥ~ン」

「アスラン、そろそろハクを返しなさい」

「そうです。ニイサマ」



え、ハクは僕の従魔なのに…。しょうがないので母様の元へハクを向かわせる。

セレストも大分喋れるようになったな~。そんなことを考えていると…。





王都の防壁が見えてきた。

「父様、王都の防壁は凄い大きいのですね」

「初めて見ると、ビックリするだろう?」

「はい。人の列が分かれているのは何故ですか?」

「あ~。一般の列と商人達の列があり、その横が貴族専用になっている。貴族専用の門に並ぶから見てなさい」

「はい。父様」



貴族専用の門に着き

門番とは別の警備兵が尋ねてくる。

「どちらの貴族様でしょうか?」

メイドが答える。

「アーバイン領のアデール子爵様です」

「証明書をお願いします」



メイドは証明書を受け取り警備兵に渡す。

「確認しました。規則ですので、馬車の中を覗かせていただきます」

「どうぞ」



警備兵は馬車の中を覗くだけで、中には入ってこなかった。

「確認しましたので、お通り下さい」



馬車は王都の中を進んで行く。

「父様、証明書があれば覗かれる程度で通れるのですか?」

「証明書があればな。過去に不正をしたことがある貴族は別だがな」



そう言って笑いながら話すアデールを余所に、馬車はさらに進む。





石畳の綺麗な道を通り、街並みに歓心しているアスラン。

なんか、海外に旅行にきた気分で好奇心を露わにしている。

隣ではセレストも目を輝かせている。



「あらあら、やっぱし子供ね」

アドリーヌは、嬉しそうに子供達を見ながら呟いたのであった。





その後、王都の屋敷に到着するとメイド達が並んでおり、

「お帰りなさいませ、ご主人様」

「ご苦労。中でゆっくりしたいから、後は頼む」

「承知しました」



屋敷の中で紅茶を嗜んでいると



ドタドタドタ…バタン。



扉が開くと、そこには長女が走ってきた。

「父様。逢いたかったです」

「あ~、私も会いたかったぞミリア。しかし、もうすこし貴族らしくできないのか?」

「嬉しくてつい。いつもはお淑やかですわ」



そんな会話をしていると長男と次男も近寄ってきた。

「父様。予定通りのご到着で安心しました」

「盗賊がでたが問題なかったからな。イグシルも元気そうで何よりだ。ベルトも変わりないか?」

「はい。王都の学校にて日々勉強を頑張っております」



偶にしか話せない兄弟にアスランも日が暮れるまで会話を楽しむのであった。


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